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理系の大学生・大学院生向け英語学習法ミニマム

自己紹介: 大阪大学理学部物理学科卒業、大阪大学理学研究科 博士前期・後期課程修了(博士: 理学)。英語の資格は英検一級、TOEIC LR: 950/S: 160/W: 200、TOEFL100。

リンク:記事内のリンクは広告です。ご承知おきください。ただし出版社や著者から直接宣伝の依頼があったわけではなく、アフィリエイト広告になります。

設定読者: 研究室内や国際会議での英語での発表や議論のために、英語を勉強しようと思っている大学生や大学院生を想定してこの記事を書いています。就活のためにTOEICの点数を上げたい人は想定していません。

はじめに: 研究室では様々な場面で英語を必要とします。論文執筆、国際共同研究者との議論、研究室内のでのゼミ発表、国際会議での発表等が挙げられます。英語での議論では、自分の研究内容を伝える、相手の発言を聞き取った上で自分の意見を伝える、といったことをしなければなりません。

このような場面に備えて、非ネイティブの人は日頃から英語の勉強をする必要がある、と考える人もいます(そう考えない人もいます)。しかし、自主的に英語の勉強をする学生は多くないです。いたとしても、就活のためにTOEICの勉強(公式問題集や文法問題の演習)をする人がほとんどです。しかし、TOEICの勉強のみで英会話ができるようには当然なりません。

私は現在、某大学の、とある研究室に所属していますが、実際、英語話者スタッフと円滑に議論できている学生は少ないです。学生にTOEICの点数を聞くと500 ~ 700程度とバラけており、英語に対するモチベーションもそれぞれです。「就活のために最低限のTOEICの点数(700点前後)あればいい。英語を使う仕事にはつかない」という人もいますし「将来の仕事(研究職)で困らない程度の英会話力が欲しい」という人もいます。どちらの意見も否定しませんが、今回の記事は後者のような考えを持っている学生(もしかしたら実際に働いている研究者も?)向けの英語学習法を提案します。

注意点: 今回提案する勉強法は、私の学習経験だけに基づいています。学生に提案したことは数回ありますが、実際にやり始めた学生はゼロです。そのため、この記事の信頼性はかなり低いですので、話半分に読んでください。とはいうものの、そんな悪い勉強法ではないかなと信じています。

目標設定: 将来の仕事(研究職)で困らない程度の英会話力と、余裕ある人はライティングの基本の習得。留学に必要な英語力(TOEFL90~100)と、論文執筆に"十分"なライティング力は想定していません。元々の英語力にも強く依存しますが、今回提案する学習量では達成は難しいと思います。

英語学習の概要: (1)基礎トレーニング、(2)実践としての英会話、(3)+αの勉強に分けます。(1)で個人で行う基礎トレーニング方法を紹介、(2)で英会話の機会の設け方、(3)で+αの勉強方法を紹介します。

基礎トレーニング
毎日の学習として「英語のハノン」の使用をお勧めします。現在(2024/11/11)、初級、中級、上級、フレーズ編の4冊が発売されています。

これらの本に関して、良記事がたくさんあるので、そちらを読んでください。

私の方でも簡単に紹介します。この本の勉強方法は、聞こえてきた英語の文をリピーティングする、というものです。文法事項ごとにセクションが分かれていて、扱う文法事項に従ってリピーティングを行います。例えば、「過去形の否定文」のドリルでは、まず

"The movie was interesting"が音声として聞こえてきて、それをリピーティングします。これを2回行います。
そのあと
"negative"という音声が聞こえて、
"The movie wasn't interesting"と答えます。

こういったドリルを、様々な文法事項(目次を参照)で大量に行うことで、スピーキング力とリスニング力を向上させます。とにかく沢山練習して、無意識に使える文法や表現を増やして、スピーキング力を上げます(詳細は上記ブログ)。

リスニング力に関していうと、特にリテンション力が上がります。リテンションというのは、相手が言った英文を頭の中に保持する能力です。リスニングというのは、相手が言ったことを理解し、かつ自分で再現できる能力なので、この時リテンションが必要です。試しに、友達に適当な日本語の文を言ってもらって、それをリピーティングしてみてください。多分できると思います。英語でもそれができるようにしましょうということです。

また、発音に関する説明(フラッピング等)や文法の説明も充実しています。これらも読み飛ばさず、とにかく本の説明に従って勉強をしてください。著者のツイートも参考にするといいと思います。

https://twitter.com/strong_logic
https://twitter.com/radikonookage

元々の英語力に依存しますが、TOEIC600程度のスコアを持ってる人なら、初級を半年から1年かけてじっくりドリルをやるのがいいかなと思います。想像ですが、英会話に慣れてない人にとっては大変な勉強だと思います。なかなか進まなくても辛抱強くトレーニングを続けてください。ゆっくりコツコツです。あまりにもうまくいかないドリルがある場合、そこで立ち止まって諦めずにトライするか、そのドリルは飛ばして2周目でトライするか、そこは自分なりに考えて判断してください。どっちの判断でも大丈夫だと思います。大事なのはできるだけ毎日続けることです。頑張りましょう。

