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読書感想文の回「汝、星のごとく」

2023年6月6日(火)

UFOがあっち行ってこっち行って落っこちてお池が2つできる日でしたね。
来年は6が3つ並ぶので悪魔がなんちゃらとか言い出す人がいそうですね(笑)

さて、予告通り感想文書きましょう。
気合を入れて書いてみましょう…いや、ごめんなさい、気合は入れずに頭に浮かんだことをツラツラと書いてみますね(ハードル下げた笑)

「汝、星のごとく」の感想文です。
(ネタバレもあると思うので読みたくない人は読まないでください)

まず、プロローグから「え?どういうこと?」ってなります。
なぜなら「月に一度、わたしの夫は恋人に会いに行く」そんな一文から始まるから…。
こんなの気になり過ぎて一気に引き込まれますよね。

しかも、プロローグの後はこの「わたし」の高校時代から話が始まるのですが、その夫…え?高校時代の先生なの?ってなるんです。それが意外とすぐ出てくるので、どういう展開でそこにたどり着くのか?まずこの一つのフックが早い段階で出てくる為、その理由を知りたい…という気持ちからどんどん読み進めたくなる…序盤からぐいぐいやられてしまいました。

そして読み進めれば読み進めるほど、心がギューっとなってどんどん胸が苦しくなって痛くて泣きそうになるんです。(実際何回も泣きましたが)
そう、このお話は基本的には恋愛小説です…私があまり得意としない分野なんですが、この本の主人公たちの置かれている状況があまりに理不尽というか自分ではどうにもならない…親と言う呪縛だったり、世間の偏見や噂など…いろんなものに縛れている状況が、単なる恋愛小説ではなくしているからなんでしょう…もうただただ没頭して読み進めてしまいました。
恋愛小説でこんなに引き込まれたのは初めてだと思います。

小説に引き込まれる理由って、この小説でもそうでしたが「なぜ?」というのはもちろんあるのですが、それ以外だと「面白い・楽しい」とか「ワクワクする」とかそういういわゆる明るいイメージの理由より、どちらかというと「切なくて苦しくて…」という方が強いような気がします。…それって何なんでしょうね…苦しいのに読まずにいられない。
小説の世界に何を求めているんでしょうね。

この小説が私を引き込んだその苦しくて切ない理由は、まず主人公である暁海と櫂の置かれている状況です。瀬戸内の島に生まれ育った高校生の暁海…父親が浮気して出て行ってしまい、母親の心がどんどん壊れていくという家庭環境…要は親の事情に苦しめられているわけです。
一方、自由奔放な母親の恋に振り回され島に引っ越してきた櫂…小さいころから母親は男にふられては酒を飲み泣きわめき息子にすがってくる。
そんな2人が出会い、似たような状況から自然と惹かれ合って恋に落ちる…ちょうど私の息子と同じ歳の2人がそんな状況にあると想像しただけで、やりきれない気持ちになりました。
それと同時に親である私はどうしても親側の立場でも見てしまうのですが、私はまあこんな色恋沙汰とは無縁の生活を送っているものの、なんらかの理由で息子の足枷になっていないか?もしくは今後足枷になるようなことがあったら?と考えさせられました。
もちろんそんなことあってはならないし、なりたくはありません。でも絶対ならないと言い切れるか?例えば病気になったり、身体が不自由になったりとか、例えそれが彼らの親のような勝手な都合からじゃなく止むを得ない理由だったとしても、足枷になる可能性はあるわけで…
そう考えると、他人事とも思えず、そういう理由でも苦しくなりました。

結局高校卒業後、櫂は東京へ行き漫画の作者として一度は成功を納めたものの、漫画のパートナーがゲイであったことから起こる間違ったスキャンダルの為、仕事を失うことに…そして更なる悲劇も。
一方、暁海は心を壊した母親を残して島を出ることができず島に残って就職することになるのですが、やりたかったことではなかったことと、母親の金銭的なトラブルなどから苦しい展開はまだ続くんです。
そんな中、遠距離恋愛になった2人は少しずつすれ違っていき、結局別れることになるのですが…(この辺りも本当に苦しくて本を閉じたくなることもありました)
ちょっとプロローグのところに話を戻しますね。
プロローグの「わたし」というのは30代になった暁海のことなんですが、この「夫」というのは櫂ではなくて、高校時代の先生でしたよね…
この先生は北原先生と言って高校時代2人の理解者で相談に乗るだけでなく、彼らの親のいわゆる修羅場に立ち会ったりしている…そんな先生なんです。ただ、私はこの先生との結婚の理由がちょっと理解できない感じもあって…

