スライド1

会社を休む練習

「今日は出勤したくないな、、、。」と思う経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?そして、基本的に往々にして休めず、周りにそういう方がいても、どうアドバイスしたら良いのかわからず、結局何もできなかったり。

私自身も、以前は仕事で思い詰めることがありましたし、身心ともに限界に達してしまった方々もみてきましたので、とても他人事とは思えない。

NLPマスターコースでの学びをリソースパーソン(サポーター)として支えていただいた志村さんのこちらの著書は、そういうことに直面して悩んでいる方にも、そうやって悩んでいるスタッフが、部下にいるかもしれない管理職の方にも通じる内容になっているように思います。

NLPを使った心理状態の理解と対策

山崎先生によるNLP(Neural Linguistic Programming)の教えをふんだんに盛り込んで、どうして「休めない」という心理に至るのかをとても平易に解説されています。

簡単に一人でできるワークも沢山準備されていて、ただ知識として”知る”だけでなく、自分を知ったり、自分と向き合うことを可能にしています。

そして、その心理状態から抜け出して「休む」ためにどうすればいいかというところも、単に「頑張れ!」とか「大丈夫!」ということではなく、NLPを使って”導く”方法を記しています。

そういう状態なっていないと「深く考えなくていい」とか「こういう風に考えるべき」という発想が浮かぶわけですが、実際にそういう状態に陥ると、そういう言葉ってなんの効果も無いんですよね、それができれば苦労しないというか。

自身がつらい経験をされた志村さんだからこそ、その導きは凄く丁寧に設計されているように思います。

共感できる優しいイラスト

帯にも入っていますが、挿絵の漫画がすごくよくできているんです。ありがちなシチュエーションや心理状態がうまく表現されていて、これを見るだけでも共感して泣けてくる読者がいるのではないかと思います。

社会保険労務士だからこその知見も

そして、NLPによる精神面からのアプローチだけでは、解決が難しいことも多いようで、社会保険労務士だからこその知見も多く盛り込まれています。

会社によっては、本人が休もうとしても会社のルールや法規の曲解によって、休暇申請を突き返したりすることがあったり、”解雇”をちらつかせて心理的圧力をかけてくることがあるそうなんですね。

そういう圧力に負けないように、必要な労働契約法などの法律知識を、これもまた平易・簡潔に説明してくれています。”法律を知っている”というのは強い心の支えになりそうですよね!

相談先や相談の仕方も丁寧にアドバイスされています。会社の労働組合があろうとなかろうと、個別に社外の労働組合に加入できたり、私は知らなかった情報も盛り込まれていて目から鱗。

頑張る人のハンドブックとしても

「休みたいけど休めない」というシチュエーションは「日本社会ならでは」だとも感じますが、本書にもあるように、往々にして責任感の強い方が苦しい思いをしているように思います。

人生100年時代などと言われ、今後は、より多くの人がストレスのかかる仕事ではなく、よりモチベーションの得られる仕事に従事するようになっていくと思います。ただ、まだまだ時間はかかるし、一生懸命取り組むからこそ、時に「何のために働くのか?」が見えなくなることもあるのではないかと思います。そして、すべての人が理想的な環境で働くことになるとは限らない。

この本が手元にあれば、自ら苦しむ時間を短くしたり、苦しむ同僚・部下や知人に効果的なアドバイスをすることもできるのはないでしょうか?

そう思える一冊でした。

それでは!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?