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チーム(2人以上)で技術力を向上させる方法

こんにちは。株式会社ゼタントでCEOをやっている久保です。つい先日のニュース記事にもありましたが、技術職であってもプレゼン能力やコミュニケーション能力が明確に問われるようになってきいます。

これは新人採用に限ったことではなく、今在籍しているメンバーにも求めたい・求められる能力だと思います。ですが、いきなり「プレゼン能力を鍛えよう」と言い出してもなかなかうまく動かないことが多いのではないでしょうか。ここでお話ししたいのは、技術力を高めるためにプレゼンを活用しましょう、ということです。要点は次のとおりです。

  • プレゼンする人とフィードバックする人(聞く人)の組を作って、取り組んだことの情報を共有する(できれば3〜4人一組ぐらいで)

  • プレゼン能力を高めることが目的ではなく、技術力を高めることを目的とする

ちなみに私が属するのはIT分野なので、技術力=IT関連の技術力ですが、特にITに限定した内容ではないと思います。

そもそもプレゼンと技術力にはどういう関係があるのか?

まず前提として、「技術に関する取り組み」をプレゼンすることを考えます。プレゼンをする人聞く人にはどういう能力が必要かを簡単にまとめてみます。要は、プレゼンを繰り返すことでその能力が鍛えられるということです。

プレゼンする人が鍛えられる能力

  • 構成力(自分の考えを順序立てて矛盾なく表現できるような構成を作る能力)

  • 表現力(人に伝わるように表現する能力)

  • 技術力(実際に取り組んだ技術に関連する能力)

  • 発表力(人前で発表する能力)

  • 対応力(質問やコメントに応答する能力)

プレゼンを聞く人が鍛えられる能力

  • 理解力(人が話している内容を理解する能力)

  • 課題発見能力(話している内容から問題点を見つけ出す能力)

  • 技術力(実際に取り組んだ技術に関連する能力)

  • 指導力(質問やコメントを通じてプレゼンターを教育する能力)

  • 忍耐力(少々わからなくても我慢して聞く能力)

とはいえ、ただ単純に技術力を向上させるためだけにプレゼンを利用するのは、あまり効率が良くありません。それは、技術力がプレゼンに関連する能力のうちの一部でしかないからです(プレゼンするほうも聞く方も)。ただ、その一方で、人に伝えようとすることで理解が曖昧だった点が明らかになるなど、プレゼン資料作成やプレゼン自体を実施する過程で、普段の業務では得られなかった知見や理解が得られるものです。教えるのが一番勉強になると言われますが、まさにそれです。

また、プレゼンする方に意識が向きがちですが、実は聞く方の能力もかなり重要です(もちろん積極参加することが前提です)。例えば、トークセッションのイベントで司会をすることを想像してみてください。うまくイベントを回すためには、いい感じの質問を登壇者に投げかける必要があります。話される内容をちゃんと理解して、会場の人たちの興味がありそうな方向に誘導するなど、たくさんの苦労があるはずです。理解して、うまく聞き出し、指導するという能力はプレゼンする人に必要な能力よりも、もう一段高度な能力な気がします。

技術力を高めるためにプレゼンを活用する

完璧なプレゼンを目指そうとすると準備が大変です。またしっかり作り込んだのにダメ出しされるとメンタル面でもダメージを受けがちです。そこで、プレゼンの目的およびルールを明確にして、プレゼンそのものの負担を少なくします。例えば次のような目的とルールです。

  • 目的:技術力と構成力の向上だけを目指す(他の能力には目を瞑る)

  • 資料ルール:スライド5枚まで、文字サイズは18pt以上、1つ以上図を入れる

  • 発表ルール:発表5分(スライド1枚1分程度)

  • 質問ルール:聞く人は必ず1回以上質問する

  • 指摘ルール:指摘・指導事項については、それが何の能力に関するものなのかを明示し、技術力と構成力に関するもの以外はメモに書いて後で渡す

  • チーム構成:3〜4人で組をつくる

ルールの中で特に重要なのは、プレゼン資料そのものを作るのにあまり時間をかけないでいいようにすることと、むやみに揚げ足をとるような指摘をせず、技術力向上に資するものに注力することです。私個人の考えとしては、構成力は論理的思考力とも考えられ、技術力とかなり親和性が高いので、目的に含めています。聞く方の人は、発表資料そのものの構成というよりも、普段の取り組みそのものの構成(取り組み方、取り組み順序など)に対してコメントするといいと思います。

人数を少なくする理由は、人前で喋るのが辛い人もいるのでなるべく精神的な圧迫を小さくするのと、聞く人も参加しなければならないので時間短縮のためです。

そして一番気をつけなければならないのは、吊し上げ大会みたいにならないようにすることです。これをやってしまうと単なるストレスにしかなりません。

別の形態でも問題ない

プレゼンは必ずしも「人前で喋ること」とは限らないので、社内SNSみたいなところでブログ記事を書く、というようなプレゼンテーションでも問題ありません。あくまで目的は、「技術力と構成力の向上だけを目指す」です。その目的を果たすために、アウトプット(=プレゼン)とフィードバック(=コメント、指導)を使いましょう、ということです。

さいごに

これを実践しようとすると、難しいところもあるかもしれません。もしお近くに、上であげた能力(構成力、表現力、技術力、発表力、対応力、理解力、課題発見能力、指導力、忍耐力)のうち、4つ以上持ってそうな方がいらしたら、その人に最初のうちは進行を手伝ってもらうといいと思います。目的と進め方の趣旨さえ理解してもらえれば、きっとうまく手伝ってもらえるはずです。

#COMEMO #技術力 #プレゼン #コミュ力 #チーム #能力向上

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