ほぼ1minシステマレッスン解説「片足立ちの理由」

「歩く」という動作は、片足立ちの連続です。右足と左足、交互に片足立ちになる動作と言えるでしょう。

ですからもし片足立ちがこわばっていたら、歩きながら行うあらゆる動作がこわばってしまっていることになります。そのままいくらリラックスしようとしても意味はありません。バランスの崩れがこわばりの原因です。根本的な解決策はリラックスではなく、バランス感覚の向上なのです。つまり片足立ちでリラックスできること。ぐらつくことなく、静かに安定できること。そうやって片足立ちでのバランス感覚が向上すれば、自ずと立って行う動作全般のクオリティがあがります。

なぜ片足立ちのエクササイズが重要なのか。その理由はこうしたことです。

マーシャルアーツの練習で相手に相対する時も、目立たないようにさり気なく踏み変えたりして、どちらかの足に体重を載せておきます。こうすると不意に外力が加わっても、よろめくことなくバランスを維持できます。

その場に安定してとどまるなら、両足に均等に体重を載せるべきですが、移動しながら姿勢を制御するという動的安定を求めるなら、両足を固定するよりあらゆる動きに対応できる状態にあった方が良いのです。

ロボットなどの姿勢制御にジャイロが使われるようなもので、エネルギーの拮抗によって保たれた安定は、外力が加わっても自力でリカバーできるのに対し、固定された安定は一度バランスが崩壊すると立て直すことができません。

もともと私は空手などの日本武道の影響で、両足に体重を載せる傾向が強かったようです。

「両足をベタッと床につけるな」

2006年にトロントに行った際、ヴラディミアに繰り返し指摘されました。とはいえ当時は「両足で立ったほうが安定してるに決まっているじゃん」という固定観念に凝り固まっていたので、「なにか変なことを言っているな」と思う程度でした。

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