メルカリ10周年企画を通じて感じた事業KPIに直結"しない"マーケティング活動の重要性
色々な場でメルカリの10周年企画について聞かれることが多いので、久しぶりにnoteを書いてみようと思います。それぞれの会社には個々の事情や状況があるため、参考にならないかもしれませんが、何かの参考になれば嬉しいです。
周年企画は何のためにやるのか
周年企画を任されたときに色々調べてみましたが、「何をやったらいいのか?」のイメージを掴むものがあまりインターネット上にありません。そもそも周年企画はなぜやる必要があるのでしょうか?
周年といっても、消費者目線では、会社が勝手にサービスを始めておいて、それがたまたま何年か経ったに過ぎません。
なので、
「◯周年おめでとう」
は社内向けの内輪ノリや社外から言われるものであるべきで、
「皆さんのおかげで◯周年を迎えられました。ありがとう。これからもよろしく!」
こそが社外に発信するメッセージであるべきです。
ここを混同してしまうと、ありがちなのがコンセプトムービーを作ってみたり、パーティーやってみたりと、振り返ると「何だったんだっけ??」ということになってしまいます。
メルカリ10周年企画は何を考えて何をしたのか
メルカリの10周年企画ではプロダクトに関わるキャンペーンにはじまり、2023年11月29日から12月3日にかけて、我々の予想を超えて大きな賑わいをみせた「ウチの実家」プロジェクトなど実に多くの企画を有機的に接続することをテーマとして設計しました。
これらがどのように発想されたのか、どのような意図をもって実施に至ったかについてご紹介します。10周年の企画は12月の「ウチの実家」が締めとなるよう、2023年7月から半年間かけて様々な角度からメルカリの魅力を発信できるようにPR、マーケティングコミュニケーション設計を練ったものです。
私(筆者)について
私は現在、メルカリのマーケティング責任者という立場でマーケティング全体を統括する立場にあります。分かりやすいところだとTVCMをやったり、キャンペーンの企画をしたり、SNS運用をしたりというようなチームが私の配下にあります。
社内ではバーチーと呼ばれてます。メルカリはslackネームで呼び合う文化がありますが私のslackネームは@baachiiです。経営会議のようなオフィシャルな場でもslackネームで呼び合うのは最初は慣れなかったけど、もう慣れました。強制的にあだ名で呼び合う感じなので、親しくなるのは早いです。一方で、社外の方との打ち合わせで「あれ、、、苗字はなんだっけ。。。」となることはメルカリあるあるかもしれません。
ご参考までに私のこれまでのキャリアは電通(2011-2014)→Gunosy(2014-2019 執行役員)→スタートアップ(2019- 2022 COO)→メルカリ(2023-) という感じでメルカリ在籍はまだ1年未満です。※2023年12月時点
在籍は短いですが、メルカリ歴はけっこう長く、過去の取引履歴からみると2014年から使っていたようです。使い方としてはほぼ出品で、取引は評価を見ると700を超えてます。(社内でも多い方?)