この小説…親に振り回されながらも愛し合う2人の恋愛という主軸の他にも、櫂の漫画のパートナーのこと、暁海の父親の浮気相手と暁海の関係、そして北原先生のこと…などいろんな事が交差するのですが、私には理解できないというか不思議だなぁと思うことがいくつかあるんですね。
まず、暁海と父親の浮気相手である瞳子さんという女性の関係。瞳子さんが仕事としてやっていた刺繍に魅せられた暁海が、仕事を通じてやり取りが続いて行くという…その状況が不思議な関係過ぎて理解できないんです。確かに瞳子さんは嫌う要素なんてない女性なのですが、それでもやっぱり自分の家族を壊した原因となる人である事には変わりない訳ですし、一緒に住んでいる母親の手前そんな人と割り切って関わりを持つってことは私にはできないだろうな…って思ったんです。
まあ、いろいろありすぎて、そんなことを気にしていたら自分のやりたいこともできなくなるので、割り切るしかなかったのかもしれませんが…
そして、一番わからないのがやっぱり北原先生のプロポーズなんです。
櫂と別れた後、暁海もいろいろあったし、先生の過去もいろいろあって(先生も過去に訳ありな恋愛をしていたんです…その相手がプロローグにあった「恋人」なわけですが)先生は「互助会」という言葉を使って、いろいろあった2人が助けえば少しは楽になれるだろうから…とそんな理由でプロポーズしたんですよね。それは島の人たちの噂から暁海を守るためでもあったのかもしれません…そんな優しさからなんでしょうが…それでもいきなりのプロポーズというのがね…ちょっと不思議な感覚で私には思いもつかないことでした。

そうそう、実はこの本、プロローグとエピローグがほぼ同じ内容なんです。
同じ内容なのに、何も知らずに「え?どうゆうこと?」って気持ちでよんだプロローグと、ここまで来た経緯を知ってから読むエピローグ…
全く違う気持ちで同じ文章を読むというのが、不思議な感覚で…あの「なんで?」って気持ちが、こんな風な形で答えとなって返ってきたのがすごく印象的で、読んだ後しばらく残った余韻はこのエピローグの持って行き方が上手かったからなんだろうなぁって思いました。

家庭環境が大変な2人…それだけでも辛いのに、なんで?ってくらい更に辛いことが続いて本当に切なくて苦しくて…それでも愛するということを止められなかった2人の結末に涙が溢れました。
そして主人公の2人だけでなく登場人物のそれぞれの愛の形にも…2人の親然り、櫂のパートナー然り、北原先生然り。
この本の帯に「私は愛する男の為に人生を誤りたい」とありました。…それは暁海の言葉でしたが、北原先生も言ってました「ぼくは過去に間違えましたが、『つい間違えた』わけではありません。間違えようと思って間違えたんです」と。
「正しい」だけが正解じゃないんでしょうね。いや、そもそも正解なんてないんでしょうが…
世間的に「間違い」でも自分の気持ちに正直に…自分の思いのままに行動して結果的にそれが幸せだと感じられるなら、それでいい…恋は盲目なんて言葉もありますが、恋愛とはそんな力を持っているんでしょう。
ただ、その「世間的には間違い」というもののせいで簡単にいかない…
感情とは裏腹に体の関係を持つのも、そこから生まれる嫉妬や後悔やらも…
そんなのも絡んでくると、もはやどこが間違いだったのか…そんなこともわからなくなるのかもしれませんね。
だから恋愛って物語にもなるし事件の引き金にもなる…

なんて…ラブストーリーが苦手な私が言うのもなんですが…(笑)

とにかくいろんな感情がグルグルした本でしたし、いろんなことを考えさせられた本でした。



やっぱり、短く上手くまとめることはできませんでしたね(汗)
この辺をもう少しブラッシュアップして上手くまとめられるようにしておかないと「本好きの会」で感想を発表する時にまた失敗してしまうことになるので、これを下書きとしておきます。
あ、まだどの本の感想を発表するか決めてないんですがね(笑)

以上。
次の感想文は今読んでいる本が読み終わり次第書きます。
課題図書もあと2冊あるしな…引き続き毎日読書チャレンジ頑張りまーす。

では、また明日。


【毎日読書チャレンジ】
「合理的にあり得ない」またしてもほんの数ページでした(多分5ページくらい笑)

どうしても寝る時間が遅くなってしまって(気が付きゃ今日も0時過ぎてるし)朝読書の習慣をつけようと頑張ってはいるんですが、どうしても途中で目がとろーんとしてしまうんですよね。「汝…」の時は眠くならなかったのに、この本が眠くなってしまうのはドラマを観てなんとなく展開がわかっているからなのでしょうか…
とりあえず明日の朝も頑張って読みまーす。


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