ちなみに私は初級は既に一周しており、中級編のユニット12を勉強中です。初級は3ヶ月で終わりましたが、これは元々英検1級とTOEIC950持っていたので、他の人より速いスピードで勉強できたのだと思います。そのため、このスピード感は参考にしないほうがいいです。


実践としての英会話

基礎トレーニングと並行して、英会話にトライすることが大事です。野球の練習で例えるなら、英語のハノンはティーバッティングやフリーバッティング、英会話はは野球の試合になります。バッターボックスに入って実際のピッチャーの球を経験していかないと、シーズンを通していい成績を上げることは難しいのと同じです。また反対に、試合ばかりしていてもダメで、練習も重要です。だからこそ英語のハノンでのトレーニングも大切にしてください。

コスパを重視するなら、大学での英会話の授業を受けるのがいいと思います。授業だけでなく、英会話カフェを設けている大学は多いので、そこに足を運んでみるといいと思います。所属研究室に、留学生や英語話者のスタッフがいる場合は、その人たちとも積極的に英会話をしましょう。とにかく練習、練習、練習。

オンライン英会話は有料なので、そこは財布と相談してください。私は今、DMM英会話のプラスネイティブ(月額16590円)を受講していますが、学生にとっては結構な出費かなと思います。毎朝、7時から25分オンライン英会話をしており、教材は写真描写か会話を使っています。

予習や復習はできるならしたほうがいいと思いますが、自分は慣れを目的にしてるだけなので予習復習は行っていません。

また、英会話カフェが街中にもあるので(有料)、そこに足を運んでもいいと思います。大阪にいたときは以下の英会話カフェに気分転換がてら、二週間に一回程度行ってました。


+αの勉強
リーディングとライティングも勉強したいという人には、英検の勉強をするのがいいのかなと思います。英検の一次試験ではリーディング、リスニング、ライティングのパートがあり、二次試験には面接があります。英検のために勉強を行うことで、4技能バランス良く英語力が上がると思います。

ここでは具体的な勉強法、お勧め教材は紹介しません。一番最初に書いた目標に対しては、最終的に準一級の資格を取るまで勉強するといい気がします。

スケジュール例
ここではどんなスケジュールで上記の勉強を進めるかを提案します。スケジュールは十人十色なので、参考までにお願いします。

英語のハノン毎日15分から30分

勉強のリズムができて、使える文法がそこそこ増えてきたら(Unit7まで終わったあたり?)、相手がいる英会話(大学の授業やオンライン英会話など)を始める(毎日か毎週)。毎日の場合は、英語のハノン含めて、1日合計45分から1時間の勉強になる。

このペースで勉強を半年から一年 〜 三年続ける

もっと勉強したいな、と思ったら英検の勉強を始める

といった感じでしょうか?

大学生と大学院生の主な仕事は、専門の勉強と研究なので、英語の勉強はほどほどにして、コツコツ15分から1時間程度やり続ける、という姿勢でいいと思います。もちろん時間に余裕があってモチベーションが高い人は、英語の勉強に時間をかけていいですが。


おわりに

ということで、「将来の仕事(研究職)で困らない程度の英会話力」を英語学習の目標設定にしている大学生や大学院生向けの英語学習法の提案を終わります。

繰り返しになりますが、私は英語の先生ではなく、英語の指導経験はないので、記事の信頼性は低いです。そのため、「ふーん、こんな勉強法あるんだ」程度に留めて構いません。

ただ、値段も高くないので、英語のハノンは始めても損ではないかと思います。とりあえず一ヶ月、騙されたと思ってやってみてはいかがでしょうか?

追記1
英語のハノンは、英検一級取得後に取り組みました。その上で、英語が得意ではない方にもこの教材を勧める理由は、他の教材(音読パッケージ入門、中級、上級)を使ったリピーティングトレーニングで、修士二年の時に、英語力が上がった経験があるからです(以下の私の記事を参照してください)。また、文法事項や発音について丁寧に解説されていること、練習量が豊富であること等の理由で、音読パッケージではなく、英語のハノンを薦めております。

昔は研究室の学生に対して、英語上達完全マップに従った勉強を薦めてましたが、分量が多すぎて、みんな挫折したか、始めることすらしなかったです。そこで、最低限の学習法として今回の学習法を考えた次第です。これなら少しでも勉強のモチベーションがあれば、始めることはできると信じています。どなたか実践してみて、感想及び改善点を教えてください。


追記2
英語のハノン初級にはスロー再生とナチュラル再生がありますが、中級にはナチュラル再生しかありません。そのため、文法のレベルも上がるため、中級のレベルは初級に比べてかなり高いです。初級のナチュラルを完璧にしてから中級に行くか、して、一周したら初級も並行して復習しつつ、中級にトライするか、自分の判断で勉強してください。

追記3
ナチュラルスピード音源の音が聞き取れないときは、Unit0の英音法を読み返しつつ、他のアプリ(例えばAudipo)を使ってスロー再生して、どのように発音してるか理解しましょう。そして、その発音で自分の口からリピーティングをしましょう。

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のーねん
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