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ソムリエの仕事論、便所の落書きしてみる。

ハワイの(福岡の)八島さんとメッセしていたら、色々と考えてしまって。
八島さんには、6年前くらいから可愛がってもらってるはずで、いつもお世話になっています。

人と同じものとかを欲しくなったりしないけど、憧れて同じブルゾンをパリで探して買ってしまうほどです。
(憧れじゃなくて、普通に欲しかったのかもしれない。)

(↓個人の意見。便所の落書き。)
アルコールのない国に行くソムリエと言われると、たしかにサウジアラビア的にはまったく必要のないスキル&肩書。

ソムリエさんって31000人以上、現在資格持ってる人がいるみたい。
ちなみに、ぼくは日本ソムリエ協会ってのに属してないので、自称・ソムリエ。
プロ資格を持ってないプロゴルファー猿と同じようなもん。

さてさて、サウジアラビアにソムリエって必要ないかって言うと、そんな事ないです。
ふだんワインをツールに接客してますけど、僕の中では一番レストランの中で繊細で立ち位置の難しい生き物だと思っていて。

お客様、シェフ、サービス、料理などいろんなタイミングを狙い続けるために全方位にアンテナを立てていないといけない。
そもそも基本的な接客が出来ないとソムリエやれないし、料理詳しくないとソムリエやれない。

もちろん知識は、そのお店の中で誰よりも必要だと思っている。
ワインは、嗜好品なので趣味として深く掘り下げる側面と、飲食店として利益を取るための商材としての視点で見ないといけない。

ドリンクを扱うってことは1番お客様と触れる回数が多くて、ワインの売り上げ次第では1番の稼ぎ頭にもなる。
それをアピる奴も会ってきた。売り上げを上げまくってると。もっと認めてほしい、もっと給料ほしいと。独立したらいい。それなら相談に乗れる。

そして、ソムリエは現場を回す能力もその現場で1番であるべきと考えてる。

仕事を始めたばかりは言われたことをやるのが大切。
そのうちに気がきいて最初は人に合わせていたタイミングも、全てが「みんなのために」って動けるようになり裏を回せるようになる。
そのうちに、お客様のためって思えるようになって、表が回せるようになる。
そして、それが自分の思うように、全てを動かせるようになるステージがある気がする。

支配するって意味じゃなくて、みんながどこに向かうか理解できて動ける道づくりを常にするという感じか。

そういう感じでソムリエとしての経験と視点を生かして、シェフやチームの話し相手として、いっつも現場で見ています。

だから、サウジアラビアでワイン売れないからってなんにも思わず、いろんな発見もあったりで物凄く楽しかったりします。

サウジアラビアでの50日間で、自分の仕事に対しての幅というのは広がった気がしているので。

ワインだけうまく売れるソムリエさん見ると「ウケる〜」ってなる。
「ソムリエ待ち」みたいなオペレーションしてるレストラン見るとウケる。
そーゆー感じとか、自分がいなきゃ回らないみたいな動き方するソムリエを見ると本当にウケる。
まだ、そーゆーとこあんのかなぁ。

美容室みたく「オーナーがカットしたらちょっと値段高い」とかはないので、ワインは誰が注いでも値段は一緒。誰が開けても値段が一緒。
お金という評価軸は一切気にしないけど、チップがあるわけでもない日本で、まぁ別に「誰かじゃないとダメ」って文化がそもそもないってことなんだよなぁ〜って思ったりも。

考え方の問題で、1テーブルごとに100点取りに行く接客する人と、全体通して80点だと、僕は全体通して80点でいい。
僕には全テーブルを100点で返す力がないので、妥協している。
だから、ボクにはワインベースの顧客がいないし、最近は、もはやワインがわかってない(笑)

TIRPSEやってたときに、ドブの掃除とかもしてたけど、自分的には1番仕事ができる=1番仕事が早い=1番仕事をこなすことができる→1番仕事が多いってわけだと思う。

それの何が悪いのか、さっぱりわからない。
ボクは誰もが感じる1番仕事をしているワーカホリックでいることにストレスがない。
それを人にまったく求める気もない。
でも、100%がそれならやった方がいい。出来るのにやらないのはサボってるのと一緒だ。

