見出し画像

作曲家目線の人の音楽の楽しみ方


0.前書き

先日兼業バンドマンをやる理由と言う記事を書かせていただきました。
ラウドロックバンド、CRAZUSの作曲、ギター、コーラス、シャウト、ラップ、デザイン、ディレクションを担当しているTKsh(タケシ)と申します。

特段凄いギタープレイヤーでもなければ、流行りのDTM/宅録も最近始めたばかりなのであまり実用的な記事もかけないのですが、同僚や友人、作曲しないバンドマンから「作曲できるのすごい。」とか言われるでそのことについてと、作曲者目線での音楽の楽しみ方を書いてみようと思います。
ちなみに、作曲をしている人に語れる程の何かをするわけではなく、普段聴いて/弾いて楽しんでいる方が違う楽しみ方できればな。と言った観点で書いております。音楽理論や用語は自分なりにかみ砕いているためしっかり勉強されている方から見ると齟齬があることもあります。ご了承ください。


1.作曲は難しくない


結論から書いてしまいましたが、ワンフレーズの伴奏とメロディくらいならホントに簡単です。何故なら私は音楽理論や作曲についてはおろか、ギターの基礎中の基礎のコードやスケールと言ったギターを演奏する上での決まり事をほぼ知らずに作っていました。
※現在はやりたいことから逆引きして勉強していますが、躓くと考え込んで止まらなくなるタイプなのでなるべく作りたいものを作って後から勉強。といった形なのでいまだに体系的な理解はしておりません。

作曲には主に2パターンあります
①:メロディを作って、それに合う伴奏を作る
②:伴奏を作って、それに合うメロディをつける
少ない知識ではありますが、音には相性があります。
なので、めちゃくちゃ簡単に言ってしまえば①の場合は【この音の時に使えるのはこのコード】、②の場合は【このコードの時はこの音が使える】と言う形になるので後はパズルを組み合わせるだけです。
音で考えると難しいですが、数学の二次関数のように記号として当てはめる分には割と簡単な作業になります。
当然、これだけだと大抵聞いたことある曲のそっくりさんが出来上がるだけですが、最低限の作曲はパズルとでも思っていただければというお話でした。意外と簡単そうでしょ?


2.名曲とはなにか


作曲が意外と簡単そうだ。と言う話をさせていただきましたが、もちろん名曲なんて狙って書けません。(私は。)また、名曲は人の感性によるので名言もできないしこれが正解だ。とは言えません。
が、一作曲家として思うところ(あくまで個人の感想)と、こんな楽しみ方をしています。と言ったことを記せればと思います。
まず、だれもがすぐ覚えられる、口ずさめる曲。流行り廃りはありますが、要は心地よく耳馴染みのいいスケール(特定のキーの時にどの音を使うといい感じにまとまるかの表みたいなもの)だけを使えば自然と歌える=馴染みやすいので親しまれますね。
難解な曲もたくさんあります。変拍子(心臓の鼓動と一致しないリズム)や転調(サビとかで急に高くなったりするやつ)を多用していたり、あえてスケールを外しつつも整合性を保っていたり。当然計算してこれらをたくさん盛り込むのは大変ですが、たくさん入れられたとしても別に名曲っていうことにもなりません。

一方、ここ数年天才と言われる某お方。曲を紐解くと不協和音に聞こえない不協和音や難解な曲で使われる技術、さらに特徴的な同主調音転調(普通の転調のように音程上げていないのに曲の雰囲気をガラッと変える)をこれでもかと盛り込んでいるのにキャッチーで、耳障りもよく、単純でもなければ難解でもない。このバランス感覚はどういうことだ!?となります。
どういう風に作ったから名曲だ。名曲じゃない。なんて言えないのですが、雰囲気や歌詞だけじゃなく多少の知識があればなぜここでこの手法を使ったのか。なんてことに思いを巡らせると非常に面白く、理解できると作曲者がどこにこの曲の意味の重きを置いているのか。等の意図が汲めます。Youtubeで音楽理論の触りを勉強してみたり、音楽理論で曲を紐解いているものを見たり。音楽理論は作曲や演奏のためだけではなく、別の角度から音楽を楽しむ手段にもなりますと言った一つお勧めしたい内容でした。
かくいう私もコード進行を全て並べて初めて歌詞の意味が分かる。みたいな曲をたまに作ったりします。究極にめんどくさい推理ゲームになるのでそこまで読み解かなくてもいいとは思いますが笑


3.何のために作るのか/曲の原料は何か


メッセージがあるから、モテたいから、世の中がむかつくから、有名になりたいから、吐き出したいから、とか人それぞれでしょうから一例として私の作曲する理由と原材料を書いてみたいと思います。
作曲を始めたきっかけは、先の記事で書いたV系バンドです。誰も曲が作れない。金もないから作曲の依頼もできない。ギター弾けるのが私だけだった。(ドラムだけ、ベースだけで作ってもあんまり曲のイメージがわかないことが多いのです。)上記理由から作らざるを得なくなったのが最初です。志がない理由でごめんなさい。
先述の記事の通り一度音楽が嫌になるのですが、当時既に活動休止していたELLEGARDENを知り、こんなに人に寄り添うような音楽があるのか。と感銘を受けてコピバンを始め、心酔するがあまり作曲も真似して始めました。ある程度作曲の勘所を掴む頃、ひとりでアメリカ横断したりバックパッカーとしてヨーロッパを巡ったりと世界中で色んな空や景色を見に行くようになっていました。そこで、写真や絵ではなく音楽でこの景色を見せられたらスゲーんじゃね!?と思い立ち、今でもずっと景色を音楽で表現しています。

当然歌詞では景色には触れず、音からどんなイメージを持つかはその人のバックグラウンドにもよることになるので全員に同じ景色を見せるのは難しいと思うのですが、音だけじゃなく自分なりの景色を思い描いたり、私がどんな景色を表現したくて作っているのか考えて見てもらえたら幸いです。
あくまでうちのバンドが好きな人向けの話ですが、それぞれ好きなアーティストさんの曲の原材料が知れたらより曲を楽しむ幅が広がるんじゃなかろうか。と言ったお話でした。

以上、自分なりの解釈で作曲と、作曲家から見る音楽の楽しみ方(ちょっと音楽理論を勉強するだけで作曲家の意図が汲めるので、より深く音楽が理解できる)について書かせていただきました。どんな楽しみ方も自由ですが、選択肢が多い方が良いと思って生きているので皆さんの選択肢が一つでも増えていれば幸いです。


4.最後に

CRAZUSは11/23にライブに出演します。
有料配信も行い、当日含めて14日間は視聴可能ですのでよろしければ一度ご視聴ください。
こちらからご購入いただく際に、備考欄に【CRAZUS】とだけご記入ください。
※記載がないと誰の収益にもならないので、良ければご協力ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?