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【振りだし】Jリーグ第13節 湘南ベルマーレvs.大分トリニータ

振りだしに戻った。そう思わざるをえないゲームだった。湘南のプレスの前に何もできず(湘南が素晴らしかったが)、まるで開幕当初のゲームを見ているようで、前半はシュートゼロだった。
大分は、7連敗から抜け出し今シーズン初の連勝を目指したかったが、大分が準備した奇策はうまくいかず、片野坂監督と浮島監督のコメントをみればそれは明らかである。

片野坂監督「前節の清水戦に勝てて勢いを今節も示していこうと話したが、残念な結果になってしまった。これはもうわたしの準備不足。マネジメントのところに関してもまだまだ力不足だと感じた。湘南さんは非常にハードワークできるアグレッシブなチーム。そういうところも想定内だったが、勝点を取れなかったことは自分が修正できなかったところだと反省している。」
浮島監督「ゲーム的には大分さんは最初並びを変えてきて、やることは変わりなかったと思いますが、われわれにとっては少しやりやすかった。前半は風下、後半は風上ということで風の影響も頭に入れながらプレーしていました。ここのところずっと風が強い試合が多かったので、風を自分たちの味方につける戦いができたのではないかと思います。そういうことも含めて全般的に良かったです。」

試合結果

湘南ベルマーレ2-0大分トリニータ

【得点者】
湘南ベルマーレ
17’名古
92’ウェリントン


【選手交代】
湘南ベルマーレ
60’町野→大橋
60’名古→茨田
60’山田→古林
77’タリク→ウェリントン
87’高橋→池田
大分トリニータ
72’福森→エンリケ
72’渡邊→屋敷
81’小出→羽田
89’三竿→高山
89’松本→高澤

スタメン

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スタメンは上図の通り。湘南は前節の札幌戦から2人変更。大野 、大橋に代わって、田中とタリクを先発に。一方の大分も前節から2人変更。香川と小林に代わって、福森と渡邉が先発した。大分のベンチには、守備的な選手が多くみられる。怪我なのかは分からないが、メンバー表を見た時に不安を覚えた方もいるのではないかと思うし、結果的に不安は的中してしまう。

湘南乃圧と風

試合開始から、湘南は予想通り前線からガンガンプレスをかけてくる湘南スタイル。大分は、湘南のプレスに対し、長沢をうまく使いながら、前進を目指すシーンが多く見られたが、セカンドボールが拾えずに、湘南に主導権を明け渡してしまう。

また、細かくボールを繋いでシーンでは、ボールは外回りで、バックパスが多く、ボールを保持しているだけの状態になってしまい、本来の目的の点をとることから遠ざかっていて。選手間の距離感が近く、パスのテンポも心地悪く、湘南のブロックを動かせずに、すぐにセットされてしまい攻めあぐねる展開が続く。湘南は5バックなので、なかなかサイドで優位性を得ることができない。やはり、この部分での差が顕著にでてしまう感は否めんでぃだ。

序盤から、ペースを掴めないうちに時計の針は進み、17分に先制を許してしまう。左サイドで湘南のパスワークに翻弄され、高橋から、左サイド松本の背後へ流れたフリーの町野へ通り、そのまま左足で折り返すと、風の影響でボールの軌道は大きく変わり目測を誤ったところを名古に仕留められ先制点を献上してしまう。湘南乃風が味方したから仕方ないなと。フリーでクロスを上げられその後の対応も守備陣のミスなので。湘南の気迫に気圧され、勿体ない失点の仕方はしたもののまだ開始17分だから!とか思っていたら、前半はシュートぜろ!で終ってしまうまさかの期待のきの字も感じさせないまま終ってしまうオチ。
片野坂監督も試合後のコメントで、準備不足と戦術にとらわれすぎている部分を反省していると仰っていたが、やはりピッチ上の選手にそれぞれ迷いがあるようには感じた。戦力の差を埋めるためには、戦術で上回って行くしかないのだが、あまりにも難解なものになってしまうと、選手は何が正解か分からずに当然迷いが生じてしまうので、もっとクリアにしていく必要性はあるなと。

後半、大分は立ち位置を3-4-3に修正するも、中々思うように攻める事ができないが、57分にリスタートからついに右サイドを崩してみせた。小出から、大外の松本へ繋ぐと、松本が町田とのワンツーでサイドを突破してクロスを送ると、渡邊が合わせたが、谷のスーパーセーブに阻まれてしまう。やはり、セットされる前にああいうはやいテンポでつなげればラスト30メートルまで侵入することができるなと。
ただ、再現性がなく単発で終わってしまうのが、今シーズン低迷している要因でもある。せっかく長沢というターゲットがいるので、再現性のある形にできればなと。また、終いには長沢がサイドに流れて受けるシーンが目立つという長沢の個性を殺してしまう始末。長沢がサイドに流れて受けても中に誰もいない問題が発生していて、まさに湘南の策に手も足も出ない状況で。
最後には、ウェリントンに理不尽ヘッドを叩き込まれてゲームセット。また、ウェリントンと競った選手は誰かというと高山だ。ウェリントンもあの位置からあのコースに叩き込むエグさというかどんな首してんだよと突っ込みたくなるようなゴールだったが、ラストにエンリケと高澤の2トップでのパワープレーが仇となり、残った高山が対応しなくてはならなかったのも、問題というか。
メンバー表を見たときの不安は的中し、交代で流れをかえることはできずに、片野坂監督の準備していたものはことごとく打ちひしがれてしまう。唯一、屋敷が1人気を吐いていたのは印象的だが。

次節は、ホームに鳥栖を迎え、準備期間は1週間ある。九州ダービーを制すのは、好調の鳥栖か、崖っぷちの大分か。ダービーを制して、いい波にのりたい。

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