東大物理2021を実況する(その3)
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東大物理2021を実況する(その3)

ソレ

 以前の記事東大物理2021を実況する(その1)東大物理2021を実況する(その2)をご覧になっていない方は,そちらからご覧いただければと思います。第3問は2018年のノーベル賞受賞テーマの1つ,光ピンセットの問題です。物理的な難しさよりも,幾何的に難しいような問題でした。

 問題はこちら。(配点予想はあくまで予想です。全体の出来不出来によっても左右される可能性があります)

第3問:光ピンセット

 第3問は目新しい状況設定で,原子分野の公式は問題文中で与えられていたものの,初見で25分で解ききるのはほぼ不可能に思われました。時間もキツキツだったので,問題文を丁寧に読むことも難しかったかもしれません。自分は経験済みでしたので、ガッツポーズ決めながら解答して行きました💪

 問題文の第1段落は問題にはあまり関係なく,1番大事なのは第2段落3文目「光子の運動量の変化の大きさは,その光子が微粒子に及ぼす力積の大きさに等しいとする」です。このような記述を読み飛ばさないように注意しなければならないですね。それでは,設問順にどんな風に進めて行ったか書いていきたいと思います。

設問Ⅰ:まずは光ピンセットの基本問題です。早稲田(理工)2000第四問(以下,画像)などを解いた経験があれば,迷うことなく解き進められるのですが。。。

光ピンセット(早稲田)

⑴:ただの屈折の法則です。答るのはシュンカンでしたね😎。自分は危なくなったらフェルマーの原理とかから、思い出したりしています。

⑵:ΣE=nQΔtと考えるだけですね。問題文の意味さえ分かればシュンカンでした。p=E/cも与えられているためここは迷うところはないな~と思いながら,解答しました。

⑶:入射光線と射出光線のみを考えてやると,以下の図の壁に光子が弾性衝突したものと同様に考えられますね。いらない情報を削ぎ落として,必要な要素のみを抽出することを意識しながら解答しました。こう考えると,力学の基本問題ですね。

光ピンセット(衝突)

⑷:作用・反作用の法則です。⑶の逆を考えるだけでしたね。壁の受ける力積です。ここも問題文を読む方が長くかかるくらいにシュンカンで終わります。😎

⑸:三角関数の加法定理と近似を使う,物理でよくある変形ですね。横着せずに,加法定理の式を書いて丁寧に答えました。ここも特に迷いどころはないですね(ここまでで9分)。

 ちなみに実は光ピンセットの出題は早稲田2000だけではなく,東大1991(後期)にも出題歴があります(以下,画像)。そして,このときの問題のゴールは,力fがdすなわち変位に比例するために,微粒子を無重力空間におくと単振動するというものでした。後期の問題のゴールがこんなところで現れて,少し嫌な予感がしてきます。。。

光ピンセット(東大後期)

配点予想:⑴1点,⑵2点,⑶大きさ:2点,向き:1点,⑷大きさ:1点,向き:1点,⑸2点(まぁこんなものでしょう。⑶の運動量の変化の大きさが1点になる可能性はあります)

設問Ⅱ:微粒子の運動の制御の精度をより高くするために光線の数を増やすのかなと考えてました。この設問では⑴~⑶のすべてにおいて,「選択せよ」と問われているのであまり厳密な議論は要求されておらず,解答は答えしか見られないのだろう🤔と考えながら解き進めていきます。

⑴:設問Ⅰ⑸の答えから,微粒子の受ける力fはdに比例することがわかるので,「力は働かない」とシュンカンで答えて終わりですね。😎

⑵:こちらもシュンカンで,向きだけを問われているので,さきほどの設問Ⅰ⑷の答えからシュンカンです。ここまでは悩むところもなく,簡単だなぁといった感じです(全受験生の死守ラインは多分ここまで)

⑶:ここは差がつくポイントだと思います🤔。出題者が何を思って記号での解答を要求したかを考え,厳密な記述は解答には書かずに,問題用紙の計算スペースで関係式を軽く調べてやり、答えだけを解答しました。直感的にもポテンシャルを考えてやれば答えはほぼ明らかなのですが,一応,定量的にも軽く調べておいたって感じです。時間的にもそれくらいで切り上げないと残りが終わりませんね😱(ここまでで15分)

予想配点は,⑴、⑵は2点、⑶は3点(⑶は2点となるかも)

設問Ⅲ:角度が3つも出てきて,いかにもヤバそうな見た目をしていますね。残り時間10分で終わるか心配になります😥

⑴:難関です。物理が出来る人でもほとんどがここで脱落しているようです。物理では「分からなくなったら問題文に戻ってみる」ことが意外と大事だったりします。というのも,今回の問題文は

 図3ー5に示すように,光線1が微粒子に入射する点を点Aとし,微粒子の中心Oから微粒子内の光線1の上に降ろした垂線の長さをdとする。また,図3ー6に示すように,点Oから直線AFに降ろした垂線の長さをhとするhおよびdを,Δx,n,αのうち必要なものを用いて表せ。

となっています。気づきましたか?そうです。垂線は降ろすものではなく,下ろすものですね😤。完全に東大の誤字です。まぁ,こんなのはどうでもよくて,大事なのはdとhの順番です。定義はdの方が先に与えられているのですが,最後の文では「hおよびdを表せ」となっています。これは明らかに意図的で,「hから先に求めなさいよ」と作問者が言ってくれているのです😳!自分はこれに気づくのに2分くらいかかってしまい,dを表せずに停滞していたのですが,問題文を読み直すことで,h→dの順番に求めることに気づき,解答することができました。やはり東大の問題は作り込み方が違うなと感心しました☺️

⑵,⑶:ここまでくると,あとはボーナス問題ですね。設問Ⅰ⑸とⅢ⑴の結果を使って解答します。慎重に計算するだけですが,時間がオーバー(75分超え)するかしないかくらいのタイミングで焦ります。なんとか,最後の答えまで合わせることができました😯(ここまでで28分)

予想配点は⑴ hに2点、dに1点,⑵2点,⑶2点です。(hを超えられるかが肝なので,もしかすると⑵,⑶は解答者がほとんどおらず1点になり,他に点数が割り振られるかもしれませんね。こちらも合計が24になってますが、第2問と同じ措置が取られている気がします)

 計78分かかって、自分の自己採点は第1問:20点、第2問:16~18点、第3問:20点で合計56~58くらいに落ち着きそうです。特典調整などにもよりますが、そこまで変わらないのではないでしょうか🤔(追記:開示返却後の点数配分の見直しによると、第2問も第3問も20点を超えることになりますが、ここでの点数は開示返却前の手応えでの点数です)

 以上で、実況の記事を終わります。何かありましたら、修正加えますので、疑問点などコメント欄などに書いてください。

 いよいよ明日正午、合格発表ですね。悔いのない結果となるよう、また皆様の合格を祈願して、ここで終わりとさせて頂きます。拙文にお付き合いいただきありがとうございました。

追記:東大物理2021にて60点満点を頂きました。


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