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俺のCD棚 第13回

今回は、STUTS 【Pushin'】

STUTSは、日本のトラックメイカーであり、MPCプレイヤーでもある。最初に彼のプレイを動画で見た時は、「リアル・ビートマニアやん!」と驚いたものだ(今はそう珍しくもないけど…)。最近は、星野 源の楽曲「アイデア」や「POP VIRUS」に参加したり、テレビでも「お源さん」に出演していたりと、メディア露出が増えてきたため、御存知の方も多いだろう。

このCDは、彼の1stアルバムにあたり、それまでのキャリアの中で作られてきた楽曲をタイトル通り「詰め込んだ」作品となっている。

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特徴としては、全体の雰囲気は90年代HIPHOP然なものに統一されているが、JJJ・KID FRESINO・Campanella等、個性派ぞろいの客演に寄せたようなトラックになっていること。実際、彼らのソロ名義の曲を聴いても違和感なく聴くことが出来たのは、STUTSがきちんと個性を把握した上でセレクトしているからに他ならない。

それまでは、日本語ラップに関してはKREVAやRIP、SALUくらいしか聴いていなかった自分に、メジャー処以外でもいい音楽を作ってる人がいることを教えてくれたアルバムでもある。

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収録されている曲の中で最も有名なのは、「夜を使いはたして」だろう。PUNPEEを客演に迎えた、メロウなサンプリングトラック・規則正しいビート(勿論、MPCでの手打ち)が見事に噛み合ったこの曲は、彼の知名度を一気に上げ、ラップの内容通り「シーンの夜明け」となったように思う。

※この曲のリリース以降、それまで裏方のイメージだったトラックメイカーが脚光を浴びることになり、トラックメイカー名義の作品が次々とリリースされるようになる。

個人的に一番好きなのは、4曲目「SHADOW」。都会的な雰囲気のトラックに控えめなビート、そこに乗せてくるJJJとKID FRESINOのラップが渋くて、なんとも洒落ている。

ジャケットは、レトロな雰囲気が漂うデザインで、彼のルーツ(レコード/MPC/ボストンバッグ)をイラストで点在させている。実際、同じデザインでアナログ盤もあり、そちらの方が雰囲気が合っているように思う。

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中を開けると、DIYで作られたらしい、当時の作業机の写真が。打込みの音を作ってる、どちらかと言えばデジタル側の人なのに、ビートは手打ちでやっていたり、机はDIYで作ったりと、どことなくアナログな雰囲気があるのは彼の個性と言えるかもしれない。


以上、第13回でした。次回は、STUTS同様トラックメイカーであるが、ライブでは電子ドラムを演奏するプレイヤーとしての側面を持つ二人組、DISCLOSUREのアルバムを紹介します。

それでは、また。


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