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2023年大晦日、ガンジス川で沐浴してきた
2023年が終わり、2024年がやってきた。
昨年はどのような一年だったであろうか。私は数年勤めた会社を勢いで辞めて、長期の旅に出る決断をしたという点では非常に有意義な年であったと感じている。
年越しはインドのバラナシで過ごした。初めての海外での年越し、しかもインドの聖地。あらかじめ予定していたわけではなく、たまたま日程上バラナシになっただけ。しかし、それがインドの聖地になったということは、なにかしらの縁を感じる。
12月31日の大晦日、私はガンジス川で沐浴をしてきた。賛否両論はあるかと思うが、インドの聖なる川での沐浴。とても清々しい気持ちになった。
ガンジス川での沐浴について、新年一発目で振り返りたい。
ガンジス川に沐浴するまで
身近な人から「ガンジス川で沐浴するな」と言われる
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世界一周旅行をする前、前の会社の同僚や、友達などから結構本気で沐浴をすることを止められた。
ガンジス川が綺麗だという評判など全く存在しない。「インド」というだけで危険だとか汚いとかイメージを持つのに、ガンジス川に入るなんてもってのほかだと思い、私に忠告をしてきたのだろう。
私の健康を心配してそのように言ってくれるのは本当にありがたい。沐浴をしようとはうっすらと思っていたが、彼らに影響されて、私の沐浴する意思というのはかなり小さくなった。
ガンジス川に関する色々な記事を見て不安になる
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バラナシに到着した時、宿で出会ったインド人と韓国人の友達にガンジス川で沐浴をしないか誘われた。
色々な人に止められた経緯があったが、せっかくバラナシに来たのだから、沐浴をしようかな、と心が揺らぎ始める。そこで、試しにインターネットでガンジス川の沐浴について調べてみると、衝撃的な記事が載っていた。
ガンジス川全体の70%の部分は汚染されています。
このように汚染されたガンジス川の水の中にはさまざまな病原菌が存在しています。ガンジス川は世界の中でも汚い川とされ、「世界で汚染された川トップ5」に入ったこともあるほどです。
ガンジス川が汚い原因をまとめると次のようになります。
・インドの下水道が整備されていないことで汚染水が下水処理場を通らず直接流入している
・ゴミが直接捨てられていること
・遺灰や遺体が流れている宗教上の理由
・農薬まみれの献花(マリーゴールド)が大量に流れている
・5億人が屋外で排泄
・工場の廃棄物・排水が捨てられている(経済成長)
ガンジス川の大腸菌は基準値の10倍ほど検出されており、沐浴すると、お腹を壊すだけでなく、腸チフスやコレラなど様々な感染症にかかるリスクもあります。
「うわ、大丈夫かな、、、」
世界一周の旅が始まったばかり。ここで沐浴をして、大きく体調を崩して、この後の旅の予定がおじゃんになってしまったらどうしよう、、、
そのような不安が頭の中で堂々巡りをする。沐浴をする予定日(大晦日)の前日まで不安をずっと抱え、当日は私だけ沐浴をするのをやめようかとも考えた。
旅の安全と楽しい思い出、どちらが大切なんだろうか。ずっとこの2つを天秤にかけて、決断をするのをためらっていた。
最後は直感と流れに身をまかせる
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沐浴するかどうか全く決められずに、大晦日当日を迎える。朝ごはんを食べて川のほとりでゆったりとする。沐浴しようか、どうしようか悩んでいた時、なぜか知らないけれど急に吹っ切れた気持ちになる。
「今後のことなんて誰も予想できない。自分がわくわくするのはどんな選択か。」
こんなことをふと考えたとき、せっかくの機会だから沐浴をしてみたいという気持ちがふつふつと湧き上がってくる。
バラナシで素晴らしい友人に出会って一緒の時間を過ごすことができている。どうせなら彼らと一緒に心に残る思い出を作りたい。
そのような気持ちが強くなった時、沐浴をしないという選択肢はすぐに頭の中から消えていく。
このわくわくした気持ちに従おう。そう考えた私は、直感とその場の流れに身をゆだね、沐浴をすることに決めた。
ガンジス川で沐浴した時の感覚
気持ちを完全に切り替えた私は、友人と一緒に沐浴の場所へ向かう。服を脱ぎ、沐浴用の衣服に着替えた後、ゆっくりと足からガンジス川の水に浸かった。
ガンジス川の水はそこまで冷たくない
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12月のバラナシは肌寒い日が続く。気温は朝方は10度くらいで、最高気温も20度台前半だ。水に浸かるのには少し寒い温度に感じる。
実際に川に使ってみると、思ったほど水は冷たくない。むしろひんやりしていて気持ちよく感じた。それは夏に入るプールと同じような感覚に似ている。風邪をひいてしまうような温度ではないからかなり安心した。
ガンジス川の水は思ったほど臭わない
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ガンジス川は色々なものが排出されているので、臭いがきついと思っていたが、実際に入ってみると、臭いいはほとんどしない。水は濁っているが、臭いで不快になることは全くなかった。
しかしながら、決して水は綺麗ではないことは頭に入れておいてほしい。
一旦ガンジス川に入ると、不安が全て吹っ飛ぶ
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沐浴する前日まで感じていた不安な気持ち。
水に浸かったら、もうやるしかない。そんな気持ちにならざるを得ない。
ガンジス川に浸かっているだけでだんだんと気持ちよくなり、楽しい気持ちが増してくる。しっかり目と鼻と口は塞いで、2023年の穢れをすべて落とすと共に、2024年の平穏な生活を祈って、友人と一緒に沐浴をした。
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ガンジス川で沐浴した後
人生における小さな後悔が減る
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やってみたかったが、ちょっと不安だからやらなかった。でも思い返してみるとあの時やっておけば良かった、、、
このように思うことは誰しもあるかもしれない。もしもガンジス川の沐浴をやらなかったら、私は旅が終わった後、そのように思っていただろう。
大晦日にガンジス川に沐浴した後、達成感と喜び、友達と時間を共有できたことに対する満足感で満たされて非常に気持ちが良かった。
ガンジス川で沐浴する経験ができて良かったと今では強く思っている。
みんなから褒められる
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ガンジス川で沐浴したことをInstagramのストーリーズにアップロードしたり、LINEで知人に知らせたら、思いのほか好印象だ。
「勇気あるね、さすが!」といった声やいいねがたくさん寄せられてくる。承認欲求はふだんあまり持っていないが、お世辞ながらも褒められると素直にうれしい。
インド人と仲良くなる
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外国人が沐浴をするのは結構珍しいらしく、沐浴をしていると多くのインド人たちがこちらを見てきて、写真を撮ってくる。
沐浴が終わった後も、ちらほらと声をかけられてセルフィーを一緒に撮ったり、沐浴をねぎらったりしてくれる。インド人とより交流することができてとても良かった。
ガンジス川の沐浴は一生の思い出になる経験
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最初は不安な気持ちを抱えながらも、流れに身を任せてガンジス川で沐浴をした。インドの聖地で、現地の人たちと同じように、聖なる川で沐浴をして罪を洗い流すことができたのは非常に良い経験になった。そして、私の人生の中で最も思い出に残る瞬間の一つとなり得ると確信した。
沐浴については賛否両論があることは事実なので、私はこれからインドを旅行しようとしている人たちに、強く勧めるつもりは全くない。
もし、インド人と同じように、ガンジス川で沐浴をしてみたいという人がいるならば、体調管理を万全にして、楽しんでもらいたい。
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