マーケティングの会社における役割
私のメルカリでのメインの業務はマーケティング組織のミッションの整理や人の配置、採用、事業計画と実行計画の橋渡しなどです。マーケティングプランは緻密に設計をしないと精度が落ちる一方で、事業計画、特に利益のコントロールにおいてマーケティングコストの削減や追加は容易な調整弁です。
その中でマーケティング責任者に求められる役割は下記2点です。
最適なコストアロケーションを行い、それを実現すること
事業進捗に合わせたセカンド、サードプランを常に持つこと
1については、お金がちゃんとある状態でそれが適切にアロケーションできるかということなので最低限の能力と言えると思います。所与の予算をいつ、どこに、どういった目的で最適に配賦するのかということです。
むしろ重要なのは2で、ちゃんと事業進捗を追いながらコスト予算調整をいかに仕切れるかというところです。先々を見越した上での調整プランを常に持てるかというところでしょうか。コスト調整のために予定されていたアクションをストップするのはカンタンですが、一度止めた場合に元に戻すのにどの程度時間がかかるか、コストだけではない他KPIの機会損失はどの程度なのかということは現場でないとなかなかわかりません。こういった視点をもってマーケティングの現場と経営をつなぐのがマーケティング責任者の仕事だと私は考えています。急な予算消化があった際、咄嗟に適切な消化先が思いつくかも大事ですが、そもそもそれを予見したコントロールが大事。実務ができるかよりもここが非常に重要です。
急に予算カットされても困るし、逆に急な予算追加も困るというのは当たり前ですが、それを見通せるのかというのがマーケティングのトップの仕事です。そんな偉そうに言っててもこれは中々できないことは多いのですが。。。
10周年プロジェクト
どうして10周年プロジェクトを実施した(できた)か
10周年プロジェクトは、「10周年だしなんか盛り上げてよ」みたいに始まったプロジェクトでした。ただ、10周年というサービスの節目を盛り上げることは、サービスをこれまで使っていただいたお客さまに感謝を伝えたり、残念ながら会社を去ってしまったメンバー、株主として応援してくださっている方々に今の姿を報告したり、何より社内メンバーのサービス愛を向上させたりということができるはずです。
10周年は1回だけなんだし、ど派手にやってやろうぜということで企画をしました。
10周年プロジェクトにおける事業KPIインパクトその他の考え方
メルカリに入ってみて非常にいいなと思ったのがバリューの浸透です。
Go Bold
All for One
Be a Pro
の3つは本当にちゃんと全社に浸透しています。
10周年プロジェクト予算は、KPIに「紐付けない」予算として確保し、推進しました。KPIに「紐付けない」予算というのは非常に重要です。
KPIに「(直接)紐付けない」のは、主目的をブレずに追える仕組みとするためです。
話題化を主目的としながら、KPIリフトも狙う一見すると一石二鳥のプランは、両方がコケる可能性が大いにあります。たとえば「『ウチの実家』に入るためにはメルカードで100円払ってメルカリアプリでチケット買ってね!」という感じ。エモさを売りにした企画だったのに急に企業感がはいって一気にエモさは消滅しますし、「ウチの実家」は期間中に物理的に入れる人数に上限があり、KPIのリフトは限定的であることは分かりきっています。
でも、世の中こういった施策が多いのも事実。
主目的を明確に(今回は話題化)し、そこにフォーカスしました。その意味で、KPIに紐付けるものとKPIに紐付けないものをはっきり分けておくというのは大切です。全体としてKPIに紐づけた予算のなかでうまいことやりくりしようとすると、どうしても変なところに色気を出してしまって、結果すべて台無しになりかねません。
10周年プロジェクトとしてやったこと
メルカリではこの半年間は10周年の傘のもと、マーケティングキャンペーンやPR活動を一貫して行ってきました。10周年プロジェクト予算はKPIに紐づかない予算として確保したと言いましたが、正確には10周年の話題化のためのものについてはKPIに紐付けなかったという意味で、キャンペーン等のマーケティング施策は当然ながら事業直結するものをメインKPIとして追っています。
キャンペーン:事業KPIをメインとして、話題化はサブで狙う
話題化施策:話題化のみを狙い、事業KPIは完全無視
というような仕切りです。
10周年お買い物キャンペーン
7月に実施したお買い物がお得になるキャンペーン。内容はシンプルでクーポンを配布して購入を促すというものですが、10周年でそんな当たり前のことだけ訴求しても意味がありません。
