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縄文エシカルサミットに行った話

参加のモチベーション

SDGsが最近話題である。自分自身もいつの間にか環境や持続可能性について強く意識するようになってきており、自分のやっているプロジェクトを通じても、もっと貢献したいと思っていた。

一方で、SDGs自体が持つ漠然としたいかがわしさが気になる。なんで今これだけ盛り上がってるのか謎だし、17のゴールが相互矛盾をはらみ得るのも気になる。そしてSDGsを追求した先に我々がどこに向かうのか?

この先どのように自分が進むかを考えるうえで、「汝の正体みたりSDGs!」という状態にしたかった。

縄文エシカルサミット

以前、谷中修吾さんの「突き抜けたアイデア」を考えるワークショップを受講したことがあって、その考えの切れ味に対がスゴイなと感じていた。

そんな谷中さんが、SDGsについて講演されるということで、自分のモヤモヤを払ってくれるのではないかという期待をもって、参加してみた。

縄文とSDGs

縄文型ビジネスと弥生型ビジネスの話は、著書である『最強の縄文型ビジネス』でも触れられていた内容の通り。この縄文と弥生の対比を手掛かりにSDGsを読み解くアプローチが美しく、感動的だった。

SDGsが実現された世界は、縄文的な世界観。縄文的な世界を、弥生的に細分化して弥生型経済のゴールとして定義したのがSDGs。なので、どれかを実現したときに他が実現できない矛盾が生じうるし、個別のSDGsだけを見てると、目的を見失いがち。「ルービックキューブの1面を合わせても、他の面がボロボロ」みたいなもの。(この喩えがすごい的確でカッコいい!)

ルービックキューブを多面的にみないといけない。解が存在するかも分からない。けど、解に向かってブロックを回していかなきゃ、解けないってことだろう。

今は弥生時代なので、弥生を捨てて縄文になればいい、ということではない。縄文と弥生のツインドライブシステムで、組み合わせると1+1が2より大きくなる。さらにイノベイターがトランザムすると、人々の意識が繋がっていく!!地球外生命体が来ても大丈夫ですね!!

縄文と弥生という切り口で、とても綺麗なストーリーを聞かせてもらった。一方で振り返っていて改めて思うのは、「縄文的思考を持つイノベーター」と「自然と共生する縄文世界」が、ただ縄文というキーワードだけで繋がってて、それが却って曖昧さを生んでいたかもしれない。

縄文すごいぜ!

それはそうと、火焔土器と遮光土偶のレプリカをみせていただき、火焔土器で日常的に鍋を突いていたらしいという話を聞いた。日用品においても、使いやすさよりも、見た目を重視するような価値観。「機能的なモノは自然と美しい」という思い込みがあった自分としては、ハッとさせられた。

Xデザイン学校で習った「これからは便利じゃなくて意味」という言葉が頭をよぎった。火焔土器の意味は、よく分からないんだけど、でもそれに何か意味を見出していたご先祖様がいたのだろう。

ちなみに、プロダクトデザインの教育においては、「縄文土器はダメで弥生土器が正解」という教育を刷り込まれるという話を聞いた。本当だとしたら、何故なんだろうか?

あと、最近の潮流として、ミニマルデザインではなく、マキシマリズムデザインが増えてきている、という話も聞いた。弥生土器がミニマルで、縄文はマキシマリズムなのだろうか?けど、縄文土器からは何も引き算できない?これは何を意味するんだろうか?

エシカル

正直、これまで「エシカル」という言葉には胡散臭さを強く感じていた。しかし、今回の末吉さんの講演を聞いて「10年間ミステリーハンターをやって秘境を巡ってた人が言うなら、どうしようもなくそうなんだろうな」という強い説得力を感じてしまった。

ところで、ダスティ・アッテンボローが良いことを言っている。「人間は主義や思想のためには戦わず、主義や思想を体現した者のため戦う」と。

末吉さんの話がすごく良かったが故に、「末吉さん自身」に対して良いと思ったのか、「末吉さんの思想」に共感したのか、自分でもよく分からない。落ち着いて考えていかなきゃいけない。

まとめ

今回はいい話を聞けたなと思う。SDGsの縄文的世界観と、その達成に向けてのルービックキューブ観が得られただけでも、十分以上に満足。

余談

・縄文について俄然興味がわいてきた。

・縄文ビジネスの「感謝オリエンテッド」をどう実現すればいいのか?大きな投資をするからには、相応のリターンを期待せざるを得ないのではないか?つまり、縄文ビジネスというのは、小額投資でできるビジネス限定で成り立つ話ではないのだろうか?自社ビジネスに展開するうえでは、ここが大きなハードルに感じた。

・自分がどういう経緯でエシカルな思考に最近寄ってきているのか、思い出せたような気がする。長くなりそうなので、機会があったら別記事でまとめたい。

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