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台北・歴史建築探訪

「日本が遺した建築遺産を歩く」1895~1945

今回は台湾在住の作家で、日本統治時代の遺構の他、原住民の風俗・文化・グルメなども研究されている片倉佳史さんのこの本!

実は、私は以前、片倉さんにご案内いただける台南ツアーに参加したことがあるのですが(本当に貴重な機会でした)、もう本当に目から鱗の連続!片倉さんの豊富な知識を聞きながら、歴史に想いを馳せ、目頭を熱くするどころか、ぽろぽろと涙がこぼれることもあり、私の知らなかった日本を知るきっかけとなった旅でもありました。

その片倉さんが圧倒的な写真数とともに、台北の歴史建築を紹介したこの本をご紹介させていただきます。

”私の”台北の記憶

私が初めて台北に旅行で訪れたのは10年以上も前の話で、その時は何も知らずに行ったこともあって、見るところといえば故宮博物院とか中世記念堂とか忠烈祠とか、そんなところしかわからなかった覚えがあります。その後の長期駐在でも美味しいものは尽きないほど沢山経験したものの、出不精なこともあって、みるべきところは本当に沢山あったのに、、と反省しています。

最近は、多くの大小の歴史建築物が、リノベーションなどで再開発(利用)されているため、中に入って感じることができるところも増えているんですね。

しかし驚くべきこと、に本書で紹介されている台北の歴史建築は何と200件!台北だけで200カ所です!これは行くしかありませんね!(笑)

全ての人におススメな理由

この本は初めて台北に行く方にも、行ったことがある方にも、住んでいた経験がある方にも、ちょっと関心があるだけの方にも、はたまた全然関心が無かった方にも是非手に取ってほしいと思うのです。

行ったことがある方には、きっと、もう一度行って自分の目でみてきたいと思うでしょうし、住んでいた方はきっと懐かしのあの場所を思い出したり、見たことのあるあの場所につながる歴史を知ることができたり、関心のなかった人でも、本書を見ることできっと興味をそそられることと確信しています。

私も毎年お世話になっている温泉(瀧乃湯)の近くに、こんなところがあったのか!と、今から次回を楽しみにしています。

豊富な写真と著者の知識

本当に沢山の素晴らしい写真は見ているだけでも楽しく、共に綴られた歴史や建築物に関するうんちく、日本統治時代の古地図や、以前の姿をとらえた写真もちりばめられており、それぞれの建物と台北の歴史に深く想いを寄せることを助けてくれます。

つい一年前まで住んでいた私だと、通勤時に電車から見かけていた廃屋、実はこんな建物だったのか!というような発見も多数あり、本当に楽しくなるのです!行かれたことのある方は、同じように感じるところがきっとあると思いますよ。

歴史のある建物は、その過去や建造物に関する知識があると、本当に深みを増すというか、やはり、自らもう一度行って確認したくなるのですね。

旅のお供に

ということで、本書を購入したら、一度読んでいただいた上で、台北に行きましょう!国内旅行程の時間で行ける距離ですし、台北には美味しいものが沢山ありすぎて、2,3日では全然足りません。見るところも沢山あると丁度バランスが取れていいですよね。200件です!次の食事までの腹ごなしにも丁度よいではありませんか。

やはり、うんちくがあるとがぜん鑑賞時の感じ方が違ってくると思いますので、少々大きいですが、持っていきましょう!この本を!

しかし、実際に現地で回る時はスマホの地図が便利だろうと思い、Googleのマイマップを作成しましたので、よかったらご利用ください。(ほとんど全ての建築をカバーしています)

地図は、それぞれの名称の先頭にページ番号を振っていますので、本書から行きたい建築の記されたページ番号を引いてマップ上で探すもよし、近くにある建物へ行って、ページ番号を参照にバックパックに入れてきた本書を開くもよしです。一応地図情報にメモとして旧名称を残していますので、さっと確認したいときには、旧名称から「昔ここは、こうして使われていたのか~」ということを知ることもできます。

※Map上に示した建物名称が本書内と異なるところがありますが、地図上の名称をそのまま採用しているためですので、その点ご了承くださいませ。

※本Mapを利用したことで生じるいかなる不都合にも対応しかねますので、その点もご了承くださいませ。

感謝の念

しかし、これだけ古い建物を残すというのは容易なことではなかっただろうと思います。台湾では瓦は作っていないため、瓦屋根を修理するのも日本から輸入したり、取り壊しになる家屋から屋根瓦だけをいただいたり、そうして繋いでこられた。かくも大事に残してくれた台湾の皆さまには本当に頭がさがります。そして、貴重な知識をこういった形で私たちに提供してくれた片倉さん、感謝の念に堪えません。

これからもこの歴史建築が長く見ることができるよう、私達もしっかり足を運んで、応援していきたいですね。

ちなみにこの本、私は一時帰国の際に購入したのですが、Amazonで在庫切れになった一瞬で3500円ほどの値段が付けられていました。どうしても欲しかったのでそれでも購入しましたが、それ以上の値打ちがあったと思います。絶版されたら、とんでもないプレミアがつきそうな予感がするので、在庫があるうちに入手されることをおススメします!

それでは!

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