客観視ができないとうつ病から完全復活は難しい
Boyaです!
最近改めて振り返ってみると、僕がうつ病に対してどうやって向き合ってきたのかを考えた時に
客観視が非常にできている
と様々な支援をいただいた方々から言われてきました。
「Boyaさんのように非常に客観的に物事を受け止められる人はあまりいません」
と言われることがあります。
客観視ができているからと言ってうつ病が早く治るわけでないですが、治療や療養をしていく上で経験上
「客観視ができていないと非常に難しい」
と実感してきました。
今回は客観視について記事を書いてみたいと思います。
それでは行ってみましょう!
客観視ができないと鬱が治りにくい根拠
僕はうつ状態の経験から客観視ができないと以下のようなことが自分の中に起こります。
・自分の思考の癖を知ることができない
・他人の客観的な意見を受け入れられない
・他人の共感を得難い
・正確な情報で治療できない
・自分をひたすら虐め続ける
■自分の思考の癖を知ることができない
自分の思考の癖に気づくことができなかったり、気づいてはいても
「これは自分の価値観や性格だから治せない」
と諦めてしまったりします。
僕が言っている思考の癖とは、精神科医アーロン・ベックの「認知の歪み」に近いです。
認知の歪みとは10パターンあると言われています。
・全か無かの思考
・行き過ぎた一般化
・心のフィルター
・マイナス思考
・論理の飛躍
・拡大解釈、過小解釈
・感情の理由づけ
・~すべき思考
・レッテル貼り
・誤った自己責任化(個人化)
※これらの意味については認知の歪みをご参考にしてください。
それぞれの要素が極端に強いと自分が非常に生きづらい状態にな流とのことです。
僕の場合、
「行き過ぎた一般化」→生活保護を受けるなんてありえない
「マイナス思考」 →結局自分に才能や努力が足りてない
から成功できないんだ
「〜すべき思考」 →30代になんだから管理職になってる
べきだなど、他にも大なり小なり
思考の癖がありました。
認知行動療法ではこれらを客観的にアウトプットしていって、自分自身にどの思考の癖があるのかと、事実と感情を切り分けて整理していく作業がありました。
これらの思考の癖に気づくにしても客観視が必要です。
カウンセラーと会話をして気づかせてくれたとしても、対策を打つのには客観視を持つ自分を意識していなければなりません。
■他人の客観的な意見を受け入れられない
これもうつ病を治療をしていく上で、他人の意見を聞けないと非常に弊害になります。
当然といえば当然ですが、うつ状態の時は前述の「思考の癖」が極端にしているため、ネガティブ思考が非常に強くなんでも悪い方向に考えがちです。
■他人の共感を得難い
客観視ができていない状態で「生の感情」を言語化しようとすると、どうしても伝わりづらいです。
話のトピックが自分の感情に限らず、別のトピックであったとしても主観的な意見や情報だけだと説得力に欠けて伝わらないということはよくあると思います。
何を伝えたいかによって主観的な見方や感情は盛り込む必要はありますが、どんなに病んでても相手がいる以上はしっかりと客観視を意識して会話するように僕は常に念頭に置くように意識しています。
■正確な情報で治療できない
前述の理由で正確な情報が伝わりづらいので主治医との会話でも齟齬が発生し、処方内容が変化してしまう可能性があります。
抗うつ薬など思考や感情作用するような処方なので、ここは非常に重要だと思います。
ご自身が正確な状態や状況を主治医と共有できずに間違った処方で治療し続けると時間ばかりがかかります。
当然うつ病は投薬治療だけではありませんが、その治療方針もおかしくなるため、できる限り正確な情報と正確な感情を言語化して伝える必要があります。
■自分をひたすら虐め続ける
自分が悪いんだとひたすらいじめ続けるのもまた、客観視ができていない状態だと思います。
これは前述の思考の癖を一部です。
何かを悪者にして責め続けないと気が済まない主観的な感情に支配された状態だと思います。
どのように対策すべきなのか
まず、大前提として客観視できるようになるには一定の心の余裕がないと厳しいと思います。
嫌な出来事があって思い出した時に
・その出来事の映像が鮮明である
・音が鮮明かつリアルである
・匂いまで感じ取れる気がする
・体のどこかが痛い気がする
などリアルな追体験ができる状態の人に
「客観視をもて!」
と言われても無理です。
僕もそんな状態で客観視できるほど達観できていません。
そのため、自分が主観でしか見れないような心理的状態の時(NLPではアソシエイトという)は、主治医やカウンセラー、信頼できる人に話を聞いてもらって心が落ち着くことに集中してください。
しかし、その出来事をその塩漬けにして放置するのではなく、自分がある程度距離感をもって振り返ることができた時に客観視をした状態(NLPではディソシエイト)で分析してみるのです。
