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ミスしても「まぁいっか!」 仕事のストレスをためないコツ

社畜、長時間労働、ブラック企業、過労死、非正規雇用、失われた30年、パワハラ、、、

仕事や労働に関する語句を連想すると、私の頭の中で瞬時に出てくるものだ。ここまで多くのネガティブな言葉が出てくる時点で、ある種の禁断症状が出ているのかもしれない。

わが国日本の仕事や労働環境を、「素晴らしい」と称賛する人はほとんど存在しないだろう。多くの人が仕事でストレスや不安を抱える中、心身を健康に保ち続けるのは必須事項である。

かつて、自身も学生時代に精神を病んで休学した経験があり、就職に関して良いイメージを全く思っていなかった。

そんな私が、現在仕事をする上で心がけていることについてお話をしたい。仕事で悩んでいる皆さんが、少しでも心が軽くなれば幸いである。

同僚Tの非常識な態度に驚く


私は会社の経理部で働いている。経理部といえば、細かいとか、抜け目がないとか、そういったイメージを持つ方が多いだろう。

そのイメージはあながち間違っていない。私の部署の人は、まめな人や、ミスなく丁寧に仕事を進めようとする人は多い。

「なんでそんな細かいところまで!?」

と叫びたくなるほどの細かいミスまで上司は見つけて、私達に指摘をしてくる。むしろ、ミスを発見して部下を詰める上司の顔は、やや得意げに見える。

もちろんミスを指摘されると、あからさまにがっかりした表情をする社員もいる。これは私の部署のみならず、同様の場面では、多くの人がネガティブな気持ちになるであろう。

しかし、私の同僚T(仮名)は違った。

Tは私よりも10年ほど先輩であり、職位は主任レベルである。これから部下を持ち、ゆくゆくは組織全体をまとめるポジションに上がる人だ。したがって、求められる要求や仕事のレベルも、私のような平社員よりも高い。

勤務中、Tがさらに上の上司から、仕事の内容に関して、厳しい指摘がされ、業務で至らない部分ついてしばしば詰められている。

険悪なムードになり、空気がピリつく中、私は詰められているTの表情に目を向ける。



なんということだ?!
顔色一つ変えず、涼しい顔をしている。

会話のやりとりはこんな感じ。

上司:「この数字は違うだろ!」

T:「あ、ホンマっすね!( ◉ω◉ )」

厳しい指摘に対してビクともしない。
加えて、仕事を教えてもらっているときも同じような態度をしている。

上司:「○○はこうやってやるんやで!」

T:「はぁ、( ˙-˙ )」


「『はぁ、』ってどんな返事やねん!」

と後輩の私も思わずツッコみたくなるようなTの態度に、最初は唖然とした。Tは現在の部署に少なくとも5年以上は在籍をしている。ずっとこのような対応をしてきているのか、と想像するだけで、なんだか面白おかしく感じてしまう。

厳しい上司の詰めに対して、Tはどうしてあのように鈍感でいられるのか、本当に理解ができなかった。


Tの鈍感さから学んだこと

毎日のように、上司が厳しい指摘し、涼しい顔で対応するTを見ていると、次第に私の考えが変わってくる。

「Tさん、ある意味最強だなぁ。」


上司の詰められても、全く顔色を変えずに対応している様子を見ると、Tのずぶとさや、感度の低さに対して羨望の気持ちを自然と抱く。

確かに、上司に詰められている事実は否定できないが、それでもTは毎日健康に過ごしていて、最低限の仕事はしっかりとこなしている。

特に、Tが最強だと思った大きな理由の一つに、精神を病む可能性が極めて低いことが挙げられる。

上司の厳しい指摘に対して、顔色一つ変えずに、涼しい顔をしてやり過ごし、何事もなかったかのように自分の席に戻っていく。

こんな人が仕事で精神を病んでしまうことは決してないだろう。

世の中には、真面目で責任感のある人が、自分のミスを過剰に責めてしまったり、心が繊細な人が、仕事のプレッシャーや厳しい指摘に耐えきれなくなったりして、最悪の場合、休職や退職に追い込まれてしまう人は少なくない。

精神を病んで、休職したり、退職したりして、人生の大事な時間をロスするのは本当にもったいない。

労働環境が良くない日本で仕事をする上では、Tのような鈍感さは非常に大切な能力の一つであると感じている。

Tの態度をふまえて私が実践していること


Tの鈍感さを目の当たりにした私は、彼の態度から、自分にどう生かせるかを考えた。

もちろん、Tのように、あっけない態度で接することは、少し行き過ぎで失礼に当たるのではないかと思う。しかし、心の持ちようとして、上司に指摘されたり、詰められたりしたときに、鈍感さで自分の精神を守ることは非常に重要だと感じている。

相手への思いやりと、自分の防衛のバランスを保ちながら、もっとも自分自身がストレスを感じない対処法を見出した。

私は仕事でミスしたとき、総じて以下のような対応をする。

前提として、自分が失敗をして、追及された場合、素直に非を認め、次の対応策を考えるように努力はする。

一方で、心の中では、即座にこのように考えるようにしている。

「まぁいっか!」

仕事で失敗したり、詰められたりするのは心理的に苦痛を伴うものがある。

しかし、よほどのミスをしない限り、クビになることはない。ミスをしたらそのあと直せばよい。上司に詰められたり指摘されたりしたら、とりあえずその通りにやってみればよい。

「まあいっか!」と思うように心がけることで、失敗したときの心の痛みを大きく軽減することができたと感じている。

私はTの態度を見て、これから長く仕事をしていく上で、心の中に「鈍感さ」を持った方が、長期的に健康に働くことができるのではないかと思う。

失敗しても「まぁいっか」


世の中のほとんどの仕事において、ミスをして上司に詰められたとしても、実際は周りの人が助けてくれたり、上司が尻ぬぐいをしてくれたりすることで案外何とかなるものだ。

詰められることに対する恐怖感や不安、他人に迷惑をかけてしまうことに対する罪悪感が、私達の心を大きく疲弊させているのではないかと考えられる。

仕事でミスをすると強い罪悪感を感じてしまう人や、上司に詰められて泣きそうになってしまう人。

その気持ち、私自身も非常に共感できる。

鈍感さをすぐに手に入れることはできないかもしれない。まずは小さなことから始めていこう。

仕事でミスをした後、心苦しい気持ちを抱きながら、一目散に個室トイレに駆け込み、呼吸を落ち着かせ、自分自身に優しく声をかけてあげてほしい。

「まぁいっか!」


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