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【紹介】第三章について

この小説はひょんなことから生まれた。

完全な脇役(というか、チョイ役)で登場した清原君を主人公にして物語を作ったら、どんなふうになるんだろうと考えた。
考えているうちに、あまりやる気がなかったにもかかわらず、途中から俄然愛着が湧いてきた小説だ。

こういう子は実際にたくさんいるかもしれない。
勉強もスポーツも得意じゃなく、スクールカーストの最下層にいる子。
よくてみんなに無視され、悪いといじめの対象になる。
自分も、なにかの拍子でこんな子みたいになっていたかもしれない、と思うことがある。

こういう子がなんらかのきっかけや、周りの助けを借りてスターになったら、痛快だなと思って執筆した。

世の中にいる駄目扱いされている子(うちの子もか)でも、これだけは一所懸命やっているというものができたら、きっと変われるのではないかと思う。そういう子こそ頑張って欲しい。

書いているうちに、元祖チョイ役の浜名君がひとりでに動き出して、清原君を何度も助けてくれた。

浜名君自身も最初チョイ役のつもりで登場させたのだが、こういう子を主人公にしても面白いなと思って書いたのが「真剣勝負」だ。

以来、ことあるごとに浜名君が「俺に任せろ」と言って出てくる。

少し図々しいのが玉に瑕だけど、知らないうちにメチャメチャ好きになった子だ。


小説が面白いと思ったら、スキしてもらえれば嬉しいです。 講談社から「虫とりのうた」、「赤い蟷螂」、「幼虫旅館」が出版されているので、もしよろしければ! (怖い話です)