6月18日 第68号 小説落語

お久しぶりになってしまいました。片野朋起です。

なんとこれが2017年の最初の投稿になってしまいました。それまで何もしていなかったわけではありません。何もしていないように世間からは見られてもおかしくない過ごし方をしてしまったかもしれませんが、ぼちぼちと創作をしていました。

「小説落語」というものを、立ち上げます。立ち上げるというのは、新しい分野として、世の中に出す、ということです。これまでnoteでは、いわゆる、小説、というものを発表してきました。今回、小説と落語を融合させて、新しい文芸分野を作ろうと考えています。小説落語なる言葉を、少なくとも私は聞いたことがありませんし、他にやっている人も知りません。

近年、落語ブームと言われております。年配の方だけでなく、若者も寄席に行ったり、雑誌では落語を取り上げた記事が掲載されたりしています。さらに、落語を題材にした漫画も注目されており、テレビアニメ化されるものまであります。落語の漫画にプロの噺家が監修するものまであるくらいです。
ひと昔前は、落語は男の演芸だ、と言われておりましたが、最近は女流落語家の数も増えており、その人気も急上昇中です。

 落語には、江戸時代ほど昔からある「古典落語」、現代の落語家がオリジナルでつくる「新作落語」、「創作落語」があります。私はここに、「小説落語」という分野を創設したいと考えております。落語家が噺として表現するだけでなく、文章として小説家が表現することに可能性を感じています。

 新作落語や創作落語などと何が違うのかと思われるかもしれません。「小説落語」と掲げたのは、私が語り部になる、ということを意味しています。同じ噺も、落語家によってそのテイストが異なるように、小説に落語のエッセンスが入っても、それは物まねではなく、語り部である私を通せば、私のオリジナリティになると確信しています。では、古典落語など今存在するものをそのまま文字に起こすのか、と疑問を感じるかもしれません。もちろん、そうではありません。様々な古典落語にインスパイアされている部分は当然ありますが、ただ文章に書き起こしたのでは、ただの落語の台本になってしまいます。小説落語、というものを、手探りながら、私が作っていきます。みなさんは、何が小説落語なのか、ということを、みなさん自身で解釈していただきたいと考えています。

おべんちゃらは、今後もどこかでしみだしてしまうことでしょうから、今はこのへんにしておきます。そもそも、一言で語りえないから、落語小説として、世に訴えようとしているのです。

試行錯誤なんてものじゃないくらいに、どんどんかたちが変わっていくかもしれません。

まずは、「赤青緑の薬たち」というタイトルで小説落語を発表します。

まだまだこれからですが、よろしくお願いいたします。



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