荒木 飛呂彦さん「荒木飛呂彦の漫画術」

「ジョジョの奇妙な冒険」がジャンプで連載開始した当時、巻頭カラーの「石仮面を被った人間が美女の返り血を吸うシーン」は強烈な印象でした。

 この本で「『ジョジョ』は王道漫画だ」と荒木先生はおっしゃいますが、主人公が1部の最後で死んでしまうという発想は、「魁!!男塾」で死んだと思われた塾生が生き返ったり、「ドラゴンボール」で孫悟空が生き返ったりする場合と比べて違和感があり、人気がなくて、もう終わるのかな?と思った覚えがあります。

「なぜジョナサン・ジョースターを死なせたか」の項を読むと苦渋の決断ながら代々繋がる「ジョジョ」というキャラと対極的に何代にもわたって登場し続ける悪の代名詞「DIO」という存在の対立が物語を長続きさせる秘密だったのだろうと感じました。

「スタンド」よりも「石仮面」の謎めいた話や「波紋」などが印象に残っていますが、修行しながら強くなっていく部分は確かに王道漫画なのかもしれないと懐かしく読み返してしまいました。

「荒木飛呂彦の漫画術」荒木 飛呂彦
集英社新書/2015.4.1刷

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