あ、ってかぼくソムリエのバッジ持ってません🍇
だから、ここまでは「世露死苦」って書いてる便所と同じで、素人の落書き。

あと自分が決定的にソムリエとしてダメなのは、ワインの話をし続ける事にあんまり興味なくなってきた事。
誰がどう作ったか?畑がどこだとか、そんな会話がもう出来ないレベル。
ワイナートとかワインの記事も、全然頭に入ってこない。

しゃーないか(笑)
昔は頑張って勉強してたけど、最近はまったくアップデートできていない。
プレステ2くらい。

だから、ボクはソムリエですってあまり言いません。
めっちゃくちゃソムリエって職業をリスペクトしてるから。

本当にアップデートし続ける人たちを知ってる。なんなら、人のアップデートに対して情報を提供している人が知り合いにいる。
間接的にだが、その人はボクが次出すお店のドリンクもコンサルタントするらしい。
その話を、聞いた時は心底ウケたし、ちょっと負けてらんないなと思ったけど(笑)

本人とそのあと会って言ったら「お前の店は自分で選べよ笑」って言われたので、その人はまだボクのことワインの人だと思ってくれてました。
一生尊敬してます。コッシー先生。

そして、これもぼくの持論ですが、仕事ができる人は圧倒的に耳がいい。
レストランってのは、すんごく換気扇が強い。
お店の吸気と排気のバランスの中で空気が動き回る中で、現場のどこにいても、どのテーブルがどうなってるかわかる。
ささいな音をかんじられて、どこにどんな事が起きてるか想像できる。

そんな想像する力、未来を感じる力。ワンピースでいうところの「見聞色の覇気」
ぼくもちょっと未来見えちゃうカタクリ系なのですが、現場、このワインがどう変化していくか?がちょっと人より想像する力がある。

ちなみに、そのスキルがなければ、僕はソムリエと名乗るべきではないと思っています。

どのお客様も顔上げたときに目が合って「あ、困ったからあいつに聞こう」と思える信頼感。
シェフ・キッチンのスタッフが「やばい、あいつに頼もう」と思って顔上げたときに必ず目が合う安心と信頼感。
それがあって、やっとこさソムリエって意味があると思っています。

僕は、フランス語も話せずにフランスにいきました。
「どうやって仕事・生活してきたの?」と言われます。
それは「ワイン」という共通言語だけを持っていて、それがフランス人のソムリエより詳しかったことで、自分のポジションを得られました。

ほんと、たまたま。もしかすると何にも通用せずにパリにいて日本人とつるんでるだけの人になったかも。

今回の、僕の武器はなんでしょう。
ぼくは英語ができません。ここにはワインがありません。

今回の武器は、今までレストランをやり続けてきたこと、様々な場所でシェフと仕事をして対話してきたことで経験を積んできた自分自身がいて、「信頼」をベースにシェフ達と繋がっていることだと思います。

「信頼」一本で乗り込んできた。
みんなと楽しく毎日過ごしてます。

ぼくは自分1人では何もできません。
料理も出来ないし、サービスもポンコツ。ワインの知識もアップデートできてない。

一切接客業務にも携わらないで、店の横か後ろに立ってるけど、サウジアラビアのお客様は、ボクを呼んで話しかけてきます。たぶん、アラビア語が通じると見た目で思われてる。

サービスコンクールに出たら動き方もわからない。
ソムリエコンクールに出たら問題も読めない。

でも、ソムリエとしての知識・経験を生かして、生きています。
そんくらい崇高な仕事で、ソムリエって本当は強いんです。

そーいえば、ワインってどんな味でしたっけ?(笑)

ソムリエ目指してる人もそうだし、現在ソムリエってる若い人もそうだけど、たぶんボクのこと知らないだろうし、ボクの話って刺さんないと思うですよねぇ〜

でもまた三ツ星レストランで働けないし、ホテルのいいポジションにもなれないし・・・

ってことで、ソムリエ論なんて、何一つ語る資格ないんだけど、つまり言いたいことは見聞色の覇気を身につければいいソムリエになれるよってこと。

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