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「面白そうと思ったことを最高の仲間達とともに実現できる場所でありたい」 学生団体おりがみ

概要:

学生団体おりがみ
自分の可能性を諦めない社会の実現のためにボランティア事業を初め、コンサルティング事業、教育事業を行っている。活動を開始して今年で8年目となり、今年の1月27日にNPO法人を立ち上げた。

インタビューをお受けいただいた方:
石丸惠郁(いしまるやすふみ)さん
学生団体おりがみの東京支部代表。団体内では主に留学生との交流などの国際分野で活動している。

インタビュアー・執筆:茶谷力丸(Shakr Inc.)
編集:尾本将太(Shakr Inc.)

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本文:

今日、将来の漠然とした不安を抱えた学生が増えた印象を持つ。そしてそれが原因となっているのだろうか、やりたいことがあるが自分にはできないと思って諦めてしまう学生も心なしか増えている気がする。そんな中で人々が持つ可能性を信じ抜くことを価値観とし自分自身で社会に変化を起こせるようになることを目標としている団体がある。
今回はそんな学生団体おりがみの東京支部代表である石丸惠郁さんにお話を伺った。


学生団体おりがみでは主にどんな活動をなさっているんですか?

石丸)
主にインキュベーション事業として、ボランティア活動を行っています。ボランティアは日本の社会だと「誰かへの奉仕」と言われることが多いんですけど、そうではないと思っています。

というのもボランティアというのは基本的には能動的に行うもので、される、するの関係ではなくて、お互いWin-Winになる関係というのがボランティアの本来の在り方だと考えているからです。なので少しでも日本のボランティアに対する意識が変わるようにと思い活動しています。

基本的にボランティアの対象としては、自分たちのように学生だったりとか、小学生、中学生、または幼稚園生、または障がいを持っている方々を対象に活動をしていることが多いです。
他にはコンサルティング事業、教育事業なども行っています。



メンバーの募集は主にどのように行っていますか?

石丸)
本来でしたら基本的には各大学にビラを貼ったりとかチラシを配ったりとか、普通のサークルと同じような募集をしてるんですが、近年はコロナ禍というのもあって、去年、今年はオンラインを中心に募集をしました。

実は今年新歓の責任者をやっていたんですが今年は入会者が84名入ってくれました。これは全部SNSで人を集めました。
基本的に使うのはTwitterとInstagramを使って人を集めていて、基本的にはDMと、投稿をとにかく意識して行いました。

特に新歓期だと毎日投稿して、説明会も12回くらいオンラインで開いて、イベント後に一人ひとりと面談という形を取りました。面談ではその子がどういうことをしたいのか、やりたいことを聞きました。


コロナ禍においてサークルでの活動が難しくなり人との交流する機会も多く失われている中でどのようなところを工夫しましたか?
石丸)
活動を全てオンラインに移行したことです。元々ほとんどオフラインで行っていたんですが現在は全チーム基本的にはオンラインで活動しているのでおりがみ内だけで1日で5から10くらいミーティングをオンラインでしています。

できれば対面でやりたいなという気持ちもあるんですけど、やっぱり企業さんとか行政から協力をいただいているというのもあるので、責任ある行動をしなきゃいけないなというのがあり基本的には全面オンラインで活動しています。



オンラインという中では大規模な人数をまとめられているという一方でオフラインの時には大人数というのをどういう形でまとめるように動いていたんですか?

石丸)
実は、おりがみに今203人程所属しているんですけど、この203人全員が集まるということはほとんど無いんです。

集まるのは本当に1年に2回だけ開かれる総会は一応全員出席という形でひとつのパーティー会場とかに集めるんです。僕が今所属している東京支部という場所だけがちょっと人数が多いので、多いときは30、40とか来ることがあるんですけど、他は基本的に1チーム多くても20人、10人から20人程度で活動しているのでそこまで大規模で集まるということが無いです。

なので実はメンバー内でも総会以外で顔を合わせることが無くて、所属して1年経った後はじめまして、ってなることも実はちょくちょくあるという形になります。(笑)

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実際にコミュニティ作りだったりというところで色々な活動をやってきたと思うんです。
今も実際に総会とかで初めて顔を合わせる、という話もあったと思うんですけど、そういった面で大変だったこと、逆に良かったこととかもあったりしますか?

