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豊かさってもんは気づくもんなのかも・・・。

単に世俗的な豊かさのみで、このいのちが生き生きとすることなどありえないと、人に指摘されるまでもなく、誰よりも自分自身が生活の中で切実に感じているはずです。
実はその心こそ、「いのちがけでほしいもの」を求めている心であり、有限相対な自我に生きる私を超えて貫く「いのちの真実」にほかならないのです。

            池田勇諦


先日、夜、と言っても7時ころ、友人から電話が掛かってきた。

珍しい。
なんだろ?

友 久しぶり。
自 ああ、なに?
友 いや、いま、何してる?
自 メシ食って、ぼ〜。
友 話できるか?
自 いいけど、電話でか?会ってか?
友 オマエ、電話嫌いだろ。
自 嫌いだな。
友 じゃ、会って。
自 話長いのか?だったら明日のほうがよくないか?
友 なんで?
自 いま、喫茶店も閉まるの早いだろ。
友 そこまで長くはない、いくらなんでも。
自 了解。じゃ、今から迎えに行くし、近くから電話する。
友 悪いな、実は酒のんじゃってた。
自 わかってる。

で、車で迎えに行き、近くのファミレスに入った。

なんだかんだ、互いの近況報告をしたり、最近のあの映画を見たか、芝居を見たか、誰それという役者がいい、そんな話をとりとめもなくして、小一時間。

自 で、おまえ、オレに用ってなんだ?
友 あ、それか。
自 それのためにきた。
友 実はな
自 ん?
友 オレ、去年、再婚したんだ、〇〇と。
自 ・・・知ってるけど。。。
友 だったな。
自 で?
友 〇〇がな、言うんだよ
自 ???
友 □□ちゃんとエグチさん、合うと思うんだよね、って。
自 断る。
友 だよな。
自 □□ちゃんて、〇〇さん紹介されたときに一緒にいた人だろ。
友 ああ。
自 圧がすごくて無理。
友 だよな。
自 嘘じゃ、圧が、ってのは。
友 わかってる。あんな静かな人も珍しい。
自 今更、紹介されて恋を始める元気もないし、
  第一、万が一うまくいったとしても
  人と暮らすのはゴメンだ。
友 でた、人嫌い。
自 仕方がない。
  若い頃から同じ人間と3日以上一緒にいるのは
  苦痛でしかたがない性格だ。
友 よく知ってる。
自 すまん。
友 いや、答えはわかっていた。
  □□ちゃんがオマエのタイプじゃないのも。
  てか、たぶん、向こうがオマエだめだと思うし。
自 だよな、引いていたしな、会ったとき。
友 〇〇も引いていた。
自 じゃ、けぇるか。
  〇〇ちゃんに、よろしくわびといてくれ。
友 ああ。正直この話はどうでも良かったんだ。
  久々に会って話ししたいなと思ってな。
自 覚えてくれてて感謝しとく。

で、おわり。
要件のみなら、電話でも済むし、LINEなら速攻で終わるような話だった。
友人も最初から答えは解っていたようだし。

楽しい時間だった。
やっぱ、面と向かって合うのはいい。

あとから聞いた話だが、家でじっと仕事をしていて、どうも元気がない友人を見かねて、〇〇ちゃんが無理やりわたしに電話をさせて、気晴らしをするよう仕向けてくれたということだ。

ま、いきなり夜に電話して、暇にしてそうなのがわたしくらいしかいないってことだな。

〇〇ちゃんもわたしがそんな話に乗ってくるわけがないのは解ってる、と、笑っていたという。

いいように使ってくれたもんだぜ、テメェらのお遊戯に!と、にやけてしまった。

今のところは、二人はうまいこといっているようだな。

こんな友と〇〇ちゃんを相手の駆け引き、やり取り、過ごした時間や会話やストーリーに、「いのちがけでほしいもの」とはいわないが、豊かさてもんのヒントと言うか、かけらのようなもんを感じた。

でも、日常に戻ると、金や持ち物や社会性に豊かさを求めてしまう。

自分では豊かになれないのかもしれない。

間違いなく、独りではなれない。

わたしのように、人と暮らすこと、何かをなすことができないような人間でも、それは感じる。

たまに、こうしたゆたかさを感じさせてくれる、そんな人がいることが豊かな生活なのか?

でも、それだけでは満たされない自分も間違いなくいる。

難しいね。

考えて、理屈や理論でわかるものでもない。

でも考えて問題にしなければ、問い続けなければ、気づけない。

ま、たまに、気づいたら豊かにしてくれている。

ありでしょ、それも。

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