メルカリでのお買い物でハッピーなシチュエーションが生まれるという「エモさ」を思いっきり押し出したクリエイティブで10周年をスタートさせました。「ウチの実家」につながるストーリーもここから打ち出し始めています。
「こんなものも買えるんだ(売れるんだ)」というメルカリのコアバリューと買い物におけるワクワク感を込めました。
ちなみに筧美和子さんはメルカリの初めてのCMにもご出演いただいていました。
こちらはキャンペーンに紐づくもので、主KPIはGMV(流通額)です。
ARIGA湯
話題化観点で盛り上がりを作るために、キャンペーンとは別のやり方で感謝を伝える方法についても模索したのがARIGA湯(ありがとう)企画です。
内容としては10周年のノベルティを作成し、それと関連してオフラインイベントを実施するという極めてポピュラーな内容です。ただ、これだけだとフックが足りないので「ありがとう」ではなく「ARIGA湯」として違和感を作りました。ちょっとした違和感がないと、内容もよく分からずに流されてしまいがちなのでけっこう大事です。
普通に考えて10周年だからお風呂グッズをプレゼントって頭おかしいから違和感あるよね。グッズのページも清水みさとさんを起用してゴリゴリに撮影していい出来です。
ちなみに清水みさとさんはメルカリ利用者で、メルカリを使ってくれるお客さま(タレントを含む)の100人のユースケースを集めた、「100人100通りのメルカリ」にも登場していただいてます。
オフラインイベントは10個の銭湯とコラボするという企画もやりました。この10個の銭湯は私が全て足を運んで厳選してます。
プレスリリースの担当者コメントに全力を注ぎました。
映え写真を撮るためにみんなでメルカリカラーをイメージした風呂に均等に玉が並ぶよう、深夜の閉店後の銭湯で奮闘したのもいい思い出です。
めざましテレビ他、テレビにも多く取り上げてもらいましたが、そこでもこの画が目立っていました。
個人的にサウナが好きすぎて開催期間中に10施設ほぼ全部まわりました。そのためだけに大阪2回行ったし。
「あと2ミリ深く掘り込めないですかね?」とかいう狂ったディレクションで最高級御影石を使ってサウナストーンも作りました。急激な温度変化で割れないか心配したけど、花崗岩なら大丈夫。(大学院で地球惑星科学専攻してたけど、その知識を仕事で使ったの働き始めてから初めてかも)
ARIGA湯は全力でふざけようという気持ちでやりきりました。おそらく、この施策における事業KPIへの直接貢献はないでしょう。
一方で、メディアの露出やSNSでのバズはかなり大きく、「なんかメルカリがおかしなことしてる」という評判が「ウチの実家」の盛り上がりにも繋がりました。
途中、「ちょっとやり過ぎたかな、、?」と思うこともありましたが、めちゃくちゃ楽しかった。
「10周年だから10月に10個の銭湯とコラボします(キリッ)」
おれなら部下が1on1でこの企画持ってきたら病院行かせるね。
「メルカリならスマホも高く売れる」プロモーション
「何でも売れる」はメルカリのバリューである一方で、「何でも」と言われても尖りがありません。「何でも」についての具体想起を取りに行こうということで、特にスマホにフォーカスしてプロモーションを行いました。
キャンペーンやそれに紐づくCMも作ったりしましたが、屋外広告も話題になりました。
新宿駅にどどーんとOOHも掲載しました。これは通りかかった人がOOHに実際に貼り付けてある梱包資材を持ち帰れて、剥がすと各機種がいくらで取引されてるのかがでてくるという仕掛けです。
この広告個人的にめっちゃ好き。実際この梱包資材使って私もメルカリでiPhone12を販売しました。
メルカリで買ってよかったもの
やはり「なんでも買える(売れる)」というモーメント醸成のために都内7箇所で場所ごとにクリエイティブを変えてOOHを展開しました。場所のあるあるを散りばめて話題化を狙いました。
Xでも話題に。
メルカリだからこそという商品。不要品でも誰かにとっては価値があるという点にフォーカスしました。かくれ資産のリリースにもつながる話題作りとなったと思います。
メルカリのビットコイン取引サービス(メルコイン)100万口座
2023年3月にローンチしたばかりですが、メルカリのビットコイン取引サービス(メルコイン)の100万口座開設達成を記念してこちらもOOHを展開しました。暗号資産取引サービスはメルカリのこれからの10年を象徴するプロダクトです。
