ニュースから読み取るビジネスの違和感を考えてみた
こんばんわ!今回は、ニュースから読み取るビジネスの違和感を考えてみたというテーマでお話したいと思います。
横浜からタクシーで「鳥取砂丘まで」…8時間の旅、支払い23万円に「金がない」
横浜市内から鳥取市内まで数百キロにわたりタクシーに無賃乗車したとして、鳥取県警鳥取署は17日、住所、氏名不詳の40歳代くらいの女を詐欺の疑いで現行犯逮捕した。容疑を認める一方、氏名は「わからない」と供述しているという。
発表では、女は17日午前2時30分頃、横浜市戸塚区のJR戸塚駅のタクシー乗り場で、男性運転手に「鳥取砂丘まで行ってください」と告げて乗車。高速道路を使いながら約8時間かけてJR鳥取駅近くまで運転させ、乗車料金と高速料金の計23万6690円を支払わなかった疑い。
運転手が鳥取駅近くで支払いを求めたところ、女が「金がない」と告げたため、そのまま鳥取署まで連れて行ったという。
このニュースを読むと、よくある無賃乗車でタクシー運転手を憐れむような意見が多くみられるのですが、そもそも神奈川県で営業している中、「鳥取砂丘まで」と深夜に言われて、そのまま言われた通りに運転して鳥取に向かうことに違和感を覚えます。
乗車時間や料金の概算はきちんとお伝えしたのでしょうか?
横浜から鳥取砂丘まで深夜に乗車して約8時間かけて23万6690円とのことですが、横浜を出発する前にこの概算を伝えたら、普通の人であればまず乗車しないと思われます。
多分、この運転手がお客の立場であっても乗車しないでしょう。
深夜に横浜から鳥取砂丘に行きたいというお客さんがいたら、羽田空港まで乗せて、始発の飛行機に乗せるか、新横浜まで乗せて始発の新幹線に乗せるかなと…。
早朝から飛行機や新幹線で鳥取砂丘に向かっても、深夜に約8時間かけても、到着時間はそこまで変わりません。
ただ、そこまでにかかるお金は、飛行機だと当日なので4〜5万円かかるかもしれませんが、新幹線だと2万円程度。
タクシーで20万円以上かけていくのは荒唐無稽だと言わざるを得ません。
タクシー運転手であれば、これくらいの計算はできたと思いますが、深夜に横浜から鳥取砂丘にタクシーで向かうことにはデメリットしかないことをきちんと伝えた上で乗車させたのでしょうか。
私には、このタクシー運転手がお客に選択肢を与えず、蒙昧な情報弱者から搾取しようとしたとしか思えません。
タクシー運転手の一日の売上は約5万円で、売上の60%が収入と言われていますが、今回の横浜から鳥取砂丘まで、約8時間かけて23万6690円ということなので、高速料金を差し引いてざっくりでも15万円程度の収入を見込める計算です。
鳥取まで運転すれば5日分の収入を得られると考えれば、タクシー運転手としては悪い話ではありません。
要するに、タクシー運転手としては、明らかに時間とお金の両面でお客様の不利益になるのに、自分の収入の確保のために鳥取までの運転を選んだことになります。
ビジネスの基本は商品やサービスの交換で、自分のサービスが相手に不利益を与えるようなものはビジネスとは言えません。
結果としては、無賃乗車のため詐欺の疑いで現行犯逮捕となりましたが、そのトリガーはタクシー運転手にあり、ニュースにあるような悲劇の主人公にはなり得ないのではないでしょうか。
今回は、ニュースから読み取るビジネスの違和感を考えてみたというテーマでお話ししましたが、またきになるニュースがあれば取り上げてみたいと思います。
それではまた!
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