2024 Summer Vaction: Utahの旅(16)
July 8, 2024
Bryce Canyon National Park
Bryce Canyon National Park
基本情報
Bryce Canyon National ParkはCanyon(渓谷)と呼ばれるにもかかわらず、じつはその地形は川によって侵食されたわけではないため厳密には渓谷ではないらしい。
渓谷の場合、川の流れが主な侵食力であり、谷底に川が流れている。しかし、ブライスキャニオンでは、川が特定の形を作り出したわけではなく、広範囲の降水が地層を削り取る形で侵食が進んだ。このため、明確な谷底や川の流れが存在しない。
ブライスキャニオン国立公園の特徴
地形と形成
フードゥー(Hoodoo)
フードゥーはブライスキャニオンの象徴的な地形であり、侵食によって形成された様々な形状とサイズの岩柱である。これらの岩柱は赤やオレンジ、白などの鮮やかな色合いをしており、特に日の出や日の入り時に美しい光景を作り出す。
堆積岩の形成
約5000万年前、この地域は浅い内陸海の底に位置していた。砂や泥、石灰質の堆積物が溜まり、後に堆積岩として固まった。これらの堆積岩層がブライスキャニオンの地層の基礎を形成している。
隆起と断層活動
約1000万年前、北アメリカ大陸の西部が隆起し、地殻変動の影響を受けて高度が上昇した。断層活動も活発になり、地域の地形を変化させた。
侵食と風化
ブライスキャニオンの現在の地形は、雨水や雪解け水の浸透、凍結と融解を繰り返すことで岩石が削り取られ、フードゥーが形成された。水の侵食、化学的風化、重力の影響などが主要なプロセスである。
気候
四季
ブライスキャニオンは標高が高く、約2,400メートルから2,700メートルの間に位置している。このため、四季折々の気候を楽しむことができる。夏は涼しく、冬は雪が積もり、美しい雪景色を楽しむことができる。
降水量
年間降水量は少なく、乾燥した気候が特徴である。しかし、夏には短期間の雷雨が発生することがあり、地形の浸食を促進する要因となっている。
動植物
植物
ブライスキャニオンの高地には多様な植物が生育している。主な植物にはポンデローサマツ、ブルーシュルベリー、アスペンなどがある。これらの植物は、乾燥した気候と厳しい冬の条件に適応している。
動物
ミュールジカ(Mule Deer)は公園内でよく見かける大型の草食動物である。コヨーテ(Coyote)も頻繁に見られ、夜間に活動することが多い。公園内にはワシ、タカ、フクロウなどの猛禽類や、小型の鳴鳥も多く生息している。また、リス、ウサギ、ヘビ、トカゲなどの小動物も多く見られる。
アクティビティ
ハイキング
ブライスキャニオンには数多くのハイキングコースが整備されており、特にナバホループトレイルやクイーンズガーデントレイルが人気である。これらのトレイルは、フードゥーやその他の奇岩を間近で観察することができる。
星空観察
ブライスキャニオンは光害が少なく、非常に美しい星空を楽しむことができる。天体観測イベントも頻繁に開催され、天文学者やガイドが星座や天体について解説する。
ビューポイント
サンライズポイント、サンセットポイント、インスピレーションポイントなどの絶景ポイントがあり、それぞれ異なる視点からカニオンの美しさを堪能することができる。特に日の出や日の入りの時間帯は、光と影のコントラストが美しい景色を作り出す。
文化と歴史
先住民族
この地域には古くから先住民族が住んでおり、彼らの文化や歴史も見ることができる。先住民族の遺跡やアートが点在しており、訪れる人々にその豊かな歴史を伝えている。
開拓史
19世紀に入植が始まり、1928年に国立公園として指定された。公園内には当時の入植者の歴史を伝える展示や施設もあり、訪れる人々に地域の歴史を紹介している。
Visitor Center
Zion National Parkと比べ、玄関口の街、Bryce Canyon Cityはかなり小さく、宿泊施設なども限られている。それでも、昔より少しだけ栄えた気がするが。
Bryce Canyon Cityを通り抜け、入り口を抜けるとすぐにビジターセンターがある。
いつも通り情報収集するとともに、今回のメインイベントでもある、バックカントリー(Under the Rim Trail)の許可証も受け取りに行く。