個人的にかなりこれ気に入っていて、QRを読み取ると300円分のBTCがもらえる仕組みにもなってます。字がはみ出ててもちゃんと読めるし、かなり目を引く。これもあくまで話題化ということなので余白をかなり贅沢に使えています。キャンペーンだったらこんなことできません。
ウチの実家
そして10周年の最後には原宿に実家をつくりました。予定では1,000人もくればいいなぁという程度でしたが、結果半端じゃない集客ができてしまい、最長70分待ちというディズニーランドのアトラクションみたいな盛況ぶりでした。。
「ウチの実家」プロジェクト、5つのこだわり
結果として「ウチの実家」は大成功プロジェクトとなりました。それは「ウチの実家」につながるように一連のマーケティング活動、PR活動を10周年の文脈に乗せ、メッセージを統一してきたこと、プロダクトのコアバリューを伝えることを徹底したのが大きな要因だと思います。
プロダクト"コア"から企画を考える
メルカリというプロダクトのコアバリューは何なのか?ここをかなり深掘って議論しました。
メルカリでの最も多い行動は買い物です。それも誰かにとっては不要なものであっても誰かにとっては価値のあるものというのが他のECや売り場とはちがうユニークさです。
言葉でこんなことを言ったところで、刺さりません。
メルカリでしか買えないものをみせる
メルカリならこんなものも売れると知ってもらう
年末の大掃除のタイミングで捨てず、メルカリにトライして欲しい
実は捨てていない(気づいてもいない)ものはたくさんあるはず
という思考から「そういえば実家ってめっちゃモノあるよね!」ということで「ウチの実家」のアイデアは生まれました。
心の奥深くを如何に刺激するか
「実家にある不要品を売ってみませんか?」
というのが我々の言いたいことですが、これをストレートに言っても企業メッセージすぎるので心に響きません。
これを心に突き刺すために考えられたのが「あの頃」を想起させる実家の再現です。
具体的には2003年に家を出た兄(40歳)、そのときに中学3年生の妹(34歳)というペルソナを設定し、2000年頃の家を作ることになりました。ここはかなりこだわった点でぼんやりと時代を設定せず、特定の層に深く深く突き刺しにいくことにこだわりました。
この企画のキモは「広さ」ではなく「深さ」。タイムスリップしたような没入感をどこまで出せるかということをターゲットを狭めてしまうことを恐れずに追求しました。
その場でめっちゃ懐かしくなって、「実はこれ全部メルカリで買えるんだよ」というのは鮮烈に記憶に残ります。お土産にメルカリエコボックスも貰えば「家で何か探してみようかな」とメルカリに対してポジティブな気持ちで帰っていただくことを徹底して考えました。
「懐かしさ」は一瞬で心の深くに突き刺さるようで、取材に来てくれたカメラマンさん達も自発的に何を撮ったらいいのかが判断できるというのも非常に面白かったです。(逆に若いアナウンサーの方は分からなかったり)
「うおーーーー!これあったなぁ」
とカメラマンさんがわいわいやりながら撮影していたのはとても印象的でした。
ヨッピーさんのXでの投稿、かなり雰囲気伝わります。
メディア露出設計とそのストーリー
下記は社内資料からの抜粋ですが、「かくれ資産」についてのリリース⇒メルカリエコボックスの発表⇒ウチの実家オープン⇒大掃除シーズン⇒帰省
となるように、「いつ」、「何を」、「どのように」外部に出すかについてタイミングと盛り上がりを設計しました。
かくれ資産、メルカリエコボックス等の文脈があったからこそ、ウチの実家はメディアの取り上げもかなり強いヒキがつくれたと思います。
10周年との結節
ウチの実家はモーメントを捉えるために絶対にこの時期にやる必要がありました。捉えたいモーメントは大掃除と帰省です。
10周年のメルカリが懐かしさとともに人々の記憶に残ることができれば10周年の企画者としてこれ以上の喜びはありません。確実に毎年発生するイベントとメルカリのプロダクトをいかに結び付けられるのかが非常に重要でした。
実家感を出すためにお父さん、お母さんも設置しました。実はお父さんもお母さんも本物の役者さん。役者さんのオーディションもして選んでます。
「本物の家族ではないお父さんお母さんと写真が撮れます(キリッ)」
記者会見でしゃべりながら我ながら相当やべえと思ったけど、勢いで乗り切ったし、実際、疑似家族はかなり評判がよく、我々の期待していた没入感を出すことに大貢献してくれました。役者さんすごい。
若くしてお母さんを亡くした来場者の方が、台所で動くお母さんを見て、泣き出してしまうというのも空間と役者さんがあったからこそ。てかこの話、いい話すぎない?全く想定していなかったこういうことがあると泣いちゃうよね。
