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7の巻『初デート①』

たくやくんの告白から2数ヶ月が過ぎようとしていた。

特に、何の進展も無かった。
いつも通り学校に行って、休み時間お喋りする。
代わり映えのしない毎日。

違う......
違う………全然違う‼︎
私の想像していた恋愛とはまるで違う。

2人っきりで一緒に帰って

帰り道に手なんか繋がれたりして

心臓が爆発するぐらいドキドキして

急にチューなんかされちゃったりして

一つ一つの仕草や言葉にドキドキワクワクして

学校に行くのが100倍楽しくなるんじゃないの?

私はお花畑に入れずにいた…。
たくやくんを好きになる為には、もっと2人っきりの
時間が必要だ。たくやくんの事を知らなさ過ぎる。

私は思い切って、たくやくんを"デート"に誘った。
たくやくんも意外と乗り気だった。

初デート、当日。

その日は、たくやくんの誕生日の数日後だった。
流石に、何もあげないのも寂しい気がした私は
待ち合わせの2時間前に現地に向かった。

待ち合わせ場所は"ジャスコ"
私はとりあえず、ジャスコにある雑貨屋行った。
でも、さっぱり分からなかった。
何が好きなのか、何をあげれば喜ぶのか…
私は店員さんの力を全力で借りた。

店員さんが勧めてきたのは、紫色に黄色のローマ字が
刺繍されてある"リストバンド"だった。
いまいちピンと来なかったが、
店員さんに流行り物だと言われたら仕方がない…
私は肩叩きや、家のお手伝いで貯めた
なけなしのお小遣いで、"リストバンド"を購入した。

可愛くラッピングされた"リストバンド"を握りしめ
店内を出ようとした時…見慣れた後ろ姿……。

"あぁ、いる"

たくやくんは、すでに"ジャスコ"に居た。
一体、いつから居たのだろう?
たくやくんはゲームセンターに置いてある
"太鼓の達人"に夢中だった。

待ち合わせの時間まで残り数分。

私は、見なかった事にした。
たくやくんの周りは少し人集りが出来ていた。
たくやくんの表情は、真剣そのもの
止めるなんて事出来なかった。私なりの優しさ。

少し遅れて、待ち合わせ場所にたくやくんが来た。
結局、遅れるんかい、、
まぁ、少しなら良しとしよう。

たくやくんは、やや緊張していた。
散々"太鼓の達人"を楽しんでいたくせに。
いつもに比べてややおとなしかった。

集合したのはいいものの、私達はどこで遊ぶかを
全く決めていなかった。
"ジャスコ"で遊ぶ事を提案したが
あっさり却下された。

"ゲームで散々遊んでたからだろーが"と内心思ったが
言わなかった。私なりの優しさ。

"俺の家行こう‼︎ゲームあるし"と、
たくやくんから提案された。
全くゲームに興味は無かったが、行く所も無いし
人のお家にお邪魔するのは好きだったので
とりあえず、着いていく事にした。

あんな事が待っているとも知らずに…

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