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くらしと子育ての定点観測 【感想】 しおみめいこ

本当だったら7月に単独公演をするはずだったチチカカコ。
今年、開催は叶わなかった。もちろん残念だった。
けれど、今年だからこそ生まれたものもやっぱりたくさんあって、
もうそれは本当に、感謝しかないなあなんて思う。

「毎日同じところで、同じ時間帯に、親子で写真を撮る」

幼稚園も学校もなーんにもない自粛期間。
我が家にとって、定点観測は一日の締めくくりの儀式ようなものだった。

私が忘れていると、長女が「お母さん、写真!」とドヤ顔で教えてくれていた。
長女も忘れているときは次女が「ちゃちん!」とこれまたドヤ顔。
誰のドヤ顔が披露されるか。儀式の始まりはそんな感じだった。

それだけじゃない。タイマーで撮った直後に、撮れたものを確認するためにカメラを目指して駆け寄る争奪戦も恒例に。
悔しくて、痛くて、怒られて涙することも多々。

そうして生まれた計50枚の親子の写真。
普段撮り手の私は我が子との写真は少ないから、とても貴重なものになった。

壁倒立してたり、絵本を見てたり、ぬいぐるみを持っていたり、子たちのその時々のブームが生々しく思い出される。今日は嫌や!と言って映らない日もあった。
乗り気じゃないけどカメラの前には居てるなんて日もあった。
お父さんも気まぐれに参加して、お尻だけ写ってる日もある。

私の方はというと、あれこれポーズに迷う子たちのおかげでポジションが確定するのはシャッターが下りる直前。なんだそりゃ、なポーズも多い。
映るのは表面的なものだけでもない。
イライラしていることを必死で隠そうとしてたり、隠しきれてなかったり。

まあ仕方がない。ダンスもそうだけど、やっぱりむき出しやね。
そのまんまのリアルな日々を重ねた作品が、不思議と愛おしい。
記録するかしないかの違いは大きいけれど、きっと私たち人間の日常は思ってるよりずっと芸術的なものかもしれない!なんて思ったのでした。


塩見めい子

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