主体性の逆とは何か?
近頃、いろいろな本を読んでいますが、
それらの中で言われていることが、
面白いくらい「同じ」なんですよね。
人間の心はどのような仕組みになっているのか。
そのことに気づき、受け入れ、対応するかどうかで、
人生の質はほぼ決まるということです。
ここでいう「質」とは、金持ちになるとか、
成功するということではなくて、
「幸せに生きる」ということなのですが。
では、「幸せ」とはいったいなんなのか。
いろいろな言い方があるけれど、
私はそれを「主体性がある生き方」だと思っています。
では、「主体性とは何か」ということが問われますね。
※
ニーチェがこんな言葉を残しています。
「なぜ生きているかを知っているものは、
どのように生きることにも耐えられる。」
実は、これがすべてだと言っていいんですよね。
ある出来事があったとして、それを苦しいことか、
たいしたことないことかを決めているのは、あなた自身なのです。
そして、この「物事の解釈を自分で決める」ということこそが主体性であって、
その主体性を発揮するために必要なことが、
「視座の高い目的意識」を持つことなんですね。
北極星なんて言われます。この地球上のどこにいたとしても、
見上げればいつも道標になってくれるからです。
主体性というのは、目の前にある出来事がどんなことであっても、
もしそれが自分の目的の達成のために必要なことだとわかれば、
それに自分の意志で取り組むことができるようになる「心のスキル」です。
心のスキルですから、身につけることができます。
しかし、それを身につけない間は、それはスキルのようには見えず、
変えることができない「性質」のように見えています。
それが問題なんですね。
自分が嫌なこと、やりたくないことは、
そのような不変の性質を持っているから、
自分がやりたいと思えるようになることは絶対にない。
そう決めつけているのです。
その状態の人間が、成長することはほとんどないでしょう。
「できない」「やれない」「無理だ」と簡単に口にしてしまう人は、
自分から選んで「できない人間」になりにいっているのです。
こうして成長のチャンスを自分で捨てて、
予定通りに不平不満でいっぱいの人生を歩んでいくわけです。
一生、人のせいにしながら。
※
ヴィクトール・フランクルの著書、「夜と霧」を読んでいて、
本当に目から鱗な言葉がありました。
生きることを諦めるとは「自己放棄」なのだ、ということです。
これが私にはものすごく合点がいったのです。
「主体性」という言葉の反対語として、です。
よく「無理」とか「できない」という言葉を
すぐに、平気で言ってしまう人を見ると、私は少し残念な気持ちになります。
それはその人が、自分ではまったくその気もなしに、
「自己放棄」をしてしまっているからです。
自己放棄とは、文字通り、自分の人生を捨てることです。
もっと素晴らしい人生にできるのに、
自分でその可能性を捨てることです。
これは究極的に言って、自分の人生を他人事にしている、
ということなのだと思っています。
どうしてそんなことができるのだろう・・・
ちょっと私には理解できないのですが、
そういうことをしている人はたくさんいます。
そういう人にはいくつか特徴があります。
①人のせいにする。
②環境のせいにする。
③できない理由ばかりさがす。
④すぐに言い訳する
⑤幸せは誰かがくれるものだと思っている。
※
そういう人は、自分の人生が思い通りにいかない理由が
自分にあることを絶対に認めません。
だから、そういう人が幸せになる可能性はほぼありません。
幸せとは何かを獲得することや、たどり着くものではなく、
心の在り方だからです。
本当に幸せになりたかったら、
先ほどの条件を全部逆にすればいいのです。
①人のせいにしない。自分を変える。
②環境のせいにしない。自分で動く。
③できる方法をさがす。
④言い訳せず、自分で引き受ける。
⑤幸せは「自分でなる」ものであることを認める。
こうすれば、必ず成功するわけではありません。
しかし、必ず成長することができます。
そして、幸せというのは結果ではなく、
今、この瞬間そのものをどう解釈するのか、なのです。
そう考えたとき、ネガティブなことばかり考え、
ネガティブな言葉ばかり口にし、
ネガティブな振る舞いばかりしていると、
どんどんマイナスのスパイラルに陥ってしまうのです。
それは、自分ではそう認識していないけれど、
自分で積極的に選び取った結果なのです。
あなたの人生がつまらないとしたら、
それはあなたが好き好んでそうしたからなんですね。
それを変えることができるのは、この世にあなたしかいません。
それだけが、変えることのできない事実なのです。
※
私は、すべての人が、できるだけ自分の人生を大切にしてほしいと思います。
それはすなわち、自分の人生を台無しにしない心のスキル、
マインドセットを身につけることに他なりません。
もちろん、あなたが好きで「つまらない人生」を歩みたいなら、
止めることはしません。
しかし、せっかくこの世に生まれたのですから、
精一杯生きてみた方が楽しいのではないかなと思います。
あなたがいつまで生きるか、誰も知りません。
私も同じです。
そうであるなら、その人生を悔いでいっぱいの時間にするのではなく、
有意義な時間にした方がいいのではないかな、と思います。
もちろん、生まれ落ちた環境のせいで、
そうすることが非常に困難なケースもあるでしょう。
でも、その中で、ベストを探るしかないのです。
諦めたときが終わりのときです。
自分の人生を自分ごと化しましょう。
気づくことができた瞬間から、人は変わることができます。
すぐに自己放棄しようとする今までの慣れ親しんだ自分に別れを告げ、
人生が終わるその日まで、成長をつづける道を選択しましょう。
それが「主体的に生きる」ということです。
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