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夏のドライブの詩

車に乗る。暑い空気を追い出すべく、エアコンを最大にする。
一番、雲が夏の方角へひたすら走ると、海につきそう。
もう前には進めない。
道はどこかしらには繋がっているけど、行けない所へは行けないもんだ。

走ってる間だけ忘れられる寂しさがある。
人間不信になって一年、ようやく自分の運転だけは信じられるようになった。それでも寂しさは消えない。時間よりも増えていく。
どんどん積荷が増えるので、加速しにくくなってきて、そうすると寂しさを振り落とせなくなりそう。そのうち全てを練炭で焼いてしまうのかもしれない。

今はもう、冬を待ってる。
春を待つ年頃は終わった。
冬じゃないと、火がたけないから。
桜なんかに期待してない。
淡い色の希望は、強い日差しに褪せてしまっているので。どうせ枯れるので。
今はもう、冬を待ってる。
一番、雲が秋になるまで風に乗って、波に乗って、(実のところ、車に乗って)
たゆたっている。というより、逃げている。大丈夫、生きている。というより、死んでいない。

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リズムの書き遺し
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