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2022年のオリックスは、捕手どうするのか?

野球には、
センターライン」という俗語がある。

いわゆる、
ホームベースからバックスクリーンに向けて1本の線を引いたとき、
その線に最も近くに位置するポジションのことを言う。
ここでは、捕手・二塁手・遊撃手・中堅手がそうだ。

センターラインが安定すると、
チームの守備力が安定するともいわれている。
これは、おそらく打球が最も飛びやすいポジションであるからだ。

オリックスは、
ここの固定ができない、不安定なチームだった。

今年は、
安達と紅林の二遊間に加えて、
センターは福田がバチっと嵌った。

しかし、
この3人はいずれも今季初めてこのポジションを守り抜いたといってもいい。
結果的にシーズン途中からは安定したポジションになったのは間違いないが、
偶然だったのかどうかは、2022年の結果が証明してくれることになりそうだ。

捕手は分業制?

2021年シーズン、
捕手登録だった選手の出場試合数は以下の通りだ。

頓宮 46試合
伏見 91試合
若月 68試合
松井 10試合

うち、スタメンマスクでいうと
伏見が74試合(宮城・山崎福など)、若槻が43試合(山本など)で先発している。

そんな中、
パ・リーグの最優秀バッテリーは、
山本のシーズン15連勝の立役者となった若月が、捕手として受賞となった。

捕手は、
出場試合や打撃成績のみではなく、
その日の投手の調子を見極めて、その日の最大限の能力をいかに引き出すか、
が最も大きな役割であり、
それは最優秀バッテリー賞として確実に評価される時代となった。
もっとも、
68試合のみの出場で受賞というのは、
2015年に大谷翔平とバッテリーを組んだ大野翔太の74試合より少なく、
史上最少の出場試合数での受賞となった。

育成枠、ドラフトで見据えた今後の捕手戦争

このように、
捕手を1人に限定し、
規定打席を目指してレギュラー捕手として育て上げるのは、
もう古い野球思考なのかもしれない。

山本の幼馴染の頓宮ですら、
山本の正捕手では無いというのだから、
相性」と一言でくくるのは何とも難しいが、やはりそれだ。

ここ数年間で徹底した若返りをはかったオリックスだが、
最年長捕手は、松井雅人の34歳である。
これを考えると、育成側にあたるベテラン捕手が不在のようにも見えるが、
フロントには監督の中嶋監督ほか、
バッテリーコーチに斎藤俊雄、山崎勝己と、
数年前まで捕手現役だった人材があつまっており、
より実践的な指導を受けているに違いない。

2022年シーズンについては、
若月・伏見の2強体制は続くと思われるが、
第3捕手の争いは非常に面白い。

大本命はやはり頓宮。
経験やリードは二人に劣りながらも、
鉄砲肩とアーチスト性は球団でも随一だ。
何より、捕手としての出場に強いこだわりを持っているのもうれしい。

その次に國學院大から即戦力入団となった、福永。
東都大学野球1部リーグで、2連覇の立役者。
正捕手で主将、ベストナイン・最高殊勲選手という申し分ない評価だ。
小学校から捕手をしており、
横浜高校時代にも「打てる捕手」としてエース藤平(現・楽天E)を牽引した。
捕手エリートとして、中嶋監督がどう育てあげるのか、非常に楽しみである。

また、
一昨年に高卒で獲得した、中川拓真も楽しみな逸材だ。
中学3年時に、砲丸投げでジュニアオリンピック6位に入賞するなど、地肩の強さが売りで、
豊橋中央高時代に通算40発のホームランも記録しているほどの打撃センスも備える。
昨季2軍では14試合に出場しながら、打率.276だった。
宮城の頭を誤って五厘刈りにしてしまったのが、この中川だ。

育成枠には、
常磐大高から一昨年入団の鶴見が、二軍で25試合に出場。
京都国際高から入団の釣も10試合出場し、
着実にステップを歩んでいる。

ストーブリーグでは、
特に捕手に関してこれといった補強の姿勢は示さなかった。
育成枠はおそらくこのまま育成枠として育てていくとみられ、
福永がどこまで正捕手に食い込めるか、といったところが今年のテーマになりそうだ。



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