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TimeTreeプレミアムLPのCVRを改善した話

こんにちは、TimeTreeでプロダクトマネージャーをしているMark(@shu_516)です。

2018年にTimeTreeへ入社。これまでに様々なプロジェクトに携わってきました。プロダクトマネージャーとして数年間の経験を通して自分の中で企画を推進する時に大切にしたいことが見えてきたので、自分のようにプロダクトマネージャーとしてエンジニアやデザイナーと一緒にプロダクトの開発を推進している方の参考になれば幸いです。

自分が企画を推進するときに大切にしている4つのことです。

  1. 現状を正しく理解して課題を特定する

  2. 課題の「なぜ」を掘り下げて仮説を立てる

  3. Howより前にWhatを定める

  4. 議論を通じてより良いアイディアを生み出す

今回は過去に担当したTimeTreeプレミアムのランディングページ改善に沿ってくわしく解説していきます!

現状を正しく理解して課題を特定する

以前よりたくさんのユーザーさんからご要望をいただき、2022年4月にサブスクリプションプラン「TimeTreeプレミアム」をリリースしました。

TimeTreeプレミアムはまず最小限のプランでリリースしたため、新しい機能を追加したタイミングでランディングページの改善が必要でした。そこでランディングページの現状を数値面で正しく理解して、改善課題を特定することから始めました。

まずは有料プランの認知から購入に至るまでのファネル分析を実施。すると購入画面にたどり着いたユーザーのうち実際に購入するユーザーのファネル部分で多くの離脱が発生していることがわかりました。

次にこの課題を解決すると、どれくらいの効果が出るのかをシミュレーション。ファネル部分の離脱率を2%改善するだけでも最終的な購入者数を2倍にできるとわかりました。

そこでこの企画の課題を「購入画面からの離脱率を2%改善する」と設定してプロジェクトチームに提案。全員で改善に取り組むことにしました。

課題の「なぜ」を掘り下げて仮説を立てる

課題を解決するためには、仮説立てが不可欠です。なぜ仮説立てが重要なのか? それは仮説があれば後から「あっている」「 間違っている」を検証してさらなる改善サイクルを回すことができて、結果的に目指していることに最短で辿り着くことができるからです。

特定した課題「購入画面からの離脱率を2%改善する」から「なぜ購入画面から離脱してしまうのか」の仮説を作っていきます。

今回立てた仮説

  • ユーザーが商品の購入を考えるときは、それが自分にどのように役に立つモノなのかを具体的に知りたい

  • ほかの商品と比較検討したうえで価格の妥当性を考慮して購入を決めたい

  • しかし、TimeTreeプレミアムの購入画面は購入メリットの記載が少なく価格がメインの訴求となっていた

  • つまり購入することで自分にどのように役立つのか十分に説明できておらず離脱してしまう

改善前のLP

Howに落とし込む前に方向性、軸を定める

次に仮説をどのように検証していくか、具体的には購入画面でどのようにプランの購入メリットをユーザーへ伝えるのかを検討しました。

ここでのポイントは「いきなり具体的なHowを考えない」です。

購入画面での原稿表現やデザインは多様にあります。このプロセスで大事なのはまず表現の方向性、軸、いわゆるWhatを先に定めることにあります。

これも先述の「仮説」に近いことですが、方向性や軸がないと結局判断がブレてしまいます。これも良いよね、あれも良いよねとなり、なにを確かめたいんだっけ? と本来やりたいことを見失ってしまいます(実はそういうことってよくありますよね……)。

Whatを定めるためにまずやったことは、他社のさまざまなサブスクプラン画面の研究と訴求軸の整理です。

訴求軸によってそれが有効なアプリやサービスがあります。TimeTreeにフィットする訴求軸を見つけるために、価格訴求、無料体験訴求、有料機能訴求など7つのカテゴリに分類しながら多種多様なアプリを研究して整理していきました。

整理した7つの訴求軸

チームで何度か議論を重ね、各機能がどのような課題解決につながっているかを具体的なシーンと合わせて訴求する方向性に決まりました。

「こんなお悩み、ありませんか?」の具体シーンと合わせた訴求

たとえば予定にファイルが添付できる機能の場合、TimeTreeのメインターゲットで、お子さんがいらっしゃるパパ・ママの課題は「子どもが学校から持ち帰ったお便りを無くしてしまう」です。そこで、この機能を利用することで課題が解消されるストーリーを提示しました。

議論を生み出すためのたたき台

続いては購入画面のデザイン&仕様をデザイナー・エンジニアと一緒に詰めていきます。

この工程で大切なのはメンバー同士での議論を生み出すたたき台を用意することです。

デザインや仕様を考えることもPdMの大切な仕事でしょう。しかし、自分一人で考えていると視野が狭くなりアイディアが偏ってしまいます。仕様の抜け漏れが出たり、もっと良いアイデアが生まれる機会を潰してしまいます。

自分には見えていなかった点を企画に反映するために、開発メンバーとの議論はとても大切です。しかし、議論とは「みんなでゼロから意見出し合う」でもないと考えています。

理想的な議論のかたちは、前提条件や仮説を提示して、そこに足りない観点や補強する意見などを出し合うことだと思います。

そこで私は必ず「たたき案」を持ってプロジェクトメンバーと"議論"することを大切にしています。たたき案があると、メンバーから「ここをこうするともっと良くなりそう」や「このアイデアとこのアイデア組み合わせれそうじゃない?」など、自分はデメリットだと思っていたことがメリットになることもある。みんなの力で企画がどんどん洗練されていきます。

今回はデザイナーのEmmaと議論しながらデザインや構成のアイデアをブラッシュアップしていきました。

たたき案ではだだ文字が羅列されているだけでしたが、Emmaから「ユーザーアイコンを出せばシーンがより想像しやすくなりそう」と提案をもらいました。

ほかにもたくさんの議論を通じて、たたき案よりもはるかに良いデザインを作ることができました。

結果

改善前

改善前のLP

改善後


改善後のLP

さまざまなパターンを試行錯誤しましたが改善前後でCVRが2.5倍改善しました🎉

もちろん検証したパターンの中には効果が変わらない、むしろ下がってしまったものもありました。しかし、課題と仮説を明確にしていたので失敗の原因特定もすぐにでき、今後の学びにもなりました。

まとめ

以上、今回はTimeTreeプレミアムのランディングページ改善を事例にして、私が企画を推進する際に大切にしていることについてご紹介しました。

大切にしていること

  1. 現状を正しく理解して課題を特定する

  2. 課題の「なぜ」を掘り下げて仮説を立てる

  3. Howより前にWhatを定める

  4. 議論を通じてより良いアイディアを生み出す

すごく当たりまえのようですが、これがなかなか難しい。ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。

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