メディアの取り上げに際しても、画として「おかえりー」とお父さんが出迎えてくれるのはめちゃくちゃテレビ映えして良かったです。
「場」を作ることへのこだわり
今回の「ウチの実家」について言われまくったのがモノと場への異常なこだわりでした。気が狂ったレベルの時代考証により、メンバーの@yamachanと@sakicchoがイカれたレベルのディレクションでモノを徹底して集めました。
1つでも時代にそぐわないものがあると一気に冷めるので本当に徹底してモノを集めました。当初500個程度だったリストがふと見ると2,000個以上になってるし、代理店の若い担当者(20代)がモノを集めてくれたのに対して、
「女子高生の着てるラルフはベストじゃなくてカーディガン!!!オーバーサイズなの!!」
「コム(WILLCOM)はこの時代にはないでしょ!?」
みたいなやり取りをしていて狂気を感じました。でも@yamachan、20代にこれはわかんないよ、、、
でも、こういう狂気が企画を良いものにしたんだと思う。
10周年を振り返って
振り返ってみると10周年という傘のもと、色々な企画やキャンペーンを実施しました。実際、今回紹介したものは一部に過ぎず、これ以外にもかなり色々なことをやっています。密に結節するものもあるし、緩やかにつながるものもありますが、全て1つのテーマ(10周年)の元に今年のメルカリはPR活動、マーケティング活動を実施してきました。
話題化という視点ではX上の発信は明確に増えていて、メルカリについて語られたtweetのReach数は1月〜6月の平均が4,200万件/日だったのに対し、11月〜12月平均では5,800万件/日と約38%伸長しています。
10周年企画だけの成果だとは思いませんが、この伸長の一端を10周年企画が担ったのは間違いないでしょう。
事業KPIに直結"しない"マーケティング活動の重要性
本noteのタイトルにもつながりますが、事業KPIに直結”しない”マーケティング活動は「メルカリ」が色々なところで話題となり、生活の様々なシーンで想起してもらえる機会が増えるという観点で非常に重要です。だって、自然に思い出してもらったり、話題にしてもらえた方が使ってもらえるに決まってます。
キャンペーンだってプロダクト機能だって、シンプルな「メルカリの〇〇」よりも「よく聞く、よく話題になる、あのメルカリの〇〇」の方がいいなんてことは誰が聞いても分かるわけです。それなのに、こんな当たり前のことも、全てを事業KPIに紐付けようとした時点で忘れられてしまうのです。
一方で、こういった話題化を定量KPIで評価するのはかなり難しいです。だからといって無理矢理に何かしらの事業に紐付くKPIを定めると、担当者はお客様を見なくなり、企画を正当化するためにどうしてもそのKPIに寄せた施策設計が始まります。そして、その瞬間に企画は死にます。
全てが計測できるはずというエゴを捨てて、例えばメディア掲載数とかimpressionという手前の指標をライトに追いながら、定性的にいい施策を作るという方が生産的です。念のため加えておくと、効果計測しようという努力を否定するものではありませんし、すべてのマーケティング施策をこの考え方でやるべきとも思いません。
企画のクオリティは熱狂が生む
メルカリ10周年は、メンバーが本当に優秀なのでできたプロジェクトでした。思いついてもこんなの1人じゃできないし。。。
この記事は10周年に関わったメンバーのインタビューだけど、完全に頭イカれてて最高。
また、ウチの実家についてはご本人登場という奇跡も起きました!最高すぎるでしょ。おれの仕事がモー娘。に届くの!?
大成功したけど、10周年全体がアホみたいに大変でPRの@yaxは「ウチの実家」が終わったら知恵熱みたいに39℃の高熱だしてぶっ倒れたらしい。
写真には写ってないけど、PRの@hanやPRのメンバーが最後の最後までメディアに鬼電してアピールしまくってくれたからメディアも沢山集まりました。
改めて思うのは、企画のクオリティを決めるのはストラテジーとかプランニングのような小難しいことではなく完全に偏愛、熱量です。大好きなことを狂ったような熱量でやったのがメルカリの10周年でした。Go BoldにAll for OneでBe a Proを体現した結果なんじゃなかろうか。
メルカリに入って思うのが、社員がみんなメルカリのプロダクトが大好きなんだよな。プロダクトが大好きな人がプロダクトを伸ばすために仕事したらそりゃいい仕事するよね。
これからもメルカリをよろしくね!良いお年を!
来年は何やろうかなー。
採用も力入れてるからみんな応募してくれよな。
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