嫌な出来事は過ぎたことだから思い出したくないという気持ちがわかりますが、そこから逃げてしまうといつまでも変わらない自分のままです。
最初は重いトピックは絶対に避けてください。
少しイラッとしたトピックで分析して、
「あれ?なんでこんなにイラついてたんだ?次回似たような事起きたらこう考えてみよ」
と思える体験ができたら、大分効果が出てることになります。
僕なりに客観視できるようになるためのポイントを以下にまとめてみました。
・無理に客観視を意識してはダメ
・意識して出来事を一つ一つ考えてみる
・事実と感情を分けて整理・言語化する
・事実は他人だったらどう考えるかで特定していく
・物事の流れを整理する
・感情は一旦置いておく
・何に対してどんな感情を抱いたかを整理する
・整理した内容を信頼できる人に冷静に共有してみる
客観視はまさに他人事のように物事を見れるかです。
僕が特に苦労したのは「事実と感情をわけて整理・言語化する」です。
認知行動療法でセルフチェックしてた時にこれが非常に苦手でよくリワークスタッフに相談したことがあります。
例えばですが、
人通りが少なく、近くに民家もない大通りに面した公園で音量低めに楽器練習をしていたら、通りがかった人に酷い物言いで注意されてしょんぼりした
実際に僕の経験談なんですが、これを僕が最初に事実と感情を分けた時にこんな感じでした。
客観視ができていない時の例
■事実
物言いや姿から少しおかしい感じで絡まれたらヤバイ人で、大音量で練習してた訳でもないが酷く暴言を吐かれた。
公園には特に演奏禁止など看板には書かれていないのに
■その時に考えたこと(認知行動療法では自動思考という)
「なんでこんな怒られ方されなければならないんだ」
「音に敏感な人だったのかな。悪いことしちゃったな。」
■感情
悲しい
ムカつく
わかりやすくするために少々表現を過剰にしました。
事実にかなり主観的な見方や感情が入っていることがお気づきでしょうか。
これを書き直すとこんな感じになります。
客観視ができている時の例
■事実
公園を歩いていた人に楽器練習について注意を受けた。2、3口論になったが結果的に謝り、すぐにその場を立ち去った。
公園利用時に関す掲示板には楽器練習禁止の記載は無く、近くに民家もない大通りに面した公園だった。
注意してきた方は少し様子が変だった。
■その時に考えたこと(認知行動療法では自動思考という)
「怖いな」
「なんでこんな怒られ方されなければならないんだ!」
「音に敏感な人だったのかな。悪いことしちゃったな。」
■感情
怖い
悲しい
ムカつく
申し訳ない
事実は淡々したもので、そこに感情や「ヤバイ」などの主観的な表現を入れると事実でなくなります。
その時に瞬間的に考えたことも書き出してみると自分がこんな思考をしたために感情が発生したんだなとわかると思います。
感情に「ムカつく」という怒りがありますが、「怖い」や「悲しい」がトリガーとなって怒りが発生していることに気づくことができると非常に良いです。
最近アンガーマネジメントという言葉をよく耳にしますが、怒りは2次感情と言われています。
怒りは「不安」「恐怖」「悲しみ」などの一次感情から派生しています。
そのため、怒りを対策する場合、この一次感情に気づく必要があり、これらを発生させている事実や自動思考を把握している必要があります。
自動思考が発生するパターンを変えることで怒りをコントロールするという手段になるのでどうしても客観視が必要になります。
冷静になるだけで無く分析するところまでやらないければならないため、客観視は非常に大変です。
しかし、この視点を持てるようになり、分析する訓練を積んでいくと段々生きやすくなっていきます。
僕自身まだまだ未熟で全ての物事を客観的に捉えられる訳でないですが、客観視できたからこそ、回復し少しずつ自己実現してきています。
今回の記事を読んでくださっている皆様もより生きやすいようにチャレンジしてみてください。
最後に注意事項を書かせてください。
今回ご紹介している手法は僕が受けてきた認知行動療法や独学で勉強しているNLPを僕個人が解釈した内容で紹介しております。
間違った解釈も多分に含まれている可能性があることをご理解の上、自己責任でチャレンジしてみて下さい。
本格的に治療や勉強をされたい方は専門家の指導を受けることをおすすめいたします。
今回の記事がいいなと思った方は励みになりますので「スキ」をよろしくお願い致します。僕の経験にも基づいた社会復帰、自己啓発、健康などのトピックについて記事を投稿しています。ご興味のある方はぜひフォローしていただけると幸いです。今回もご清覧いただき誠にありがとうございました。
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