自動運転はどういう進化をみせるのか?
2020年にホンダ・レジェンドが、自動運転レベル3の認定を国土交通省から受けました。
保険会社はどう対応するの?といった疑問や、事故の責任は誰か?といった疑問があると思われますが、それに関して書かれる資料があります。
それは、「ASV:Advanced Safety Vehicle」と呼ばれる、先進安全自動車にありました。
元は事故数の削減を念頭に考えられたもので、国土交通省(当時:運輸省)をはじめに、各自動車・二輪メーカーらも参加し、平成3年から始まったものになります。
今回大きな変化があった点は、自動運転のレベルが明確に定義されたことです。さまざまな媒体で使われる、自動運転レベル〇と言われるアレです。
基本は、レベル0からレベル5の6段階で以下のような定義がなされました。
というのも、過去にレベル2の車両で、運転操作を怠った(そういったセールスを受けた)という理由で、追突事故があった過去があり、その事実を重く受け止めていることがうかがえる内容です。(国土交通省によって発表された当時のリリース)
したがって、これから進歩する技術はどういったものか、正しい情報を集める必要が出てきます。
自動運転のそういった責任の所在については、この資料からドライバーの監視、操作の記録をかなり細かく考えているようです。
これはEDSS(Emergency Driving Stop System)と呼ばれる機能となっています。これに記録される内容は、非常に細かいものになっています。
かなり詳細に記録されるこの情報をもとに、自動車からの警告を無視すれば、ドライバーの責任といった具合で、線引きされたルールを基準に判断することになります。
このような資料を見る限り、自動運転レベル3以上では、このドライバーの監視という部分にかなりの重みが置かれています。
自動追従走行や、レーンキープアシストなどが普及した今、今後の自動運転レベル3に至るために必要になる機能が、この機能ということに他ならないでしょう。
別のいいかたをすれば、このドライバー監視機能がレベル3以上は必須という意味でとらえて良いといえます。
その点を考えれば、今後エマージェンシーコールやSOSコールといった装備の起動条件が、物理スイッチを押したときではなくなるといった、監視とまではいかないが、ドライバーの動作を検知する機能が一般化した時に、自動運転のレベル3が現実味を帯びてくるといえるでしょう。
また、制限地域の拡大がある可能性が高い場所として、大きな幹線道路やバイパス、高速道路や有料道路を中心にした、場所限定自動運転となることが予想されます。
そこで重要になると思われるのが、自動運転中の速度調整や隊列走行です。
速度調整といっても、追従するだけの速度調整というものではなく、道路の規制に合わせた走行です。
今のところ考えられているのはITS(高度交通システム)ですが、ETC2.0など道路に設置された情報発信装置と、車両が相互通信をすることで実現しようとしているとみて間違いないでしょう。
実際に、従来のETCとETC2.0の動作する仕組み、強いては通信方式が大きく変わるために、従来型のETCが使えなくなる問題も出てきていると考えるのが自然です。
そのため、今後の自動運転車がどう普及するか考えると、注目点は2つ。
①ITSに含まれる、道路設備の充実
②ドライバーをモニターするシステムの一般化
これらが、次のステップになると考えられます。
次期の自動運転の普及は、こういった技術に紐づけてから考えるのが自然なようです。
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