シマ唄と黒糖焼酎と田中一村。
こんばんわ。
最近、黒糖焼酎が好きになったのですが、近所のお店にはあまり種類が置いてないので、都内の奄美系のお店でいろんな銘柄を味見するのが密かな楽しみになっています。
先日、奄美大島出身の店員さんが教えてくれたのが町田酒造の「奄美の杜」という銘柄。それまで何種類かの黒糖焼酎を飲みましたが、味の違いまでは正直まだわからない。でもこれはとってもフルーティーで飲みやすい。
しかも、瓶のラベルの絵が田中一村の名画「初夏の海に赤翡翠」ではないですか。(アカショウビン)
奄美シマ唄のBGMを聴きながら黒糖焼酎を呑み、田中一村の名画を拝む。こんな贅沢があるとは。
数日後、ちょうど今開催されている「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」を観るべく東京都美術館を訪れました。平日の午前中でしたが大盛況。一般的知名度は低いが美術界では有名人のようだ。
総展示数311点。幼い時から神童と呼ばれていた一村の作品はなんと6歳の頃に描いた作品から展示されている。しかもその時からプロ並みであることに驚かされます。
東京時代〜千葉時代と画風が変化していくがどの作品も珠玉のものばかり。あっという間に2時間が過ぎていました。
そして、、、
奄美時代になると一村の技術は人智を越えて神の領域へ足を踏み入れます。
ひとつひとつの作品の前で、本当に人の手で描かれたものなのかと疑うほど凄い。もう呼吸するのを忘れて立ち尽くしてしまいます。
これはスーパーリアリズム、スーパーデッサンとは全く違う。それらはいかにリアルでも絵だとわかります。一村の作品は写真でも写実でもなく一村の脳の中の世界に立たされているように感じました。
中でも特級なのがラストの2枚。
「アダンの海辺」と「不喰芋と蘇轍」
どちらも一村自身が「閻魔大王への土産物」と記した大作です。
"アダンの海辺"はサインをする気力も残らないほど全精力を果たしたと書き残されています。"不喰芋と蘇轍"は一村の生涯の集大成と称される最高中の最高傑作。そこに何分立ち尽くしたかわかりません。
現代の印刷技術や映像技術では到底表現仕切れないんだと痛感し、実物を拝めた事を幸運に思います。一村の表現技巧は現代の技術など軽く置き去りにしています。
しかも”アダンの海辺”と”不喰芋と蘇轍”は個人蔵なので絶対に見れる時に見ておくべき作品です。
ちなみに、ヘッダー写真(左)の”初夏の海に赤翡翠”の原画も拝むことができて大満足です。
最後に、お目当ての図録を買おうかちょっと迷いました。どんなに優れた印刷物でも絶対に一村の絵画を表現できないから。でも一村について詳しい情報が満載なのでやっぱり買いました。
すぐにでもまた田中一村展に行きたいです。
もし、行くか迷っている人がいるなら絶対に行くべきです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2024_issontanaka.html
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