多趣味のすゝめ 〜鬱病の気分転換〜

多趣味はいい。
年を取れば、美しさや物事にいちいち理由を求めたり理屈っぽくなり考えが凝り固まる。そうなる前に素直に美しいと思える柔軟な考えが必要である。
歳の数だけ賢くなったり教養や知識、美への造詣が深まる人と全く進歩しない差は若い時の趣味が多様かどうかにあると思う。
さりげない日常に楽しみや美しさ、感謝の心を感じる為には多方面で趣味があると日常が豊かになる。

私が小さい頃は、老人が夢中になる「盆栽」を陰気な趣味だと馬鹿にしていた。
だが、この年になると、自然や四季を身近に感じられる「盆栽」は何という素敵な趣味であろうかと思う様になった。

鬱病により、足元をよく見る様になり、野原や土手や河川敷に咲く野花や雑草の美しさに気づき、園芸に興味を持った事も大きい。
園芸で花を灯すのもいい。心が豊かになるし、四季の先への楽しみが増える。不安より先に楽しみがあるのは希望に繋がる。
名前を覚えるという事は世界が広がる事だ。
ひとつの花の名前を覚えると他の人と話す時の話題にもなる。花をきっかけに近所の方と雑談もできる。
近所の方が庭をもっていたり花を上手に育てていると挨拶する様になる。
世間との閉ざされていた世界の敷居をひとつ乗り越える事ができる。