石丸)
良かった点としては、地方にいるメンバーがおりがみに入ってきてくれたことが一番良かったのかなと思います。
今おりがみには一番遠いところだと広島大学の学生も入っていて、あと北の方は東北の子もいます。

コロナの関係で帰省してしまっていて、今は北海道にいますという子もいます。そういった形で結構おりがみは全国からメンバーが集まっています。このように本来対面であったら参加できない地方の学生が参加できることが良かった点だと思います。

あとはオンラインになったからこそ、活動の数が増えました。元々はおりがみ、そんなにイベントの数自体は多くなく活動できて月に1、2だったんです。
今それがオンラインのおかげで、1日の間に2回も3回もミーティングができるんです。各メンバーが移動する必要が無く、パソコンひとつあればどこからでも参加できるので、活動の数自体は広がったのかなと思います。

悪かった点に関しては、やはりメンバー同士のコミュニケーションが取りにくいというのがありました。
どうしてもやっぱりオンラインだと相手がどういう人かっていうのがわからないと思うんです。特にオンラインだと雑談が生まれないです。一緒にやるメンバーは特段そうだと思うんですけど、ボランティアって一番大事なのはお互いのことを知らないとだめだと思っています。
僕は今年の1年生ずっと見てるんですが、入ったのは良いけどお互いのこと全然知らないんです。

僕も現に去年入ったけど、メンバーと仲良くなったのはちょうど10月とかで、一時期だけオフラインが少しだけ解禁されたんです。
そのタイミングでメンバーと一緒にボッチャ(注1)のイベントで他のメンバーと知り合って、そこで一気に仲良くなったというのが多かったです。やっぱり仲良くなるというのはオフラインが一番なのかなとは思います。

(注1)ボッチャは、ヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目です。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競います。
(引用元 http://www.japan-boccia.net/howto.html



石丸さんが実際に参加していて、個人的におりがみの魅力はなんだと思いますか?

石丸)
おりがみのメンバーって本当に、ボランティアしに来ているというのもあって、優しい子がめちゃくちゃ多いなと思っています。基本的に団体内での人への誹謗中傷が無いんです。

やっぱり大学生活送っていると相手の意見否定することって結構あると思うんです。例えばブレストひとつするにしても、アイデア出している時に自分が違うなと思ったら「それは無いでしょ」って言っちゃうことってあると思うんです。

でもおりがみのメンバーはそれが無くて、相手の意見を受け入れる人が多いのかなと僕は感じています。そこが多分一番の強みだなと思っていて、意見を潰すことって簡単だと思うんです。

でもそうするとその意見が潰れるだけじゃなくて、次の意見が出てこなくなっちゃうんです。言ったらまた潰されちゃうってなって。
自分が結構そういうことをしないように言ってるのもあると思うんですけど、アイデア出しの時は尊重しながら行こうねというのを言っているのもあって、メンバー内で喧嘩が起きないって言う環境になっています。
もちろん意見の衝突はあります。自分はこう思っているっていう、意見をしっかり言うことで相手のことを否定しないというのがおりがみの強みなのかなと思います。

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自分の意見を押し殺さずに、でも生産性を高めていくようなことですかね。

石丸)
企画を作ることが結構多くて、ゼロから企画を作ろうといった時に、例えば実際に実現しなくても企画のコンペすることが結構あるんです。例えば面白い企画は実現に向けて、各チームに持っていって実現に向けてやろうってなるんです。

もちろん過去には何個か潰れちゃった企画もあるんですけど、それは「コロナ下で潰れちゃった」とか、「実現性が乏しい」というところでした。
普段からがんばって自分の意見を入れるようにと結構メンバーに言っています。たぶん中途半端に参加していたら最終的に愚痴が出てきちゃうんと思うんです。本気でやったら満足感があるし、後悔とかはしないと思うんです。

でも中途半端な関わり方とかすると、自分の意見が入ってなくて周りの意見にうんうん、ってやっていたら面白くないと思うんです。

そういうこともあってメンバーには必ず、1年生も含めて口を開くようにとは言っています。なのでよく喋る子たちが多いのかなとは思います。



NPO法人を設立されたということだったんですけど、そのNPO法人と学生団体っていうのは、どういう役割分担みたいなものがあるんですか?

石丸)
NPO法人がなんで立ち上がったかっていうと、学生団体の場合、学生が終わったらもうこの団体に関われなくなってしまいます。しかしNPO法人になったら社会人でも関われるというのがあります。

元代表の都築が7年間ずっと代表をやっていて、代替わりの時に卒業していったメンバーの中からまだおりがみ続けたいけど社会人になっちゃうから関われない、そういう形でどうしたらいいのかという声が多いことで立ち上がったのがNPO法人おりがみです。

あとはイベントの規模がやっぱりNPO法人の方が大きくなるなというのがあります。だから基本的に例えばお金の管理とかはNPOの方でやってもらっています。元々学生団体の中に財務会計部というのがあったんですけど、それをNPOの方に持ち上げて、自分たちはお金の関係とかはあまりせずに活動できています。

また書類の作成も、NPOの先輩と学生の先輩が関わる機会を作る為にNPOが立ち上がったという形になります。つまりNPOに入れば将来社会人になってもずっと一緒にボランティア活動続けていけるよという形で立ち上がりました。

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参加者には特に制限は設けていないと仰っていたんですが、実際におりがみにこういう志を持った学生に来てもらいたい、であったりとかこういう意欲のある生徒だったら歓迎する、というのはありますか?

