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【中学受験ネタ】校内学力テスト(3回目)~「僕はもう二度と学力テストの対策はしないよ」

先日学校で学力テストがあったらしい。
国立附属小学校なので、中学に内部進学するための学力をつけさせるためにやるのだろうと思うが、子供達の間では結構なイベントのよう。

今回は3回目。
テストの形式は、学校から配布されるテキストのページの範囲が書いてあり、似たような問題がそこから出されるそうだ。
サピや公開模試などのような難問はなく、基本的な問題ばかりなので、テキストを真面目にやっていた子が点数を取れるような仕組みになっている。

1回目のテストの時には、日能研の学力育成テストを犠牲にしてまで、頑張った息子。
1位を目指したが、結果は2位だった。
残念とは思ったが、「算数しかできないダメな子」というクラスメイトの扱いから、「勉強ができる子」に変わったようで、息子はまあまあ満足していた。

これで1学期の通知表の成績も上がるだろうと期待していた。
ところが、通知表の評価は今まで以上に悪い評価だった。
これに息子は憤慨し、「僕はもう二度と学力テストの対策はしない」とまで言い切った。

そして迎えた2回目のテストでは10位。
対策をまったくしていないとはいえ、基本的な問題ばかりなのに10位はひどいという話になった。
息子も、あまり真面目にテストを受けなかったそうだったので、せめてテスト中くらいはベストを尽くせと言った。

そして今回は3回目。
今回も全く対策をせずにテストを受けたらしい。
ただテストではベストを尽くしたそう。
結果は4位。
「他の子たちはみんな対策してたんだよ」
と息子は言うが、「じゃあ、君も対策すればよかったじゃん」という話になり、次のテストでは1位を目指せということになった。

連続で1位を取っていた親友のM君は、今回かなり悪かったようで、泣いていたそう。
息子は「可哀想だった」と言っていたが、同情する前に、正直M君の根性を見習ってほしい。
M君は中学受験をしない。
それなのに、塾に通っている中学受験する子たちを差し置いて2回連続トップだった。
今回も1位を目指して頑張ったのだろう。そして頑張ったからこそ、今回の結果に納得していないのだろう。本当に偉い。
そう思ったので、かなり長い時間、「M君を見習え」と息子に説教してしまった。
正直、すぐに天狗になる息子には、勉強しなくても高得点を取るよりも、勉強しても高得点が取れず、悔しい思いを、「何度も」して欲しい。

もう一人の親友のK君は前日に今までサボっていた分の範囲を一気にやったそうで、成績順位はちょうど半分くらいだったそう。
「それにしても、たった1日の対策だけで、平均点が取れるってすごいよね」
と息子は感心していた。
私もそう思う。この子は中学で本気を出したら、あっという間に成績が上がるような気がする。

今回1位の座に輝いたのは、1年生のときから優等生の名を欲しいままにしてきた女子のAさん。
「優等生と言えばAさん」という噂が、1年生の時からあったほど。授業参観でも他のお母さま方のAさんを見る視線が熱かった。
1回目のテストのときは「1位はAさん」という下馬評を覆して、あまり振るわなかったそう。2回目も振るわなかった。
よほど悔しかったのか、3回目にしてリベンジを果たした。
彼女も難関中学の受験組。
妻は小学生時代、このAさんに境遇が似ていたそうで、Aさんの返り咲きに喜んでいる。
「なんかね、他人事とは思えなくて。本当によかった」と。
君は自分の息子の結果に注目しなさい。

2位の子は2人いて、二人とも難関中学の中学受験組だ。
1点差で負けたそう。
一人は、学校は違うけど、息子と同じ東京の中学を受けるそう。
もう一人は、男子の優等生のT君。彼も難関中学受験組。

息子の話を聞いていると、子供たちの間でさえ、この学力テストの結果で、かなりざわついているようだ。
内部進学できるできないの話もあるので、下位の子は結構深刻な状況になっているのかもしれない。
附属小学校のほうも、だんだんと6年に向けて、受験モードになっているのではないだろうか。
というわけで、次回の学力テストは、6年になってから。


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