【映画紹介】クソ映画を愛している
この世には、二種類の映画がある。クソ映画と、クソでない映画だ。
「クソ映画」を正確に定義するのは困難です。低クオリティ、低予算、低経験の制作陣、低演技、いずれの要素を持つ映画もクソ映画になり得ますが、同時に神映画にだってなり得ます。ある人が「クソだ」と評した映画が、誰かの心に刺さって抜けない神映画になる可能性がある以上、画一的な定義は不可能でしょう。
ということで、ここでは高倉の独断と偏見で「これはクソでしょー!」と判断した映画を「クソ映画」とします。独断と偏見です。異論は認めますが、必ずしも採用しません。
眞木高倉はクソ映画が大好きです。特にシナリオが粗雑で、絵面が豪快な映画が好き。映画は夢です。現実味?辻褄?コンプラ?知ったことではありません。やりたいことをやりたいようにやりたいだけ、ドドドドド派手にぶっかますのが映画です。
今回は、眞木高倉が特に「これこれ!これこそクソ映画だぜ!」とテンションぶち上げになった映画を四本紹介させて頂きます。細かいことは気にせずにテンションぶち上げになりたい方、メジャーなシネコン映画では味わえない映画体験をしたい方、クソ映画に飢えた猛者の皆様が、次の映画を選ぶ際の参考になれば幸いです。
ゾンビーバー
ビーバーがゾンビになってギャルたちを襲うパニックホラー映画です!なんてったってゾンビがビーバーなので、絵面は普通のゾンビ映画よりずっと可愛らしいです。ベッドの下からスライドして出てくる、明らかに体の下にタイヤを敷いてるビーバーなんてもうほんとかわいい。飼いたいレベルでかわいい。
そしてシナリオ。この映画はシナリオが完璧です。全ての展開が「よくあるゾンビ映画」をなぞっているにもかかわらず、終盤はオリジナリティのある鮮やかな収束を見せます。高倉はラストシーンでうっかり歓声をあげてしまいました。しっかり伏線が回収されるストーリーが好きな方にオススメです。
恐怖人形
此方は和製ホラーです。市松人形といえば、例えばいつのまにか髪が伸びているとか、捨てても捨てても家に戻ってくるとか、真夏の夜のようなじっとりとした恐怖が連想されますが、映画「恐怖人形」ではシンプルな物理的恐怖が主人公たちを襲います。具体的には、チェーンソーを携えた全長二メートルある市松人形に追い回されます。
人形に鞭を打って奇声を上げる研究者、剣道初段をやたらと笠に着る男、猟銃を使いこなす管理人、と、人形を上回るクセ強人間たちが次々と登場するので、「呪われた人形」がありきたりすぎていっそ霞んで見えてきます。結局人間が一番奇妙奇天烈で怖いですね。
面白系ホラー映画という意味では誰かと酒でも酌み交わしながら観るのに丁度いいのかもしれませんが、唐突にレズセックスがはじまったりするので、鑑賞会をするなら相手を選んだ方がいいかもしれません。
必殺!恐竜神父
恐竜に変身して正義を貫こうとする神父の話です。ええその通り、つまり特撮映画です。VFXを駆使した圧倒的大爆発も起こりますし、中国にも行きます。
これは本当に、頭を空っぽにして適当に観るのが良いです。上映時間75 分、映画にしては短いですがクソと分かりきっている映画に費やすには長い時間ですよね、分かります。なので取り敢えず、観るのは最初の三分だけでいいです。気になったら続きも観てください。忘れられない映画体験になることをお約束します。
あと、OP曲が普通にかっこいいロックナンバーで良いです。
シャーケンシュタイン
高倉が世界一好きなサメ映画、シャーケンシュタインです。サメ映画の巨匠、マークポロニア監督作品だけあって、期待を裏切りません。縮尺が合わないサメ、奥行のない小屋、どう見ても紙粘土でできている人間の足、パワーポイントで作ったような演出、もう少しどうにかできなかったのかと言いたくなる炎。最高です。徹底的な低予算、低クオリティながら、「奇抜なサメ映画を作るぞ!」という執念だけはビシバシ感じる一本です。
余談ですが、シャーケンシュタインを生み出す科学者、クラウスがムロツヨシ先生によく似ています。ムロツヨシ先生が好きな方にもオススメです。
クソ映画界は玉石混交。全然刺さらない映画もあれば、一生こすれるくらい最高な映画もあって、それらは前評判や予告編、他人のレビューで嗅ぎ分けられるものではありません。観るしかないんです。
紹介した四作品も、高倉にとっては最高のクソ映画ばかりですが、そうでもないと感じる人もいらっしゃるでしょう。皆さんにとって、これらが玉になるか石になるか、どうか皆さん自身の目で確かめてみてください。
それでは皆様、良い映画体験を。ハッピークソ映画!
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