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【農業×フィットネス】トマトの苗を4000本植えて思ったこと。

4000本っていうのは、作業した10人全員でトータルした本数ですけどね。それでもまだ植え切れなかった苗が2000本あります。トマトで生計を立てるためにはこれくらいの規模が必要なんだと知りました。そんなトマトの苗植えのお話です。

毎年3月はトマトの苗を植えます。

妻の実家は専業農家です。主にトマトとお米を作っています。トマトは3月中旬、お米はゴールデンウィーク辺りに田植えをして本格的なシーズンに入ります。

そんな中で今回はトマトの苗植えを手伝った話です。今苗を植えると、6月中旬ころには収穫できるようになります。そこから長いと年内一杯はトマトが採れ続けます。昨シーズンは本当に12月中も出荷していました。味はだんだん薄くなりますけどね。やはり暑い時期のトマトの方がおいしいですね。

苗植えはこんな作業手順です。

①苗床である程度の大きさまで育てる

②ビニールハウスに苗を運び植え直す
(事前に畝を作り、保温用のビニールを掛けて植える穴を苗文用意する)

③人海作戦で苗を一つひとつ植え直す




一つの苗床にズラーッとポットに入った小さい苗が並んでいます。これがまた美しい。これも自分たちで種を蒔き育てる場合もあれば、苗専門で育てる人から買う場合もあるようです。苗を植える時期から逆算して育て始めます。まだまだ寒い時期でもあるので電熱線を通した苗床で大事に育てられます。この時点で、すごいコストが掛かっている気がします。


苗植え当日は、一族総出で一気にやります。笑
年間の一大行事です。
苗床から、コンテナに移して運び出します。一つのコンテナにポット20個ほどしか入らないので、今回コンテナ200ケース分を運んだ計算になりますね。もちろん、そんなにコンテナを持っている訳ではないので何往復もします。これが去年は大変で、苗床がとても遠かったんです。往復で30分くらい掛かりましたかね。今年は往復で10分も掛かりませんでした。年によって、苗床が変わるみたいです。それだけで、作業効率はかなり変わります。

運び出した苗をビニールハウスの中に植え直します。事前に畝を作り、シートをかぶせて、飢える穴を作ってくれています。これも苗の数分です…すごい作業量です。その穴一つに対して苗のポットを一つずつ置いていき、植え直す準備をします。大きなハウスで400本、小さめで200本規模です。


あとは、穴にポットから苗を移し替えて土をかぶせていくだけです。茎を折らないように慎重に。少し南に傾けて植えていきます。無言でひたすら作業します。これ、嫌いじゃないです。無心で没頭できます。

農業×フィットネスを考える

単純に4000本を10人で割ったら、一人当たり400本ですよね。立ったまま作業はできないので、400回自重スクワットしたことになります。10回1セットの筋トレを40セットできますか?こう見ると良くやったなと思います。しかも厳密には苗を運んで、コンテナから出す作業もあるので運動量は更に増えます。前に屈むのでデッドリフトに近い動作でもありますね。普段100kg近くの重量を扱ってデッドリフトしていますが、回数が嵩むとそれ以上に追い込まれることが改めて分かりました。笑

この量なら自重でも十分効きます。筋トレ効果は重たい重量を扱わなくても、回数を多くすることで重たい重量を扱う場合と同じ効果が出せるということが色々な研究で明らかになっています。研究ベースでは限界に近いところまで行う必要があるので、もちろん回数を増やすにはそれなりの辛さはありますよ。ただ、動かざるを得ない状況であれば、「実は限界に近かった」状態を作れるかもしれませんね。手を止めるわけにはいかないので。その分、けがのリスクは上がりますのでご注意ください。

何かの目的を達するために(この場合は、苗を植えるため)に動くしかない状況設定は、運動量を多くするにはいいかもしれません。少なくても、自分で運動しなきゃいけないと思うよりもハードルは下がりますよね。いかに意識せずに動く量を増やすかがポイントですね。実際にやってみると農家さんの日々の作業量が分かります。ご本人に言わせれば、全く問題ない状態ではないんでしょうが、それでも動ける身体をキープできている秘訣はここにありそうな気がします。農業従事者の平均が70歳近くても、見た目年齢が若く見えるのも納得できます。

実際にどのくらいの消費カロリーだったのか?

それでは、どのくらいの運動量だったのでしょうか?
『農作業 消費カロリー』で検索したサイトで計算してみます。

体重61kg、苗木の植栽をトータルで5.5時間したとして計算してみました。

無題

トータルで1515Kcal!!!
基礎代謝量の倍です。すごい量ですよね。これを純粋なエクササイズで消費しようと思うと、まず出来ないな…と思います。笑

正直、少し疑うような数字ではあるのですが、いつもより1食分多い摂取カロリーでも体重が変わらなかったので見た目でのカロリー出納はバランス取れていそうです。

苗植え 消費カロリー

忘れちゃいけないのは、専業農家さんはこれに準ずる作業を毎日行うってことですよね。本当に頭が下がります。もちろん作業効率が上がり、限りなく少ない消費カロリーで作業できるようになっていくとは思うんですがそれでもかなりの運動量になることは想像できます。

以前にも書きましたが、フィットネスで農家さんをサポートしたいという思いを持っています。それは今でも変わりません。より長く、効率よく動ける身体を作るためにはトレーニングをしてもらいたいと思っていますが、日々これだけの作業量をこなしていることを考えるとこれ以外の時間にあえて運動する時間を取りたいと思うか?という点は考慮しないといけないなと思います。そうしてもらうためには、時間を掛けてモチベートしていかないといけないと思います。

まとめ

今回、実際に作業をしてみて気づくことがたくさんありました。活動していきたい分野を体験できるとやはり違いますね。当事者意識を持てることはとても大きなアドバンテージだと思います。これを自分の事業に活かしていきたいと思いながら、美味しいトマトを心待ちにしたいと思います。

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