日記 1123

床の上で倒れるようにして、眠っていた。棺の中にくべられるように、物が乱雑に散らばっている。直前まで読んでいた美術の本、朗読のために積み上げた文庫本数冊に、昨日弾いた曲の楽譜、読みかけの論文。

誰かに向けて書いた詩ほど伝わらないものはない、と思いながら、身体を起こす。私には自分に向けて、詩めいたものを書き殴る程度で良い。昨日もまた感情に振り回された。

身体を埋められるような、甘えられるようなワンピースが欲しいと思いながら、ネットで探してみるけれど、なかなか見つからない。結局3時間もワンピースのことを考えていた。諦めてトーストを焼く。ベーコンを2枚のせる。スープを注ぐ。ブドウ糖を一粒、口に入れる。

高校の時の記憶は薬で抜け落ちていて、見るのは中学かそれ以前の夢ばかりである。私にとっては夢も現実で、こうして時折彼らと邂逅を果たす。

終始何かをする。あてもなく考える時間ができないようにして、希死念慮を私から遠ざける。例えば、待ち合わせで過ごすための本が手元になかったとき、眠るために目蓋を閉じて空白の時間を過ごすとき、これらは私を恐怖させる。文章を脳裏に延々と発生させて、時の流れを自分に心地のよいようにひずませる。

祝日と知らず、思いがけぬ余暇ができた。隣人が恋人らしき人と話すのが、遠くで泡のように聞こえる。

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