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映画「生活の設計」について

※本テキストは、この映画のネタバレを含みます。

ルビッチファンならば、必見

2024年4月DMM,comDVDレンタルにて鑑賞。
この「生活の設計」は、現在、動画配信はなく、DVDレンタルは辛うじて可能なようである。
セルDVDは販売中だが2005年に発売されたもののようで、こうなるといつ廃盤になるかわからない。
こういう状況であるから、観られるときに観なければということで鑑賞した。

映画の冒頭は、列車の個室の男二人が寝ているところに、若い女がやってくるというわかりやすい展開かと思いきや、その後はやや緩やかに話が進む。
そんなところで、ワタシは睡魔に陥った。
ということで、再度、観直した。
冒頭を過ぎ、3人の関係が明確になれば、とても楽しい映画となる。
ジルダ(女・デザイナー)とトム(男・建築家)とジョージ(男・画家)の三角関係というのは、たいへんわかりやすい。
そして、第3の男の存在…。
三角関係というのは、反復される陳腐になりがちなストーリーだが、古い映画だけにより新鮮に観られるのがありがたい。
だが、実際のところ、このジルダの感情を緻密に描いているかというとそうでもない。
結局のところ、この女の本当の感情が、まったくわからない。
だが、それがこの映画の素晴らしさでもある。
この映画は双六のように、サイコロをふるように、いかようにも展開していく。
ここに、観客は、どのような感情を織り交ぜることも可能なのだ。
この映画は、好きなようにに観ればそれでよいのだ。
だいたい、ジルダはそれほど、魅力的な女性とも思えない。
実際、男3人が、ジルダのどこに魅力を感じたのかは定かではない。
だが、ジルダがどこまでも破天荒で情熱的な女性であるのは、間違いない。
ということで、約90年前の映画なのだが、結局、男は女に振り回される生き物として描かれているという点で、2024年現在でも充分に通用する映画となっている。
これが逆に男性上位に描かれているならば、やや今の時代にはそぐわない内容になりかねない。
ただ、ジルダは、見方を変えれば、ただの尻軽女という風にも見えてしまう。
そのあたりは、ジルダ役のミリアム・ホプキンスという女優の微妙な品の良さと、ルビッチの「紳士的」な演出が、見事に融合しているという感じだ。

【2024年5月30日追記】
noteに転載するにあたり、調べていたところ、本日現在アマゾンプライムで
レンタル可能なことを発見した。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09LTHJ53W/ref=atv_dp_share_cu_r

2024年5月30日UP
※このテキストは、筆者がYahoo!検索(旧Yahoo!映画)に投稿したものを転載したものです。


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