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ほんとがあるってほんと?

考へれば、
ほんとに欲しと思ふこと
有るやうで無し。
煙管をみがく。

       石川啄木


欲しいものはいくらでもある。

欲しいものを手に入れられたとしても、すぐに次に欲しいものが現れる。

「何が欲しい?」と、問われると、
「なんだろ???」となる。

でも、普通に生活をしていると、息を吐くように欲が湧く。

食事
休暇
優しい言葉
理解者
若さ
体力
才能

etc...

でもほんとうがわからない。

ほんとうは、一切、わからない。

ほんとうてなに?

欲しいものを自分に問うたり、したいことを自分に問うたり、どうなりたいかを自分に問うたり、問わないでも、生活したり、仕事したり、遊んだり、そんな中で人生通して「ほんと」を探しているのだと思う。

「ほんと」が「ほんと」でなかったから生きこれているのだと思う。

歩いていられるのだと思う。

「ほんと」がほんとに見つかったっら、もうそこで歩むのを止めてしまう気がしてならない。

でも、これも「ほんと」がわからない人間の妄想。

たぶん「ほんと」がほんとに分かった人は、生きるも死ぬも「ほんと」任せで、なにも恐れることもなく、一切を受け入れられるように成るのだろう。

でも、どっちかというと、「ほんと」がわかっちまったらつまらなくなりそう、そんなふうにしか思えない。
欲がなくなるのはつまらない。

欲があることをどこまでも根っこで良しとしているわたしがいる。

ほんとにほんとがわからない。



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