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俺のCD棚 第5回

今回は、Arctic Monkeys 【Whatever People Say I Am, That's What I'm not】

※直訳すると【他の奴がオレのことを何と言おうと、それはオレじゃない】

Arctic Monkeysは最早説明不要のバンドだが、一応説明を。イギリスのシェフィールドで結成。突如として音楽シーンに登場し、瞬く間に人気を獲得していった、いわば時代の寵児。そのきっかけを作ったファーストアルバムがこれ。経緯としては、デビュー直後から知っていたわけではなく、しばらくしてから店頭やFMでやけに取り上げられてるな、とか思いつつ、興味本位で購入した。感想としては、一曲目から「なんじゃこりゃ!」と衝撃を受けたと同時に、「これは売れるわ」とも思った。

楽曲の特徴としては、王道のブリットポップとは違い、ロックをベースにヒップホップ・ジャム等を融合させたようなサウンドがアルバム全編にわたって聴こえてくる。具体的には、ビートは速く、ベースは太く、ギターのリフは鋭く、といった感じ。特に難しいことはしていないが、なぜか耳に残り、かつ新しく聴こえる。この中から1曲挙げるとすれば、11曲目の【When the sun goes down】。冒頭の語りのようなパートから一気に畳み掛ける演奏までの流れが秀逸。

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次にジャケット。若い男がタバコを咥えているモノクロ写真のみ。特にデザインされたような感じではないソリッドなイメージ。と思って中をみたら…タバコの吸い殻をCD全体にプリント。度肝を抜かれた。※これは、好き嫌いがはっきりと分かれるヤツだろうな…と今でも思う。でも個人的には好き。

表題も気に入っている。若さ特有の表現とも取れるし、逆に自分たちが脚光を浴びることを予見したような(それも賛否両論が飛び交うような評価を受ける類のもの)意味とも取れるのが面白い。※本心は分からないが…。

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※因みに、2枚目はこの音楽性を踏襲したアルバムではあったが、3枚目以降はその時々でメンバーが気になっている要素に傾倒したようなアルバムとなっているので、このテイストの楽曲は実質2枚分しか無いと思うとかなり貴重でもある。とはいえ、売れたからといって同じ事を繰り返さず、批評を気にせず、今もなお試行錯誤を続けていく姿勢には脱帽。

メンバーのファッションも当初はアディダスのジャージだったのが、いまやサンローランを着崩すという変化ぶり。少年がまさにロックスターそのものになっていく、という成長過程が見られるのもこのバンドの面白いところ。

以上、第5回目でした。次回は、彼ら以上に脚光を浴びながら、彼らのようにはなれなかったグランジのレジェンド、Nirvanaの代表的なアルバムを紹介します。※これこそ説明不要かもだけど…。それでは、また。

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