自己、愛

お酒を飲んでいつのまにか眠っていたようだ。博識な人々との時間は風のように過ぎていく。お酒を飲むと、わずかばかり気持ちが悪くなる。私の身体が異物を除けようとするのは、私の、私自身に対する愛?

しかるべき方法で文章を書いて、しかるべき方法で評価を受けること。これは暗い夜、嫉妬の海に一人で身を投げるようなものだ。私にできるかしら。月光が海に照らし出す、ただ一つの救済。その美しさに思わず身を投げて、あらゆる評価の言葉の中に溺れていくこと。私にできるかしら。私の紡ぐ言葉は誰の目にも触れないで、外界の誰の手も届かないところで、限りなく美しいと、私だけが思った方が幸福じゃない?

好きな人の好きなものになりたい。今日はこんな感情だ。彼らが好むあらゆるものの中に私の生み出す言葉が含まれたら、どんなに幸福だろう。彼らが並べゆくその花々の一部になった瞬間、私は色を持ってしまう。色の彩度によって、私の愛した言葉は、その言葉の言葉らしさはどこかに埋もれてしまう?

私の、私だけが生み出せる言葉を私はどこに持って行くのだろう。深窓の小部屋をそれらで満たして、芳醇な香りで一杯になったら、もう何もいらないでしょう?私は怖い。好むとか好まざるだとか、優れているとかいないとか。どうか今だけは私の腕の中で飛び回る様を見ていたいの。無から生まれた弱々しい小さな欠片たちを、人間の代わりに愛したとしても、あなたは私を罰しないでしょう?

私とともに死んでいくものたちを愛する。私とともに生まれ、私とともにこの世界から跡形もなく消えていくもの。

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