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ある老人との対話

森で老人に出逢った。

彼は酷く絶望していた。

こんな所でどうしたのですか?不思議に思い私は彼に問いた。彼は私は絶望していると答えた。そこから私と彼との対話が始まった。

何を絶望しているのです。

彼は、この国に…。そして、この社会に…。全てに…

私は、その絶望は何処から来たのでしょうか?

彼は、生きている。その生きている人生の中で私は絶望した。そう答えた。

私はそれを聴きふっと気付いた。彼が感じている絶望は、闇だ。自分ではどうにもできない。そんな虚無にも似た感覚が産んだのかもしれない。

彼は、私はどうしたらいい?そう小声で私に囁く。小さく今にも消え入りそうな声。

私が伝えられるのは、ただ一つだけだ。人生を全うする。

人間が唯一与えられた試練でありそれこそが生きる理由。

彼はそれを聴くとまた森の中に消えていった。

我々が進む道は何処へ向かうのだろうか…。人は時に儚く弱いが

それも全て受け入れるしか無い。


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