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noteで学べるシステマ講座特別編「犯罪者の心理学-いじめとプライド-」

「犯罪者の心理学」コース4日目のテキスト版。

ミカエル・リャブコがこどものいじめ問題を分析し、対処法について解説しています。

いじめの根底

北川(K):こんにちは。よろしくお願いします。

ミカエル(M):みなさん、こんにちは。始めましょうか。

今、日本の学校では子どもたちのいじめが問題になっています。いじめを苦にして自殺してしまう子どもも多いです。私は役所で働いているのですが、何か自殺を減らすために組織としてできることは何かないでしょうか?

M:残念ながら、その問題は日本だけではなく世界中であります。子どもたちが学校や何かのクラブでそういった目に遭うことがあります。クラブ内で蔓延していることもあります。

私はそういった問題は、傲慢さやプライド、自己顕示欲などから生まれると考えています。例えば強い人が弱い人を支配したいという欲求があります。逆に「こんなことができるか見せてみろ」というような、勇気を試すような言葉で相手のプライドをくすぐって「5階から落ちてみろ」、「10階から落ちてみろ」、「そんなことができるものならやってみろ」という感じでやらせたりするようなこともあります。全てプライドによって生じるものだと思います。もちろん他にも大人が作ったウェブサイトには、無自覚的に子どもたちに「支配する・される」というような、精神を植え付けてしまうようなものもあります。

自己憐憫をさせないために

子どもたちはいろいろなものから情報を得て生活しています。まず子どもたちに「自殺」というものがいかに良くないかということを教えてあげる必要があると思います。私たちでしたら、「自殺をすると地獄にいくよ、天国にはいけないよ」という教えを昔から受けています。そのために祈りの大切さも教えていかなければなりません。自殺をしたら地獄へ行って天国には行けない、というよう考え方や慣習は歴史と結びついていることが多いので、歴史の深いところからきちんと説明し、教えていく必要があります。

する側・される側の両方において、プライドがキーになります。何かうまくいかないことがあって辛い思いをしたときに自分に同情する、自分をかわいそうだと思ってしまう心がプライドと結びついています。それが強ければ強いほど、自殺という道を選んでしまうことになりえます。自分で自分を同情しすぎてしまう。「かわいそうだ、僕はこんなに惨めな人間なのだ」と思い込みすぎてしまう。

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