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鬼滅の刃で中学英語#18~英語の「わかった!」をキャラで比較~
しつこいくらい「I+一般動詞」をご紹介し(重要なんですよ!)、そろそろ飽きられそうですが、応用編その2で「I+一般動詞」を使った、「わかった!」という表現に絞ってご紹介しますね。
教科書の定番表現は...
「わかった」を英語にする時の定番表現は、
I see.
(わかった)
※see=見る、会う、わかるという動詞(発音)
です。
非常に簡単な言葉なので、「see」という言葉の意味がわからなくても、大概の方はすぐ覚えられますね。むしろ、よく使われる意味が「見る」なので、意味を知らない方が覚えやすいです。
時には、下記の例のように、
Oh, I see...
(そうか…)
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.4/鬼滅の刃 第4巻
という感じの使い方ができます。
(上記は鬼に殺された人を埋めるのを手伝わないといった伊之助に、傷が痛むんだねと天然発言をした炭治郎のシーン)
しかし英語には、他にも「わかった」という意味の表現、特に同じような「I+一般動詞」のものが結構あります。
「わかった」を意味する英語表現
I see.
I understand.
I know.
I get it.
中学の英語の授業では、少しずつ出てきて、その都度テストに出る事が多いのでどれがいいか、なんて問題はよほどの難関校でないと問題にはならないと思いますが、実際の会話の中では違う使い方をされています。
一個一個細かく解説していくと難しくなってしまうので、カンタンに、どんなシチュエーションで使われているかを見てもらいながら学んでいきましょう。もちろん教材は『鬼滅の刃』英語版です。
「I see.」はこんな時に使う
まずは定番の「I see.」を見ていきましょう。
I see.
(なるほど)
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.7/鬼滅の刃 第7巻
こちらは蝶屋敷で、炭治郎が胡蝶さんに「火の呼吸」を知らないかとたずねたら「わかりません」と一蹴されて、炭治郎が必死に説明した後のリアクションですね。
原作では「なるほど」という言葉を「I see.」と訳したわけですが、その後にズラズラと文が続き、「Uh-huh(フムフム)」と言っていることから、この「I see=わかった」は結構軽い感じの、「ふむなるほど」とか「初めて知った」というような雰囲気の使い方というのがわかるかなと思います。
「see」自体、「見る」という意味がありますが、自分にとって初めて「可視化」されたことを、「I see.」と表現しているわけですね。
もう一つ行きましょう。
I have many reasons for not becoming a demon.
(俺は如何なる理由があろうとも鬼にならない)
I see.
(そうか)
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.8/鬼滅の刃 第8巻
こちらは映画化されるシーンになるので、アニメしか見ていない人は観たことがないシーンなんで若干ネタバレになってしまいますが、鬼の中でもトップクラスの実力を持つ上弦の参(3)、猗窩座(あかざ)が、炎柱の煉獄さんの剣技に惚れたために「鬼にならないか?」と有名なスカウトをする時の話。
そして煉獄が「何度でも言おう君と俺とでは価値基準が違う」「俺は如何なる理由があろうとも鬼にならない」と言ったあとの、猗窩座の「そうか」であり、理解し合えない2人が本気のバトルモードに突入するシーンです。
そんな中での「そうか」を「I see.」としたという所がポイント。
つまり、猗窩座からすると、「言いたいことはわかった」という意味での「そうか」なんですよね。
先ほどの胡蝶さんの「なるほど」もそうですが、「I see」には、元々知っていたことではなく、初めて知る、触れる、あまり重くない「わかった」という意味が含まれていることがわかっていただけたかなと思います。
だからこそ、「ふんふん、なるほど」的な感じでよく使える、というわけですね。
「わかったな?」という時に使うのは?
でも、世の中には軽い意味で「わかった」と言われちゃ困る場合がありますよね。
たとえば、学校の先生が生徒に、軽い感じで「わかった~?」と言うのは、よほど癒やし系の先生じゃないとなかなかないと思いますが、じゃぁ、先生が使う「わかったか?」という時は、英語でどんな言葉を使うのかというと、
Do you understand?
(わかったか?)
※understand=理解する、わかるという動詞(発音)
という表現をします。ちなみにこれは結構強めの上から表現(理解してんのか?)になりますので、友だち同士とかでは使わない方がいいですね。
これをじゃぁ、「I+一般動詞」の形で、自分を主語にして言った例がこちら
I understand.
(……わかりました)
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.3/鬼滅の刃 第3巻
こちらは、蹴鞠と矢印の鬼のコンビを撃破した後に、珠世に「私たちが禰豆子を預かりましょうか」と提案されて、禰豆子が炭治郎と離れたがらなかったので、炭治郎がその申し出を丁重に断ったシーンです。
ここで使ったのが先ほど紹介した一般動詞「understand(理解する)」。
つまり、炭治郎と禰豆子の2人の関係性を踏まえて、その炭治郎の選択を「理解します」という意味で、原作では「わかりました」という表現を、英語では「I understand」という言葉に翻訳しているんですね。
だから、皆さんも英語の先生に「わかったか?」といわれた場合は「I understand」と言ってのける方が、「I see」と言うより、「オッ、こいつできるな」と思われてよいですよ(たぶん)。
まぁ、本当はわからないことは聞いた方が勉強になるんですけどね。
この例では、話を真剣に聞く真面目な珠世さんの言う「わかった(I understand)」と、知らないことをバッサリ切る胡蝶さんや、自分の説しか主張しない猗窩座の言う「わかった(I see)」とは違うということがキャラのイメージで理解するとわかりやすいかもしれませんね。
直訳だと「知っている」?