ビジターセンターには、お土産なども含めたBook Storeや、公園について展示しているスペースが併設されている。
バックカントリーについてレンジャーに聞こうとしたら、なんと「昨日から山火事が起こっているから、少し天気がスモークになるかも」と言われる。
山火事が起こっているとは知らなくて、バックカントリーに問題ないのか、とか避難の必要はないのか、など聞いたが、特に問題はないとのこと。今のところ、公園まで火が到達する感じでもないようだった。ただ、煙は風向きによって変わるため、多少、見通しには影響するような話だった。
さらに、Bryce Canyon National Parkはクマの生息地でもあるため、バックカントリーの際は、クマ缶の携帯が必要となる。
通常は、「持ってます」と言えば問題ないのだが、Bryce Canyonのレンジャーは「持ってきて、確認する」とまで言われたため、旦那が車に取りに戻る羽目に。
あとは水場について確認したら、いくつかのクリークはこの熱波でも水源として使えるとのことだったが、1つは大腸菌が発生しているため、フィルターは2回と言われた。2回フィルータ通して煮沸しても、嫌だなと思いながら、「Water Cachingは可能?」と聞いたら「それもひとつのアイデアだね!」とか役に立たない返答をしてくる。
アメリカでは、自分が疑問に思っていることをきちんと聞かないと、相手が慮って情報をくれることはまずない。水はどこでとれるの?と聞けばここで取れる、という話だけ。こっちが、コネクショントレイルを使って、キャンプ場に前日に水を運んでおいてもいい?と聞くと、それもありだね、という感じ。間違っても、これとこれとこれの選択があるよ、なんて親切な回答はない。なので、Water Cachの情報は先に手に入れておいてよかったのだ。
Water Cacheとは
「Water Caching(ウォーターキャッシング)」とは、バックカントリーでのハイキングやキャンプなどの活動を行う際に、前もって必要な場所に水を隠しておくことを指す。この方法は、特に水源が限られた地域や乾燥地帯で長期間の活動を計画している場合に有用である。以下にWater Cachingの具体的な方法と注意点を説明する。
Water Cachingの具体的方法
計画と準備
ルートの確認: ハイキングやキャンプのルートを事前に確認し、水が必要となるポイントを特定する。
水の量の計算: 予想される消費量に基づき、各ポイントにどれだけの水が必要か計算する。
水の容器の選定
耐久性のある容器: プラスチックや金属の容器を使用し、破損しにくいものを選ぶ。
密閉性: 容器はしっかり密閉できるもので、漏れないようにする。
水のキャッシング
水の貯蔵場所の選定: 目立たず、動物や他のハイカーから見つかりにくい場所を選ぶ。できれば木の根元や岩陰など、目印となる自然の特徴物の近くに置く。
記録とマーク: 貯蔵した場所の正確な位置をGPSで記録するか、地図にマークを付けておく。自然の目印を利用して位置を特定しやすくする。
環境への配慮
容器の適切な処理: 使用後は容器を必ず回収し、環境を汚染しないようにする。使い捨ての容器は避ける。
Water Cachingの注意点
安全対策
水質管理: 貯蔵した水は容器に入れる前に浄化するか、キャッシング後も浄化が必要な場合がある。容器が汚染されないように注意する。
動物対策: 動物に見つからないようにしっかりと隠す。場合によっては容器をカバーで覆う。
計画的な実行
日程と天候の確認: キャッシングする日程や天候を事前に確認し、無理のないスケジュールを組む。
バックアッププラン: 万が一、キャッシュした水が見つからなかった場合のバックアッププランを考えておく。
ルールと規制
土地管理者の許可: 一部の地域ではキャッシングが禁止されている場合があるため、土地管理者の規制を確認し、必要な許可を取得する。
今回、熱波のせいで水源が限られていること、大腸菌が発生していることから、Water Cacheを行うことにした。
そのため、ビジターセンターから一旦水を買いに行って、予定しているキャンプ場まで直接繋がっているコネクショントレイルを使って、8リットルの水を持っていくことにした。
続く
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