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笑顔でいるほうが好きなんだな、ホントは。

生活の中に起きてくる
漠とした不安感覚、
その不安こそが
私を本来の私に回復させようとする。
      尾畑文正

楽天家だ。
たぶん相当な。
臆病なくせに。
不安が嫌いなんだろう。
だから、
逃げているのだろう、
どこか現実から。

死ぬことは間違いなく約束されている。
けど、死なないと思っている。
地震が来ても、
たぶん大丈夫だと思っている。
記録的な台風だと聞いていても、
普通に寝ている、
「気圧の関係かな〜、台風のときってよく眠れんだよねぇ」
とか言って。

ある日、
新型コロナウィルスに罹患するかも、
と、小心者の眼前に逃れられない現実がポンと置かれた。
臆病者は驚愕した。
ハンパなく手を洗い、
うがいをし、
手が荒れ、
うがいのしすぎでのどがれをし、
いつも寝る前に入っていた風呂を、
家に帰ったら真っ先に入るようにし、
小心者は出来得る限りのことをしてみた。
そうすると、
ある日、気がついた。
不安があるぞって。
ちゃんとすればするほど、
不安は襲いかかってくる。
安心をするための作業は、
常に不安を増大させる。

あたりまえだ。

見ないようにしているから、
知らないでいるから、
不安ではなく、
見て、知った瞬間、
そこに意識が行くようになる。
意識が行くから不安になる。

ある朝、
目覚めた瞬間、
生きている、
と、
実感した。
瞬間、恐ろしくなった。
寝て目が覚めるは、
当たり前でない、
その事実に初めて面と向き合った。
死ぬんだな、
理由は、いつかは、
わからにけど。

事実を知ることは怖い。
でも、
知ると、
事実に逆らってある自分が見え、
事実に逆らう社会が見え、
それをなんとかしたいという思いが湧き、
生命を感じ、
ムカつくこと、悩ましいことが増大するが、
少しだけ、生きるのが楽しくなる。

いま、
SNS上での差別、
言葉の暴力、
人権侵害が増大している。

知らない、
見ない、
知ろうとしない、
見ようとしない、
知りたくない、
見たくない、
現実・事実を、
そんな人間が多い気がする。

自分の属しているカテゴリが、
実は自分の描いていたユートピアと違っていたら、
自分の勝手な妄想が、
実は妄想でしかないことを知ったら、
自分の存在意義がなくなってしまう、
そんな勘違いをしている、
小心者の、臆病者が多い気がする。

だって、
自分が小心者で、
臆病者だから、
わかるんだよ。
同じ匂いがする。

でもね、
オレは、
知りたくもないのに、
勝手に教えて、
見たくもないのに、
無理くり見せる、
そんなお節介者たちに囲まれて生きている。
だから、
いやでも、
思い知らされて、
見せられて、
悩まされている。
おかげで、
面白く生きている。
おかげで、
国がオレでもないし、
会社がオレでもないし、
金がオレでもないし、
名前が、性が、年が、車が、
そんなどうでもいいもんがオレなわけではない、
という事実が、
受け入れられる、
受け入れられないは別として、
漠然だが、
本当のことなんだろなぁ、
そんな感じにはなれている。

自分を立てるために、
無理やり自分より弱いものを作り上げるような、
ゲスなことはしないようにしたいと、
それは恥ずかしいことで、
ダサいことだということは言い聞かせて生きている。
それでも、
してしまうかもしれない、
そんな小心者の臆病者だから。
いつも、
言い聞かせている。

国籍だとか、
性別だとか、
見た目だとか、
持ち物だとか、
職業だとか、
そんなことで他者を卑下する、
そんなイジケた生き方は捨てちまいなよ。

誰が不倫したとか、
実害でないならどうでもいいだろ。
社会倫理とかいうけど、
建前だろ。
ただ人の不幸を楽しんでいるゲスな根性でしかないだろ。

芸能人が政治的発言?
あたりまえだろ。
政治は政治家だけのもんじゃないし、
直接、その場で生きるもんの大事だし、
国籍が違おうと、
職があろうとなかろうと、
選挙権があろうとなかろうと、
どんな職に、どこのガッコに、
何歳だろうが、
政治には物申すのは当たり前。
政治は政治家のものと言う方が問題だろ。
住みづらい。
楽しくない。
生きづらい。
言ってあたりまえ。
そこで生活しているんだ。
それを、
口出しするな、
とか、
日本人じゃないくせにとか、
グチャグチャいうのは、
笑えないナンセンス。
かっこ悪いよ。
茶化して面白がっているなら、
とっととやめたほうがいい。
いじけた目をして生きるのはもうやめたほうがいい。

素直に感じた不安は、
受け入れがたい現実は、
苦しいけれど、
辛いけれど、
大事にしていこう。

他者に転嫁してやろうなんてやめよう。

転嫁できるもんじゃないから。

オレが不幸になったとしても、
君が幸せになるわけでもないし、
君が不幸になったかと言って、
オレが幸せになるわけではない。

でも、
人が幸せそうな姿は、
時として、
オレみたいな天邪鬼ヤローでさえ、
笑顔にさせてくれる。
なんかいいなぁ〜、
って、思わせてもらえる。

そっちのほうが良くない?

オレはそっちのほうがいいんだな。

だからさ、
ジャマしないでくれ!


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