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早見和真 『小説王』

早見和真(はやみかずまさ) 『小説王』

大手出版社に就職したけど空回りしている編集者(俊太郎)と、派手にデビューしたけどその後が続かず、くすぶっている作家(豊隆)。学級新聞を作ることがきっかけで仲良くなった幼なじみ。
「いつか一緒に仕事をしよう」幼いころの約束を果たそうと動き始めるが、作家の豊隆はバイト先のファミレスをクビになり、俊太郎は所属していた(連載を始めようとしていた)文芸雑誌の休刊が決まり、一気にピンチに。そのピンチをどう乗り越えていくかが読みどころ。
出版不況と言われる中で、作品の良さをどう伝えていくか、みんな必死で考えている場面がとてもリアル。とにかく泥臭くアツくて直球勝負の作品。

最後に明かされる「小説王」の正体とは? 意外だけど「そう来たか!」と納得させられる。
20年以上前の作品である、土田世紀(つちだせいき)のマンガ『編集王』へのオマージュでもある。物語の熱さ・は同レベル。
そして、父親との関係をどう乗り越えていくか、もテーマの一つです。


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