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「結構、金かかるなぁ」

一人暮らしの経験が無いため、色々と集める必要があった。
冷蔵庫、テーブル、背もたれ付のイス、タオル、カーテン
何が必要になってくるのか想像出来ず、苦労の連続。
イメージしたのは2018.10月に仕事で福岡に2週間滞在した時のことだった。

なんとか準備を終えることができたのち、思い出した。
あの福岡出張ですら、この計画の伏線であったことを。

当時、私は福岡に知り合いがいる訳でもなく、また人付き合いが得意でも無かったため、常に1人だった。
することも無かったので街を散策したり、土日には観光に出かけていた。
私は極めて倹約家(ケチとも言う)なので、タクシーを使うなど論外。
ひたすら歩いて動き回りました(電車は乗ります)。
自炊もするわけもなく、外食かコンビニ飯の日々。
当時は自分の身体のヤバさに自覚が無かったので、太るかなと思うことすらなかった。
今考えるとゾッとするが、それと裏腹にベルトを締める位置が日に日に右側へ移動していったのである。
この時、「歩けば痩せるんじゃね」という天啓を得たにも関わらず、京都に戻ってくると同時に抜け落ちてしまいました。

そうしてどうにか2年後にその想いに呼応するが如く立ち上がった。
家に居ては甘えが出る。
出費が手痛くとも一人暮らしをして己に向き合う。
全てはこれまでの運命と別れ、これからの未来を変えるために。
過去の自分を超える。
必ず超える。
その決意を胸に秘め、男は旅立つ。

第一幕 〜完〜

次回 第二幕「目覚めの物語」
〜覚醒の夜明けはすぐそこに〜

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