同じ「I+動詞」だけで「わかる」を表現したものに、
I know
(わかった)
※know=知る、知っている、思うという動詞(発音)
というものもあります。
直訳すると「私は知っている」ということになり、実際に「知ってる」「それな」的に使うこともできるのですが、「わかった」にも使える表現です。
ではどんな時の「わかった」に使うのかというと、以下の例です。
Now I know.
(わかった)
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.3/鬼滅の刃 第3巻
部屋が回転する血鬼術に苦戦していた炭治郎が、原稿用紙をよけて着地した時に、体に負担のない呼吸の仕方に気づいた時のシーン。
この時、炭治郎はひらめいた感じで「わかった」と言ったのですが、まさにこれが「I know」の「わかった(知った)」という表現です。特にこの例は、「now」という語がついていように、まさに今、わかったということですね。
「知ってる」という時の「I know」との使い分けですが、それは文脈で判断するしかありません。この例のように、会話をしていない時なら「わかった」と理解するのが自然ですね。
英会話の定番表現の「わかった」
教科書ではあまり習わないですが、英会話でよく使われる表現としては、
I get it./I got it.
※get=得る、もらう、ゲットするという動詞(発音)
※got=getの過去形
というのがあります(発音はアイゲティッ、アイガリッ的な感じ)。
これも「I+一般動詞」の形で、「it」は、ここでは前の話やシチュエーションを指すもので、よく「それ」と訳されるものですね。
I get it.
↓
私はそれについて受け入れた
↓
わかった
というような感じで「わかった」を意味するのが「I get it/I got it」です。
日本語で「ゲットする」の元になった「get」ですから、なんかそれが「わかる」につながるのも変な感じがするかもしれませんが、では日本語の「わかる」は何から来てるかって、「(物事を整理して)分ける」からですからね。そちらの方がよほどよっぽど語源から離れています。
さて、「I get it/I got it」はどんな時に使うのかというと、「it」がついているので、特に話の流れで、「それはわかった」「それがわかった」「言ってることがわかった」という時の「わかった」として使うことが多いです。
ちなみに「I get it/I got it」と二種類あるのは、ちょっとニュアンスが異なるからです。ちょっと例を使ってみていきましょう。
A covered pit!
(落とし穴!!)
I get it!
(なるほど!!)
※covered pit=落とし穴
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.1/鬼滅の刃 第1巻
こちらは狭霧山での鱗滝さんに「試験を行う」と言われて山においていかれたシーン。炭治郎は、霧があろうが鼻がきく自分にとって山を下りるくらいカンタンすぎる、これのどこが試験?と思っていたのですが、石が飛んできたり、落とし穴に落ちたりしたので、「なるほど、鱗滝さんが試験と言ったのはそういうことか」ということで、この時に初めて「I get it!(なるほど)」となったわけです。
では、「I got it」はどうかということですが、これはまだご紹介していないですが、「I get it」の過去形です。
I got it!
(わかった)
I got it! Could you quite down a bit?
(わかったからもう少し黙ってくれ)
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.3/鬼滅の刃 第3巻
こちらは、「南南東に行け」という指令を出すためにひたすら「南南東 (south-southeast)」を叫び続ける鎹鴉(かすがいがらす)の言う「南南東」は、炭治郎の耳にはもちろん聞こえているから、「it=南南東に行くこと」はすでに「わかっている」=過去になっているんですね。だから「get」じゃなく「got」。
先ほどの落とし穴に落ちたシーンの「I get it」は、落ちた後、はじめて冷静に「わかった」と思ったので、そこが違うのです。
だから、この場合は、「I got it」という過去形を連呼しているわけです。また、すでにそのことをわかっていると伝えるためなので、軽い「I see」じゃダメですね。「it」をつけて強調しないと。
特にこのような指令や依頼では、「I get it/I got it」を使います。
またあきらかに「I」を言わなくても伝わる時は、
上記のように「Got it!」と使うことも、会話ではOKです(上記はDemon Slayer Vol.8より) 。それだけ親しい間柄だけで使うということですね。
使い分けってめんどくさい?
英語に限らず日本語でも「わかった」という時のシチュエーションは様々ですよね。
たとえば、『名探偵コナン』を観ていて「わかった」と言うこともあるでしょうし、教科書を読んでいてもわからないものをYouTubeの解説動画を見て「わかった!」となることもありますし、親に「宿題やったの?」と言われた時にも「わかったわかった」と言ったりしますよね。
日本語だと「わかった」というのは何にでも使える超便利な言葉ですが、逆になんにでも使えすぎるので、「何がわかったの?」となりやすいのもあります(親にそうやって言われたことがある人はたくさんいるでしょう)。
でも、日本語の「わかった」も、漢字を使って「分かる」「解る」「判る」ということもできますし、マンガや小説のルビとして「理解(わか)る」という使われ方もします。
中学英語では教えることばかり考えていて、使うことを前提としていないので、英単語と日本語を直接イコールで結ぶことが多いですが、実際に使おうとした場合は、シチュエーションごとに最適な英単語が必要になってきます。
ですから、こういったシーンから、使い方を学ぶのは、実は凄くいい勉強なんですよ、ホント。
本日のまとめ
・「わかった」にはシチュエーションごとに使い分ける必要がある
・I see.=(言いたいことは)わかった
・I understand.=(理解できるので)わかった
・I know.=(知識として)わかった
・I get it./I got it.=(言われたことが)わかった
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