サウジアラビア、ことの経緯。

「サウジアラビアで王宮の中にレストランを作る話があるから、そのレストランを選んでほしい」

どんなイベントかもわからない。真実味もない。
誰が来るかも、誰がターゲットなのかもわからない。
で、「とDining」で動くことになった・・・のか？？

まぁ〜まぁ〜とにかく何にも分からない。

とにかくサウジアラビアの観光のためのイベントで「Riyadh Season」という名前らしい。
今まで観光ビザもなく入国できなかったサウジアラビアが、このイベントから観光ビザを出し国を解放する。
そして、ぼくたちはカウンターのレストランを任されて、スタバもマックも男女が分かれているこの国で、サウジアラビア史上初のカウンターで男女が顔を隠さずにご飯が食べられる空間を作ることになると。

そのカウンターは王宮の中に作られるらしく、キッチンのイメージも欲しい。
王宮？どこ？キッチンのサイズは？

しかし、いくら調べてもなにも出てこない。

テチュバリで金沢に向かってる新幹線の中で連絡が来た。
その中でいろんなことを考えた。
なんなら話が来た時が、締め切り。みたいなタイミングで僕のところにきた。

さて、ここでクイズです。
「サウジアラビアに合うシェフをお考えください。」

まぁ、正解なんかないっすね。
みんなのスケジュールもあるし。

さて、こっから下でわかってほしいことはボクは英語が一切できないということ。
めい、えま（年齢順）のサポート無しでは空を飛ぶこともなにも出来なかったわけで。
本当にありがとうございます。とても感謝しております。

実際のところ、すべてを把握してきたのはこっちに来てからだ。
メールのCCに入ってるたくさんの人たちに会い「あぁ、この人か」と現地で思ったりしてた。

50日以上住んだ今でこそ言える。
サウジアラビアは、そのルールに従えば住みやすく、良い人ばかりだ。

だけど1番最初に送られてきたガイドラインには、街で気軽に写真を撮ったら逮捕される可能性があり、営業中にオーダーをとった女性に質問する時も近づかない、男性も仲良くしすぎないとか書いてあった。
1日何回もあるお祈りの時間には営業が止まる可能性があることや、アルコールもない。
ってことは、醤油もお酢もみりんも無い（意外と知らない人いますが）

今となっては、そのルールは無いようなものでみんなバシバシ写真撮ってるし（あくまで僕らのいるエリアでは）
ホテルもインターコンチネンタル系なのもあり、普通にみんなが話してる。
同じ階に男女が宿泊してるし、死刑の可能性のない修学旅行より確実にルールはゆるい。

ただ、その話が来た段階では、各シェフにも「ぼくも何も知らないんですが…」と付けてから条件や日程などの話をするしかなかった。

この謎のオファーをみんな快諾してくれた。
同じクオリティの仕事ができる保証はない。けれど、出来る限りそれに近づけるために、こちらは努力をする。

シェフの皆様には本当に本当にお世話になりました。

あ、そういえば、サウジアラビアの首都がリヤドだってことも知らなかった。
あ、でもサウジアラビアでは、東京しか知らない人が多い。

さて、シェフたちにはコース内容を決めてもらう。の前に〜

イスラム教では、許されている「ハラール」な食材と禁じられている「ハラーム」な食材がある。
有名な「豚」「アルコール」これ以外にも色々とある。

流れはこうです。

→英語で各シェフが使う食材リストを作る
→アラビア語に訳してもらって確認してもらう
→確認後、使えるかどうか
そんなことを繰り返す。

そんなことしながら備品を確認して、器やグラス、カトラリーの発注をする。

スタッフは用意しているというのは本当なのだろうか？
え、いろんな方向からお客様が来るため7つの入り口があるって？
しかも、それを管理するエントランスの専属スタッフがいると。

日にちが近づいてきても何も発表されない。
「このイベントは、存在するのか？」
今思うと、こちらのマーケティングで溜めに溜めて溜めて、まとめてどん！って出す手段が好きみたいだし、こちらの人にとっては良いことみたいで（本当に先の予約をしない。）

とはいえ日が近づいてくると、世界ベストレストラン50の中から何軒も来るし、ドバイの有名店や様々なスタイルのお店がやってくるってことがわかる。

そのとき、じつに悩んだ。
自分の選択は正しいのかどうか。じつに悩んだ。

そのうちに、自分でレストランを選んだ手前、2ヶ月間サウジアラビア滞在するチケットをとり、政府VISAが出るというので申請に行く。

なんとなく入ってた仕事や現場に立つ仕事は全部キャンセルして、12月10日までマルッとあけた。
なんのイベントかもよくわかっていないのにだ。

現場の写真をくれと言っても、送られてこない。
本当にレストランはあるのだろうか。

そして、渡るはずだった日。
その日は台風で食材も職人も全てがストップになった
翌日の便には振替きれず、スタートの日に渡ることは出来なかった。

遅れること3日。初めてのサウジアラビアに入る。
着いたら迎えの車がいて、ホテルまで送ってくれるらしい。

結果だけ言うと、ホテルは取れてなくて迎えの車もいなかった。
果たしてリヤドシーズンは本当に行われているのか？

ここまでがサウジアラビアへの入国。
来るまでを振り返ってみると、全然楽しいことないなww