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家主のご夫妻との食事

パリでの滞在先は左岸のLourmelという駅の地域で、古い建物の1室をかりている。そこの家主のご夫妻にお誘いいただいて、一緒に食事をすることになった。聞いてみると、その日は、フランスの家庭料理をごちそうしていただけるそうだ。それはとてもたのしみだ。

夕方、キッチンからは、とてもいい匂いがしてきた。それにつられるように、とてもお腹がへってきた。料理ができあがったよという呼び声で、僕たちは食事をいただきにむかった。

部屋に入ると、テーブルには、溶けたたっぷりの熱々のチーズがジャガイモやベーコン、玉ねぎを覆っている料理が用意されていた。聞いてみると、タルティフレットという、寒い時によく食べられる料理らしい。用意したシードルを開けて乾杯をし、みんなでさっそく頂く。チーズと一緒になったジャガイモがほくほくと柔らかく、ベーコンの味がよくきいていて美味しい。そしてよくお酒がすすんだ。僕たちが用意したワインも空になると。マンションの地下にワインをとりにいくと言うので、興味があったのでついていくことにした。

玄関の脇にある古びたドアをあけて、暗い階段をゆっくりとおりていく。地下につくと、そこはまるで洞窟のようだった。石が積み上げられて壁ができ、ところどころに簡素な木の扉がついて鍵が閉められている。年中涼しく気温が一定なのでワインの保存にはいいそうだ。(部屋はセントラル・ヒーティングで常にあたたかい)何本か選んで部屋に戻った。

それからはあまり覚えていない。いや、少しは覚えているような気がするのだけれども。音楽を聴き、ギターを弾き、誰かのグラスが倒れと、ずいぶん賑やかな夜になったそうだ。そして、気がついたら眠りについていた。

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