石丸)
一番大切なのってやる気かなって、つまり正直おりがみに入るのに実力はいらないと思っています。場所によっては、例えば国際系の団体だったらある程度言語が喋れないとだめとか、編集系の団体とかもあるのでそういうところでは編集技術とか文字を書く力が必要とかあると思います。

ですが色んなところでそれぞれ求められていることに違いがあると思うんですけど、僕たちのところで一番求められているのはやる気なのかなと思っています。

団体内には色んな動機でおりがみに入った人がいると思います。ボランティアってやっぱりやっておくと企業のイメージが良いからって入った人もいれば、本当にボランティアしてみたい、自分たちが色んな人の役に立ってみたいって入る人もいます。

そういう色んな人がいる中で、入る動機は何でも良いと思っていて、大切なのは中で何をするかが大事なのかなと思っています。なのでやる気を出してくれる子がいればどんな子でも歓迎だよ、というのがおりがみの基本的なスタンスです。

加えて忍耐力じゃないですけど、耐える力というのも必要だなと思っています。どうしてもボランティア活動とかしていく中で、楽しいことだけじゃないと思います。
これは特に幹部とか、上の方になればなるほどそうなんですけど、悩むことも多いなと思っています。

僕も結構去年と今だったら、去年は結構楽しいだけだったんです。先輩たちが考えた内容に入っていって、意見言うだけ言って、一緒にやって楽しんていただけだったんです。
ですが今先輩になって下を持つようになって、悩むことも多くなりました。それはメンバー間の相性の話だったりとか、企画が実際に上手くいかなくなったりとか、渉外に失敗した時もそうです。

予算をもらいにお願いをしに行ったけど予算が通らなかったとか、そういう事もあって実現がもしかしたら失敗するかもしれないとか、そういう危機とかもありました。
団体内には色んな動機でおりがみに入った人がいると思います。



これから来る人たちにメッセージみたいなものはありますか?

石丸)
おりがみに来たら一番できることって、自分のやりたいを一緒にやる子が見つかるのかなと思っています。

企画を作るってさっき話をしたと思うんですけど、ゼロから作ることが多いんです。その中で例えばフードロスについて取り組みたいと言ったら、フードロスに興味を持ったメンバーが集まってチームが立ち上がるんです。

今1年生の中には例えばLGBTQについて自分たちで取り扱っているイベントを開きたい、そういう思いがありますと言ったらそういうメンバー集めようねって今準備をしているんです。そういう形で、やりたいが実現できる場所なのかなって思います。

僕は結構国際に興味があって、留学生と何かをしたいって言って、今実際に留学生と一緒に交流するイベントをオンラインで開いたりしているんです。そういう意味でも自分のやりたいことが見つかる、自分がやりたいって言うのは簡単だと思うんですけど、やりたいを実現するのって色んなものが必要だと思うんです。

例えば仲間。ひとりじゃやっぱり厳しいと思います。その仲間を募集することは、結構おりがみではしやすいのかなと思っています。
そしてその仲間を募集する際に色んな関わり方があって、一緒に主導で動いてくれる子とか、陰で支えてくれる人たちも結構大切です。

例えば企画ひとつ作るにしても、自分たち1、2年生だけじゃどうしても内容自体が薄くなっちゃうところを、3年生、4年生、OBの先輩方が色んなフィードバックをくれます。例えばここはこう直した方がいいと思うよとか、これだと詰めが甘いからもう少し目的をしっかりさせようねとかです。そういう内容をくれて、クオリティの高いイベントを自分たちで作れるというのがおりがみの魅力です。

やりたいことがある人は来てほしいなと思います。

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編集後記:

インタビューをしていて一番に思ったのは石丸さんが心からおりがみでの活動に本気で取り組んでいることが話している様子から伝わってきました。団体のみなさんは自分のやりたいことを実現するためにオンラインという新しい環境の中でも対応して頑張っています。やりたいことがある学生にぜひ学生団体おりがみの思いが届いて欲しいと思います。


○リンク

HP: https://origami-tokyo.com/ 
facebook:  @origami.tokyo.gakusei 
twitter: 学生団体おりがみ (@origami_chiba) 
instagram: 学生団体おりがみ (@origami_tokyo2020) 
youtube: 学生団体おりがみ 




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