紙魚
毎週日曜日更新。文庫2頁程度の創作恋愛物語です。当て馬も嫉妬もありません。心穏やかなパートナーとの日常を描きます。
憧れの人がいる。 「ねえ〇ちゃんは何色が好きー?」 「やっぱり水色だよね?」 「ピンクでし…
はじまりはいつも「一目惚れ」だ。思い返せばあれもこれも。だんだん緩やかに好きになったと勘…
名前を呼びあうことは日々をつなぎ留める作業だ どこにいるの そばにいて はなれないで ここに…
母は色白の肌に茶目に茶髪の巻髪。「色素が薄くていいね」と羨ましがられる見た目。その通り…
「俺たちの趣味は料理ってことになるのかな」 ニラが浮いた鶏ガラスープに溶き卵を流しこみ…
珍しくテレビを見ていた。番組のあいだに流れるコマーシャル。楽曲の発売日を知らせる文言に…
やった。うわ。やってしまった。失敗した。受験に落ちた。どうしよう。またあのいじめっ子た…
桜が咲くことが幸せなことではないのです。 また春が来たねと言い合えることこそが幸せなので…
友人に恋人ができたらしい。 友人は「好き」を多用する人間だ。彼女にとって、この二文字…
イヤホンを落とした。 駅のホームで。 線路の上に。 駅員を呼んで探してもらうも見つからず。 …
俺は起きてからずっとベッドに腰掛けて彼女を見ている。彼女は起きてからずっと、姿見の前で…
23時就寝、6時30分起床。身支度を整える間に湯を沸かす。紅茶に砂糖を入れる。スプーンに山…
雨は私を薄暗い不自由な世界に閉じ込める。 頭が痛い。体が重い。瞼も重い。とはいえ仕事…
「歯ブラシが並んでいるとうれしくなる」 彼がなんとなしにつぶやいた。そういうのでいい…
シェイクスピアには、すべての愛の原形があるのです。そこらに流布する恋物語など、すべてこ…