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読書感想文の回「正欲」

2023年8月16日(水)

さてさて、予告通り書きますよ!

…と言ってもこれを読み終えたのは7/23(笑)ずいぶん前のことなのですが、たまたまね、本好きの会で感想を言おうかなーと思って感想をメモしてあったので、今日はそれをコピペしたものを更に加筆修正しました。

では…

「正欲」(朝井リョウ著)を読んで


まずこの本…なかなかの問題作と言われているので、Amazonからあらすじを先に引用しますね。

あってはならない感情なんて、この世にない。
それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。

息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。

しかしその繋がりは、"多様性を尊重する時代"にとって、
ひどく不都合なものだった――。

「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、
そりゃ気持ちいいよな」

これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?

Amazonより

…ということから、どうやら「多様性」が絡んでいるお話だということがわかりますね。

そうなんです。
「多様性」…めちゃくちゃ考えさせられた作品でした。

多様性、ダイバーシティ、なんて言葉が巷に溢れるようになったのはここ数年のことで、私が子供の頃からみたら考えられない世の中になったなぁとは思ってます。
前職でゲイの上司もいたし、最近知り合った人で体は女性として生まれたけれど気持ちは男性(性転換手術済みの方)といういわゆる性同一性障害と言われる人ともゆっくり話したこともあって、いわゆるLGBTQ+のQや+の中にも色んなタイプの人がいることを知りました。この辺ことに関しては自分も柔軟な考えを持っていたいし、たとえ理解は難しくてもそういう人もいると受け入れるというかーそういう人がいるということを知識として持つことはできるかな、いや、理解するようにしようって思ってました。

まぁ、そもそも私は多様性とかそんな言葉なんてない世界がいいなとすら思っていたんです。そんなのなしで、「みんな違ってみんないい」でもなくて、それぞれ違ってもそれが何?くらいの世の中になればいいななんて。

でもこの本を読んで、なんかそんなことを思っていた自分、全然わかってないしよくそんなこと思ってたねって恥ずかしくなりました。
恥ずかしいというか、それ以前…
そんなこと考える資格さえない…というか、ホントに何もわかってないのに何を言ってんの?って感じです。

私が考えていたのはこの本の中の言葉を使うと…「マイノリティの中のマジョリティ」に対してだけでした。

この本の中に出てくるマイノリティとは…マイノリティの中のマイノリティ。ほとんどの人が「そんなわけない」とはなから否定してしまうほどの人たちでした。だから本当のことを言っても信じてもらえない…「どうせ話したってわかってくれない」から言っても仕方ない…という域の人たちだったんです。

私は今まで多様性とか何とか言ってる中で、性的興奮を感じる対象は「人」しか想定してませんでした。「人」に対しては全く何も感じず「人」以外の何かに性的興奮を感じる人がいる…ということを全く頭の中に思い浮かべていませんでした。
でも、そういう人がいるということを知らなかったか?と言われたら、いるらしい…と言う程度には知っていたのに…です。

本当にこういうことに対する自分の気持ちを言葉にするのって難しい。
ホントの気持ちを言ったとしても偽善っぽくなるし、でもその偽善の方がもしかしたらホントなのかもしれないし…というのは実際にそういう場面に遭遇した時、果たして自分がどういう感情を抱いてどういう行動を取るのか…その時にならないとわからないから。

だから語ることが難しい。
そして彼らのように性的な興奮を覚える対象が多くの人と違うマイノリティー側の人たちがいかに生きにくくいのか、そんなことも本当の意味で理解するって、、いやもうこれを今言葉にしてるだけでやっぱ私も「どうせ話したってわかってくれない」側にいるんだろうなって。

もう話せば話すほど自分の言ってることが嘘っぽい感じて嫌ですね。

朝井さんは意地悪だ…って書評を見ました。ホントに…
自分の嫌なところや自分の触られたくない感情、自分の偽善者的なところなど、とにかくそういうところをグッサグッサ刺してくるんですよね。だから意地悪だってなるんですが、その意地悪の奥には深い愛が潜んでるって…そう書いてありました。

深い愛…
そうだなぁって思いました。
えぐられたからこそ、そんな自分を認めて新たな視点を持てたし、気づけたことで少し広い心を持とうと思えるようになれたから。

まだまだ人間ができてないので、そう簡単ではないと思いますが、それでもこういうことを考えるきっかけになったという意味では本当に読んでよかったです。
かなり苦しかったですけどね。

以上。

これ、書くのホントしんどかったです(汗)
朝井リョウさん、初めて読みましたが他の本も読みたくなりました。
あ、そうそう…私、朝井リョウさんってずっと女性だと思ってました…
実は「正欲」を読んでる時も女性が書いてると思ってました(恥)
読み終えてから、どういう人なのかなぁと調べて初めて男性だと知りました(笑)
知らないことだらけで恥ずかしいです。

さて、明日も読書感想文書けるかなぁ…

とりあえず今日はこの後、次の課題図書を読みまーす。

では、また明日。

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